コロナウイルス感染症制圧のために医療経営士ができること(1)
私は医療系の企業(製薬会社)に勤めており医療従事者に医療・医薬情報の提供等(MRといわれています)を行っています。また医療経営士の資格を有しており、より広い視点から情報提供を目標に活動しております。
今回のコロナウイルス感染症により、多くの医療従事者はコロナウイルス感染症対応に多くの時間・労力を傾けることになり、私たちのような職種も医療従事者への情報提供活動は自粛をしています。その中、私のような者がどのような形でコロナウイルス感染症制圧に役立てるかを考えてみました。
結論的には、第一に自身・所属組織や団体内・一般住民への啓発のリーダーとなり、そして現状に即した医療提供体制構築に協力することと考えました。
大きく下記の3点となります。
① まず自分が「感染防止策」「3密を避けること」を正しく実施し厳守する。
② 「感染防止策」「3密を避けること」を周りの人に広めていく。啓発を拡大して行く。
③ 一般患者・市民の健康管理(かかりつけ医の役割推進)に協力する。
詳細を記します。
①まず自分が「感染防止策」「3密を避けること」を正しく実施し厳守することです。
⇒「自分が罹らない」ためにできるだけのことをするのが最も基本になります。長期戦が予想される中、最新情報をしっかり読み取り、自身の行動をしっかりコントロールしていかなければなりません。
②「感染防止策」「3密を避けること」を周りの人に広めていく。啓発を拡大して行く。
⇒医療事情に詳しい立場として重視したいと思います。クラスターを作らないためにも非常に重要ですが難しい部分でもあります。公園、ホームセンター、スーパーマーケット、パチンコ等、所によっては通常以上に混雑しているところもあるようです。コロナウイルス感染症への正しい理解やセルフコントロールに乏しい人も多いです。自分の周囲にも感染防止対策を徹底できない人がいることを念頭におかなければなりません。そのような人達の意識を変えることは大変なように思いますが、今後感染流行が遷延するとしたらそのような人達のコントロールが非常に重要な課題になると思われます。
只しっかり予防をしていても感染してしまう人も多く存在してきています。しっかり感染防止は当然ですが、社会の中で誰もが100%防止できるわけではなく、感染者を「責めない」ということを周辺にしっかり啓発していくことも重要です。そのような風潮は初期症状を申告しにくい状態をつくりやすくなります。コロナウイルス感染症対策への正しい知識の普及に協力していくことが必要であり、私たちも自身の周辺からこの感染症への正しい知識啓発を実施し少しづつでも広げていくことが必要です。直接医療に従事しない医療経営士にとって第一に最も考えて行動していきたい課題と考えています。
③ 一般患者・市民の健康管理(かかりつけ医の役割推進)に協力する。
日本のようなロックダウン等の政治的施策を使えない国ではコロナウイルス感染症制圧に時間がかかる可能性があります。感染者への対策・治療は行政や専門家が日々大変な対応を実施しています。そのような中、別の視点ではかかりつけ医での受診抑制が出てきています。高齢者を中心とした受診抑制は数年後の重大な疾患増加に繋がる可能性があります。現在受診抑制されている患者を見つけ、そのような人達に対しての往診・訪問診療の促進、電話やオンライン活用の受診の一層の促進等の体制整備が必要かと思われます。また大病院がコロナウイルス感染症治療に特化せざるを得なくなっている中(既に多くの大病院での救急受け入れ制限も始まっています。今後必要な医療が受けられなかったという話が出てくるかもしれません。)、かかりつけ医同士のネットワークを活用した検査や治療体制の充実等、大病院以外で出来る事をかかりつけ医連携で実施していく必要性が高くなると思われます。益々の診療所間や中小病院との連携は重要かもしれません。また中年者や若年者の運動量の低下、食事療法の乱れ、服薬コンプライアンスの低下、更にはまた長期化に伴う一般市民のメンタルヘルスの悪化に対応するためにもかかりつけ医の役割は重要と思われます。現状活動できる範囲が狭いですが、医療経営士としてそのような形の連携等の促進をサポートできる可能性があります。
その他マスクを中心とする備品不足解消への対策、経済への影響対策等、医療経営士として本来的に考えることができそうな様々な課題があります。これらは大きな課題で有り行政や医療関係者組織的に活動もされています。
その中自身としては、最短でコロナウイルス感染が制圧できるようまず自分が真摯に向き合いできることから行動して、更には少しづつ周囲に啓発していきたいと思います。
コロナウイルス感染症制圧のために直接医療に従事しない医療経営士ができること第一弾として、非常に小さなことの積み重ねですが自身が所属組織や団体内・一般住民への啓発のリーダーとなり、そして現状に即した医療提供体制構築に協力することで一歩進んだ制圧への協力ができるのではないかと思います。