想い出すのは君のこと
港町の坂道の階段
二人で 腰掛けて
語り合った
少し暗い街頭
でも 画面は明るかった
君の目は 茶色かった
君の手は白かった
僕は 若かった
港町だった
様々な人種の アメリカ兵が歩く
僕らはタバコを吸った
ガムを噛んだ
ガムは甘かった
気温は 丁度よかった
風が心地よかった
階段の下には窓がある
細い道につながっている
心が満たされていた
世界が満たされていた
世界が満たされていた
心が満たされていた
潮風が吹いていた
その時間は長くは続かなかったし
その後の混濁した経緯のなかで
遠い過去のものとなってしまったけれど
今でも 赤い薔薇のような
妙に綺麗な記憶として
僕の心の奥底に
眠っている
2024/02/12
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