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エレクトロニクス関連のメーカー勤務をしています(9年目). 科学・技術の興味を掘り下げ…

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エレクトロニクス関連のメーカー勤務をしています(9年目). 科学・技術の興味を掘り下げるものを書きたいと思っています! Twitter:https://twitter.com/nga_m0m0 Web:https://k0syam.github.io/website

最近の記事

趣味DTMの体験談:技術進展・制作・消費の微妙なライン

レンタルショップで割引をフルに使ってCDを借りていた高校生のころから十数年が経って、1ミリの気兼ねもなくCDを買えるくらいはお金を持ちたいという気持ちは月額980円で意図せず達成されていた。2021年はなんとなくダラっと仕事も余暇もこなした感じで、いま人生を終えると少し後悔しそうな内容だったが、日々世界中で勃興するサービスを享受する立場としては悪くなかった。多少のサブスクリプションサービスであれば加入するお金は持っているこの状況、当時の思いはそれなりにお金を持つこととは別の方

    • 【メモ】8月32日からはじめる自由研究

      仮タイトル 8月32日からはじめる自由研究 概要 なにかの研究を始めることは一部の人の、敷居の高いことかもしれない。しかし本当は、全ての人が研究することを許されているはずだ。情報技術の進展により、近年最新の技術や研究にアクセスできる環境が加速度的に進展している。一方で最先端の研究の場では先進性の競争を求められるが、今ここで趣味として取り組む時、私たちは競争から自由にもなれる。最後の夏休みを終えた人へ、自由研究をはじめることについて考える。 想定字数 5000字 メモ 自

      • ドラマとデータ 「ファクトフルネス」を読んで

        読んだ本 「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」 感想 ファクトフルネスというタイトルや事前にレビューを読んだ印象からは、「データを捉える処方箋」という印象を持っていた。その部分はとても実践的で、読後すぐに効くデータに対する心構えを期待以上に与えてくれた。現状の正解に留まらずデータを見る際の心構えを示している点は、頭の中にある情報を常に更新し続けなければならないという著書の方向性に合っている。本に載っているデ

        • 原子を見た記憶から:科学実験の体験的な側面

          みんな例外なく、信じたいものに惹かれる今年のゴールデンウイークは引きこもって、(iPadの使用時間を見てぞっとするほど)ゲームや動画を楽しむ時間になった。Netflixのおすすめが原因のひとつで、「ビハインド・ザ・カーブ―地球平面説―」を見たのがこの後の文章を書いてみるきっかけになった。これは1時間半ほどのドキュメンタリー映画で、地球が平面であるという説を提唱するコミュニティに密着したものだ。なぜその人たちは地球平面説を信じるようになったかをインタビューで追いつつ、それに対す

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          Ansibleもくもく会参加レポート:自動化への第一歩

          2019年04月20日(土)にAnsibleもくもく会 (サーバ編)2019.04 in 甲府!に参加してきました.当日行ったこと/ハンズオンから勉強したこと/活用できそうな場面をレポートできればと思います. 会場提供の株式会社アイティードゥさん.この他にも山梨でIT系の勉強会を定期開催されているとのこと. Ansibleとは?最初に導入として,Ansibleがそもそもどんなツールなのか,@saito_hidekiさんから紹介がありました.そこから学んだ概要としては,

          Ansibleもくもく会参加レポート:自動化への第一歩

          教科書まとめから理解と考察を進める:001_Essential細胞生物学(第4章)

          教科書を読み進め,手持ちの知識を組み合わせて考察してみよう!という動機の企画です.題材はEssential細胞生物学です. 第4章ではタンパク質について,何から構成され・どんな働きをしているのかと説明が続いていきます. 第1章←←第3章←本記事→第5章(まだ) 1.内容のピックアップ第4章は「タンパク質の構造と機能」の題で,細胞の乾燥質量のほとんどを占めるタンパク質がどのようにして多様な機能を実現しているのかが説明されます.タンパク質とは,20種類のアミノ酸が数珠つなぎに

          教科書まとめから理解と考察を進める:001_Essential細胞生物学(第4章)

          教科書まとめから理解と考察を進める:001_Essential細胞生物学(第3章)

          教科書を読み進め,手持ちの知識を組み合わせて考察してみよう!という動機の企画です.題材はEssential細胞生物学です. 第3章では細胞の構成要素がどうやって働いていくのか,という反応機構について取り上げられます. 第1章←第2章←本記事→第4章 1.内容のピックアップー細胞はどうやって乱雑さから自らを保ち続けるの? 第3章は「エネルギー,触媒作用,生合成」の題で,どのような仕組みで細胞は必要な有機分子を生み出していくのかが基本的な化学反応の視点から説明されます. ま

          教科書まとめから理解と考察を進める:001_Essential細胞生物学(第3章)

          教科書まとめから理解と考察を進める:001_Essential細胞生物学(第2章)

          教科書を読み進め,手持ちの知識を組み合わせて考察してみよう!という動機の企画です.題材はEssential細胞生物学です. 第1章←本記事→第3章 1.内容のピックアップー細胞は何からできている? 第2章は「細胞の化学成分」の題で,「細胞が何からできているか?」にミクロな視点から順に答えていく章になっています.最初に構成要素として原子・分子に触れた後,原子が集まる仕組み=結合の種類について,共有結合・イオン結合・水素結合の3つを取り上げます.化学の視点から考えると,細胞

          教科書まとめから理解と考察を進める:001_Essential細胞生物学(第2章)

          教科書まとめから理解と考察を進める:001_Essential細胞生物学(第1章)

          教科書を読み進め,手持ちの知識を組み合わせて考察してみよう!という動機の企画です.題材はEssential細胞生物学です. 書き手概要と目的←本記事→第2章 0.この教科書を選んだ背景最近,ニュースなど全ての人に広く届ける趣旨の情報発信で生物学系の研究成果を取り上げているのを多く見かけました.逆に言えば,(私がよく興味を持つ)エレクトロニクスの研究はここまで見かけないな...とも不意に感じました.この所感について簡単に調べたところ,2009年から2014年の間で日本の論文

          教科書まとめから理解と考察を進める:001_Essential細胞生物学(第1章)

          教科書まとめから理解と考察を進める:000_書き手概要と目的

          1.どんな人が書いている?私は昭和最後の年の生まれで,2018年で30歳になります.地方の地元で高校卒業まで過ごし,電気電子系の大学院修士卒業後に日本で半導体製造業界のメーカーに勤務し(6年目),現在に至っています.キャリアパスとして特筆できる部分は少ないかもと思っていますが,面白いことも日々あります.現在いる半導体製造の業界の面白いところは、「ミクロな物理現象(現在は本当に原子を数えるレベルになっています!)をどう工業プロセス化するか」を考えられる点ではないかと感じています

          教科書まとめから理解と考察を進める:000_書き手概要と目的