2021年11歳の夏
最近の息子
小学校6年生になった息子。コロナ禍2年目の夏休み。
自称「鬼のインドア派」学校と塾以外は家から出たくありません。
身長は母である私(163cm)を追い越したのではないでしょうか?
目線が上になった気がします。八頭身はあろうかというモデル張りの小顔と脚の長さですが、それなりに肩幅ががっしりして、顔も一回りは大きくなってきました。ひよことにわとりの間のようなアンバランス感もかわいらしいです。
おっとりおだやかな情緒の安定した性格で、家庭内で一番の人格者の息子ですが、さすがに思春期モード、つんけんしたり、自分を見失ってめそめそしたり、時に甘えたりと揺れてる時も。
あまり多くを要求しない性格。よーく聞いてやらないと、すぐ遠慮してしまいます。私は今、人生のふんばり時で働かなくてはいけない時期。家にいる時間が短く、あまりかまってやれていないことが、とにかく気がかりでなりませんでした。
手がかからなすぎる息子
仕事が忙しいのもありますが、中3の娘と比べて、あきらかに手がかからない息子。
コロナ禍の影響もあり、外での活動が乏しく、ゲームとyoutubeとインターネット番組と漫画を堪能しまくる日々。
大丈夫なのかな?
親としてやってやるべきことが足りていないのではないか?
もっと世話を焼いて色々導いてやるべきではないか?
と不安になります。
とはいえ、娘も息子も、ダメダメな親たちより優れている人間なので、基本は大丈夫だろうなあと信じる気持ちも。
学力や運動能力はともかく、ろくでもない我々親たちの子ども時代とくらべて、相当いいやつです。人間が未熟で色々苦労をかけて申し訳ないなという気持ちがあります。
「大丈夫?ママちゃんとお母さんできてる?愛情不足じゃない?パパもママもろくでなしでごめんね。」
と聞くと(面倒くさいママ…)
「大丈夫、僕、学校と塾だけは行ってるでしょ」
と言います。
たまにじっくり話をしてみると、自分が何もかもダメな気がするらしいのと、私立の中高一貫校に行っている娘と比較して公立中を選ぶ自分が劣っていて期待にこたえていないのではと思っている様子だったことがありました。
⚫︎娘は娘、息子は息子
⚫︎同じようであることは求めていない
⚫︎正直我が家の家計的には、私立に通わせることは無理しているが、本人の希望だから応援している
⚫︎息子自身がやりたいことがあれば全力で応援する
⚫︎学校に関しては、ママ自身、塾には行かず、オール公教育で大学まで行っているので、公立で十分だと思っている
⚫︎正直、公立に行ってくれることで経済的には助かっている
と伝えると安心したようでした。
息子と娘はかなりタイプが違うのです。
幼少期からとにかく好奇心旺盛で活動的だけど世話が焼ける娘。
中学生になり、対等に話せるようになり頼もしい存在にはなりました。
ただラグビーを始めることになり、まあこれがマイナースポーツだけに物心ともにサポートが大変。
ケガはするし、お金もかかるし、週末はどうしても彼女の送迎に明け暮れてしまうし。
息子はその間、おうちに放置になってしまうので気になっていて。
娘は、とにかくママが大好きなのは、ありがたいのですが、ずっとくっついて私と話したがります。
正直、息子にかける物理的なエネルギーは娘の10%。娘に比べたらもうネグレクトくらいの勢いです。ものすごい後ろめたさがありました。
息子の小学校の夏休み前の面談では、定着度の低さを指摘されたばかり。
もっと手取り足取り面倒を見ていれば…と親としての自分のふがいなさを悔いつつ、何もできずにいました。
これでいいのだ?
