#124 いじめについて考える(1)
社会人になった人たちに「いじめ」連想してもらうと、現在自身が勤務する会社内のものよりも、学生時代に自身や身近に起きていたいじめを思い出すと思います。
先日、SNSでお笑い芸人のジャングルポケット斎藤さんの壮絶ないじめ体験を拝読しました。その中で斎藤さんはいじめをした加害者を自分は一生恨み続けますと話していました。
また、いじめ体験は加害者側は忘れるかもしれないが、被害者側は一生忘れることがないと述べ、世間に対し加害者側にはならないよう訴えていました。
しかし、何かを改善したり終息させるには、そのものと深く向き合ったり深堀する必要があると思います。
そこで今回はいじめについて考えてみたいと思います。
いじめとは
いじめの多くは一定の期間に散見される。
それは15歳までの学生時代である場合が非常に多い。
そして、それらは主に私立よりも公立によって起きる。
まず、いじめについて定義してみよう。
「いじめとは、被害者が加害者に対して一切報復が出来ない状態において、一方的に肉体または精神的苦痛を受けること」
(多くの解釈や考えがあると思いますが、今回のいじめの定義は上記にします)
環境的要因
先程、私立よりも公立の方がいじめが発生しやすいと述べた。
私立には学園に不利益な人物や事象を速やかに排除(退学)する機能が備わっているためだ。
これは、私立である理由に起因するが、いじめにより学校の評判が下がれば、入学する人が減少するため、学校にとって不利益なものは迅速に排除しなくてはならない。
そのため、クラス内でいじめが発生すれば、その内容を精査し然るべき措置を迅速にとる動機(インセンティブ)が働く。
それでも、いじめが巧妙に隠蔽された状態で行われていれば学園の大人の目には届かず、収束しない場合もある。
だか、公立に比べれば私立はいじめを排除する仕組みが備わっているとには違いない。
では公立ではどうか?
公立では学区により入る学校が決まる。住んでいる地域によって通う学校が決まってしまう。たとえ直線距離でBの学校の方が近くても、学区に指定されたAの学校に通わなくてはならない。
当然、一部の理由で編入は認められるだろうが基本的に学区に依存する。
つまり、小中学校は決められた学校に行かなくてはならない。
これは、出入りが容易ではないことを示している。あなたが、通っている学校で不祥事を起こしても、起こされても、一時的に停学処分になるが、また同じ学校に通わなくていけないことになる。
不祥事が起きた後も、加害者側と被害者側は同じ学校内で顔を合わせなくてはならない。私立のようにどちらか一方が舞台からいなくなれば、舞台上は平穏を取り戻すだろう。
また、舞台監督である教師(大人)は、問題を解決するために、加害者側を舞台から降ろす選択肢がないので、舞台上で解決を図るしかない。
その際、学校の教師が加害者側に強い圧力をかけられれば良いのですが、それをすることで学校運営に支障が出ることを恐れ、教師も及び腰になるケースもあるようだ。
環境的要因2
大人の介入によっていじめを解決する方法もあると思いますが、それは非常に難しい手だといえます。
ジャングルポケットの斎藤さんも、自分なりの正義感から、両親に助けを求めるのは控えようと思ったそうです。
本来、学校内のコミュニティでは、教師・両親(大人)と学生(こども)は、同じコミュニティに属していません。
とても大きな枠組みになりますが、PTAというコミュニティと学生のコミュニティに分かれます。荒れた学校をみればわかりますが、学生が結託して学校に対して破壊活動やデモを行います。
同じコミュニティに属していないので、互いの関係が悪化すればこうなることは理解に容易い。
つまり、住む世界が違うことになります。
人は進化論的に、群れをつくります。
最少人数の群れといえば家族内の兄弟で5-程度になります。
旧石器時代には、ヒトは30-50人の群れをつくり、果物を採取したり小動物を狩ったりしながら移動生活を続けていました。
農耕社会になると人々は定住し、ムラを作りました。ここでの人口上限は150人程度になります。
このように人は、一定の上限がある群れを無意識に人はつくるようです。学校におけるクラスが30-40人程度なのも、集団のなかの人を認識できる数からきているといわれます。
子どもが内弁慶で家庭と学校で性格が違うことがあるのも、先の理由から推測できる。
家庭における子どもの役割と、学校での群れの役割が異なるためだ。家庭での自分の役割はありのままでかまわないが、学校における群れの中では一定の制約があり同じ役回りを演じることができない場合もある。
そのため、家族は内と外では態度や性格が違うと感じるのだ。我が家では威厳のある父親も、営業で取引先との電話では低姿勢でへこへこしていると感じるのも同じ仕組みからきている。
つづく
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ugomekiさん画像を使用させていただきました。