ゲーム業界が素人でも何となく分かる本 〜桜井政博のゲームについて思うこと〜
こんにちは。竜頭蛇尾になりつつあるGBです。
今回はゲームの裏側を少しでも知りたいなという人向けの本です。なので、ゲーム業界を目指している方からすると当然なのかもしれません。業界研究なんて大きい意味合いはありませんので、ここは単純にゲームが好きな方もぜひ。
この本を紹介する前に、「桜井政博」という人物を説明しなければなりませんね。
1.桜井政博氏とは
ここはWikipediaから引用しましょう。
桜井 政博は、日本のゲームクリエイター。ゲーム制作会社有限会社ソラの設立者で代表。 『星のカービィシリーズ』と『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』の生みの親で、主にディレクションを手がける。
星のカービィとスマブラの生みの親!加えて、新パルテナの鏡も作ってた方ですね。
自ら積極的に前に出てスマブラの紹介もなさっている事は有名でしょうか。
たしか、任天堂の前社長 岩田聡氏が上司だったというハナシも本で読めます。予備知識としてはこれで充分。
2.この本について
この本は、ファミ通で連載している桜井政博氏のコラムを1冊にまとめ上げ、更に改めてコメントされたモノとなってます。
コラムのテーマは様々で、主にゲーム、ゲームだけでなくコンテンツ全般、日常、主張などがあります。
それぞれをかなり端的に説明していきます。
2-1.ゲーム
新旧問わず、ハード問わず、ゲームを評価しています。その作品にしかない美点、スマブラ開発秘話、飛躍していくゲームのボリュームと開発の難しさ、ディレクションの工夫、伝える事の難しさなどなど。
2-2.コンテンツ全般
アニメ業界の薄給さ、ゲーム音楽の必要性、単価と多様性(PSPlusやプライムビデオなど)などなど。
2-3.日常
みんなで集まった際にどのような楽しみ方をするのか、一日のスケジュール、腱鞘炎のオハナシなどなど。
2-4.主張
リサーチ重視のゲーム制作に名作は生まれない、一つをより深く作る事は悪い事ではない(FF15のご飯のオハナシ)、裁かれすぎているこの世の中(減点法による批判などに対して)などなど。
主張部分だけ補足しておきます。
一つをより深く作る事は悪い事ではない、というのは、FF15のオハナシです。キャンプで作る事の出来るご飯のグラフィックがかなり作り込まれてて、とても美味しそうなんです。ただ、色々あってFF15が炎上してしまいました。その際、「ご飯を作り込むくらいなら他に力を注げ」という批判も散見されました。ただ、シナリオライターがグラフィックモデルを制作できるのか、デザイナーがプログラムを組む事ができるのか、それはほとんどが無理ってもんです。その人はその役割を全うする他無い。それぞれの役割を全うした結果、ご飯がとても美味しそうに作られただけ。という事です。
こんなハナシ、聞いた事ありますか?『完璧な陰影をつけた1セント硬貨』。ついでに読むと良いかもです。賛否はありますが。
ピクサーの制作現場で受け継がれる『ある言葉』。その意味が深かった | BUZZmag(最終アクセス2020/05/13)
裁かれすぎているこの世の中に繋がる事でもあります。何でもかんでも減点方式。あれ要らないこれ要らないと言うのはとてもネガティブで、ストイックになりかねないという事です。
勿論これらはごく一部。読めば読む程、ゲーム1本が出来る事の大きさを知る事になります。
3.今のゲームのボリュームが当たり前にあるわけではない
とにかくゲーム制作大変!という事をかなり言っているわけです。
4年でやっと一つの作品が生まれるという事もあれば、10年でやっと完成という事もあります。が
そういった作品を一蹴せず、5感で楽しんでみませんか。
あぁ、味覚と嗅覚は使いませんけど、使うくらいの気持ちで(笑)
4.オマケ
興味を持ってくれた方はこういったモノも見てみて欲しいかもです。
ファミ通コラム連載500回記念特番。色々なゲームの実況をされてます。
スマブラSPジョーカー参戦決定記念として、ペルソナ5についてアツく細かく語られてます。
スクエアエニックスの齊藤陽介氏主催で、同年代のゲームクリエイター対談。
5.おわりに
どういう人物か、という事を中心に説明した感ありますが、知るキッカケくらいになれば幸いです。
普段あるゲームが当たり前ではない。うん、たしかに!と、納得する一冊ですので、ぜひぜひ。