ところが昨日うれしいことが。
一応、ゆるやかに塾には行っている息子。夏休み期間もちょっとだけ夏期講習は行っています。
夏期講習終わりの模試の英語でクラスで一番を取ってきたらしいのです。
私は仕事中でしたが、息子本人が塾から帰ると、うれしそうに姉に語りにきたそうで、娘からLINEが送られてきました。
youtube を見ながらですが、たしかにノートにしきりに書いていました。
ご褒美にハーゲンダッツ抹茶味を買い、帰宅。
「すごいね、どうやって勉強したの?」と聞くと、鼻の穴をふくらませながら彼なりにおさえた勉強のポイントを語ってくれました。
「あと僕は面倒くさがりだから暗記しちゃうんだよ、4と9と16を円周率でかけた答とかね!」
あ、彼はこれでいいのかな?と思えました。
ポイントを逃さず会話をして、ちゃんと愛情が伝わっていればいいのかも。
娘は犬。しかもサモエド。白くて甘えん坊で四六時中かまってほしくて、体力が有り余っているのでお散歩がたくさん必要。
息子は猫。自分が求めている時にだけあらわれて、すぐに気が済んで離れていく。自分でマイペースにやりたい。
二人はタイプが違うのだなーと。
そういえば、この感覚、新生児の時にもありました。
娘はひたすらおっぱいにかじりついている赤ちゃんでした。私も、一人目ということもあり、求められるだけ応じていました。
それにくらべて息子の新生児期は、赤ちゃん返りと新学期とイヤイヤ期のミックスで大変なことになっている娘の対応に追われているうちに過ぎてしまいました。授乳時間は体感で20%くらい。
本人もあっさりしていて、満たされると、もういいですと口をつぐむので、吸啜反射を超える意思の強さに驚くほどでした。(新生児には口の近くにものが近づくと吸おうとする原始反射があります。)
正直1ヶ月健診が恐怖でした!ちゃんと育っていないんじゃないかと。
ところが私の不安に反して、体重はすごく増えていて、1ヶ月にして3500g→5000gに増えているという驚異的な数値でした。
長身やせ型のマルファン症候群としては、この時が一番むっちりしていたんじゃないかな?
省エネな分、効率的な子なんですね。たぶん。そう解釈することにしました。
ありがたいことに、娘は学校でも、ラグビーでも、たくさんの大人のサポートに恵まれています。今後、息子にもそんな出会いがあるよう願います。
新たなステージと子どもとの関係性
ワンオペ育児ながらも、一応細々と仕事は続けてきた私ですが、大黒柱にならなくてはという現実にぶち当たり、現在格闘しています。
本当はひたすら家族のお世話をしているお母さんでいたかった。
2人のお母さんをしている時はもっとも幸せな時間。
レアかもしれませんが、私にとっては、女性でも仕事を続けろ、社会で活躍しろというプレッシャーの方がしんどく感じてきました。
その圧と不安に耐えきれず、働くことのブランクをあけてしまわぬように、生まれて最初のチャンスに保育園の入所申請をしました。いっそ落ちてくれたら、家にいる大義名分ができるのに…と思っていました。
そして生活と正規入所していられる最低限の労働時間で働いてきたのが実情です。
もちろんワンオペだからこそ、保育園の存在には助けられ、先生方に一緒に育てていただいたことに感謝しています。
でも仕事に向かう途中に、ママチャリに子どもをのせて走るお母さんを見るたびに、胸が痛んでもいました。
でも現実は私に専業主婦をさせてくれませんでした。そうできる方もいるのに…と自分の運命に悲しくなる時もあります。
でも今、急ピッチで大黒柱になる努力をしています。
リスクヘッジのため、自由であるために、もっとしっかりキャリア形成をしてくればよかったという後悔は大いにあります。
それでも、やはり小さい頃は子どもの面倒をしっかり見たかった自分に悔いはありません。
このジレンマは私がすべき解決ではなく、個人的努力や資質の範疇ではなく、社会の問題だと解釈しています。
とはいえ、子どもとの時間を最優先に、細々と仕事をして一生懸命やってきたつもりですが、結局、今や全然手をかけらず、いい親になんてなれませんでした。
気持ちは切り替わりつつあります。
だって仕方ない。これまで十分お母さんはした。二人は大丈夫。今後はしてあげるというよりは、対等な関係で、共同体として生きていこうと思っています。
特に息子に対しては無意識のうちに、病気に生んだ負い目から、苦労しないように備えてあげないと…と思っているところがあったように感じます。
子どもたちには、私の苦労する姿から反面教師として学んでくれればいいし、家のことも分担して、心身ともにキャパオーバーのママはあてにせず、自分のことは自分でできるようになっていただくしかありません。
私にできることは、とにかくかわいがって、住処とごはんを与えて、具合の悪い時には病院に連れていくだけ。
導くとかそんな大それたことはできないので、子どもたちの生きる力を信じ、2人になんでも相談して、最低限の親の役目を全うしたいと思っています。