MRという仕事について
私はMRという仕事を30年以上しております。
私自身の年齢でMR職の終盤が近づいてきていることもあり、その中で得たこと、感じたこと、未来志向で思っていること、同業の若手に残したいこと‥ 綴っていこうと思います。
「MR」とはMedical Representativeの略、日本語にすると「医療情報担当者」です。
製薬会社の営業と言う方がわかりやすいかもしれません。
30年以上前(昭和終盤)にはプロパー(propaganda:宣伝)と言われていました。ベテランの先生(医師)ではいまだにプロパーさんと言われることもあります。
プロパーというのも只の宣伝マンのようなおかしな呼び方なので、自主的にprofessional detail man(dーMan)というような呼称に変えようとした動きもあったようですが残念ながら定着しなかったと教わりました。
当時のプロパーは紺色か黒のスーツをきて、大きな鞄に資料をいっぱい入れて病院や医院に張り付いている‥というイメージです。用事がなくてもみんな病院の医局で立っており(宣伝の機会を伺いながら)、医局の「壁の花」と言われたりもしていました。
プロパーの時代は、とにかく、薬の売り上げを上げるために何でもできた時代だったようです。
営業経費は使い切れないほどあり、○○万円分の薬剤購入で冷蔵庫やテレビが貰えた、旅行券が貰えた等々、今では驚くようなことがあったようです。私はその後の世代でしたので、サービスが悪くなったと言われました。
今から見ればおかしな時代と今思えますが、当時はそれがスタンダードであり、その中でいろいろな問題も起こりました。
そして、そのような時代は終わりを告げ、その中で呼称も変更となり、「MR」という呼び方になりました。
その時期の変化として、呼称がMRに変更、製薬会社の価格関与ができなくなる、資格認定制度の導入、研修の充実義務化等がありました。
改めて触れるかもしれませんが、過度の医師への接待、遜った態度などもあり、この職業の価値を下げていた一面もあるかもしれません。そのためか、以前の医療系ドラマで出てくる製薬会社の担当者は大体悪巧みをしているような設定が多かったように思います。
今は学生の就職希望の上位にも入ることがあるようで、職としてかなり印象が向上したと思います。
求人数も減ってきている職でもありますが、この職への愛をこめて綴っていこうと思います。