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【詩】どこかのだれかへ



赤とんぼの群れが草むらを横切り、秋を連れてきた。


残りの蝉たちが精一杯の合唱をしているが、
冷たい気配がそれをかき消す。


遊ぶ子どもたちの高い声は空に吸い込まれた。
オカリナの音が聴こえ、セコイヤの木々が空に届くのを諦めたように立っている。


紙飛行機たちは競争して赤い空をどこまでも飛んでいく。白いそれらは夕陽に透けて、何かで読んだ蜜柑のように煌めいていた。


きっと、もう、大丈夫。
そよ風に消えるくらいの声で。







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