見出し画像

画像補正すれば高画質なのか

写真/カメラ趣味の難しいところは「写真」の目線で論ずるか、
「カメラ」の目線で論ずるかで結論が全く違うものになることが少なくないという事でしょう。車を趣味にする人が「車」そのものが好きな人と「車で走る」ことが好きな人がいるのと似ているというか。

補正しまくる現行のデジカメ

今回は先日発表された最新ミラーレスNikon Z50IIについて、とある写真/カメラ好きユーチューバーさんが論じている動画から自分の感じたことを書いてみます。

動画内で主題となっているのはZ50IIが先代Z50と同じ旧型の光学センサーを使っている話から転じて、現行のデジカメの最新機種では光学センサーのレベルから画像補正を随所に入っている。それは良いことなのか?と話されております。
動画主さんはZ50よりさらに古いNikon D200やD300。600万画素機のD40も使われている方の様でそういった古いCCDセンサーのカメラの写真と、その後に現れるCMOSセンサー搭載機の写真を数限りなく見比べて、古いCCDセンサーの方が「高画質だ」と言っているようです。

動画主さんはその根拠として最新機のセンサーはスマホのカメラと同じくセンサーから出力される画像テータの段階で補正されている。曰く、最新の裏面照射型CMOSセンサーはその特性からそれまでは必要なかった光学フィルターを挟まなければならなくなった。(Z50IIは古いセンサーなのでそんな光学フィルターは要らない)。曰く、RGB三原色がそれぞれ入り混じりあうのでデータ上でその入り混じりをより分ける補正をしている。曰く、ライブビューなどのためにセンサー面自体にAFセンサーを埋め込み、AFセンサーが埋め込まれたピクセルは画像データが欠落してしまうので、その欠落した部分を補正によって生成する。

CCD(又はZ50IIの表面照射型CMOSセンサー)はセンサー面全てを画像データを受け止めるのに使っていた。(ゆえに高画質である)というのが動画の主な論旨でした。

人間の眼だって補正している!

自分はこの主張を「CCDセンサーの方が好みに合っている」という意味だと受け取っています。電子的に補正されたものではなく、センサーが受け止めた光を直に扱いたい。という意味なのだと。

しかし、補正という意味で言えば、実は人間の眼も現実世界を自分の見たいように「補正」して見ていることが少なくありません。

そういった人間の眼の機能がエラーとして現れたのが「目の錯覚」というものでしょう。

ミュラー・リヤー錯視
全く同じ長さの3本の横線。端につけたものによって長さが違うように見える。

自分の見たものが必ずしも「現実」とは限らない・・・そう考えると補正しているからダメだとなれば、まず自分の眼にダメ出しする羽目に陥らないか。と思う訳です。

描かれているのは黒豹と鳥か、
見返り美人か?

本当は補正しているかどうかではなく・・・

ただ、人間の眼の補正は無意識的とはいえあくまで自分で補正していて、その意味では納得感のある補正だと言えるかも知れません。

対するカメラの画像補正は言ってしまえばカメラメーカーの考えた補正で言ってしまえば他者の補正。場合によっては余計な補正だと感じしまう余地があります。

自分の眼が補正しているとしても、自分の眼に飛び込んでくるまでは現実世界をありのままに写す機械であってほしいという、ダイレクト感の有無が動画主さんが言いたかったことではないかと思えます。

人間の感覚はあくまでアナログなもので、デジタルとは相いれないものだと思えば、最新のデジカメ - スマホカメラ含めて。はダイレクト感のない機械を受け入れるかどうかという問題なのかもしれません。

山口県周南市のライオン岩。文字通りライオンの顔に見える。
補正された見え方であっても納得できる場合もある!?

いいなと思ったら応援しよう!