この町は君の記憶を持ちすぎてどこへ逃げても死にそうになる
の、部屋バージョンです。
一人暮らしが終わりました。
台風が近づいているというのに、退去の日は晴天だった。空が青くて雲が白くて、その境目をじっと見つめていたら、目が痛くなった。入居した日はどんな天気だったっけ。
ここには書ききれないくらい、あの部屋ではいろんなことが起きた。隣人が奏でるギターはきれいだった。壁や床を伝って、n号室から聞こえてくるアラームの音も、シェアハウスみたいでおもしろかった。好きな時間にお風呂に入り、好きな時間まで飲み、ぱたっと寝る。最後の方は、恐怖症みたいなやつに苛まれてあまり一人で過ごせなかったけど、楽しかった。引越しは大変だった。
わたしの話し相手だった壁や床に、ぴとりと頬をつけてお別れを言うべきだったのかもしれない。
下宿先は恋人の家とも近かったから、わりといつでも、好きなときに会いに行けた。それももうできない。実家は最寄り駅まで徒歩30分。バスはまあまあ高いうえになかなか来ない。いつでも好きなときには会えない。でも、だからってそのままでいいの? みたいなことを彼に言われた。考えていたら苦しくなってきて、電話を切った。もうね〜なにも考えたくないんです 最近ずっと胃が痛い
自分のことなのに自分のことじゃないみたいで、どうしたらいいかわからない。家の事情で始まった一人暮らしが、家の事情でいきなり終わって。良い夢だったな。わたしの夢には色も味も感情もある。すごい
とにかく、君が泡にならなければいいや 一旦ね
そういえば話は変わりますが、東京でおすすめの観光スポット・ご飯やさん・カフェなどあったら教えてください!
【告知】大阪文学フリマ(9/8)に出ます!
・う-03 麦星(むぎぼし) です
・小説「わたしのかたち」と歌集「走馬灯(2019)」です
(値段はおそらく 小説:500円 歌集:800円 くらいになりそうです)
・小説10部 歌集30部 です(売れ行き次第ですが、文フリ以降に増刷して通販できたらな、と思っています)
・小説は学部時代の卒業制作で学科賞をいただいた純文学で、歌集は2019年頃の連作リメイクをメインに、新しく詠んだものもあります
・大阪芸術大学で同じ純文学ゼミだった後輩と出ます! 横のブースにも(偶然)(奇跡)芸大の後輩がいます!
よろしくお願いします
9月に入ったらお品書き作るの頑張ります
短歌を書いたしおりみたいなものを配布したい気持ちも、あります