soumbalgwang 来日公演 二日目、東京Basement Bar
韓国、釜山から日本にやってきたバンドsoumbalgwangの二日目の話。
名古屋金山ブラジルコーヒーのライブの翌朝10:00におれはsoumbalgwangのメンバーと待ち合わせて新幹線で東京まで移動した。
東京に着いてまず下北沢に行く為に電車を乗り継がなければならない。東京の電車の乗り継ぎはおれにとって難しい難関である。地図アプリを駆使しながら挑戦するも、5番線に乗れと書いてあるがどこに5番線があるのだ?駅員に聞いても田舎者の中年にわかりやすくなど教えてはくれない。おれの後ろでは荷物を沢山持ったsoumbalgwangの3人がとても不安そうな顔をしている。おれは「この日本ではライブの移動に新幹線を使うのはTVに頻繁に出る様なスターバンドばかりで、我々の様なインディーズバンドは車移動しかしていないので東京の電車はまったくわからないんだ。しかもグー●●と鉄道会社が結託して東京に来る田舎者をふるいにかけてるんだ」などと言い訳をした。だが彼らは自分たちもソウルに出れば同じ様に電車がわからない、気にしなくても大丈夫だよと言ってくれた。勉強しときます、東京の電車の事誰か教えてください。そして何とか下北沢に着いた。
下北沢に着いて何を食べたいとおれはドンスに尋ねた。ドンスはカレーか豚カツが食べたいと。下北沢には沢山のカレー店がある。どんな種類のカレーが食べたいかを尋ねたら普通の日本のカレーが食べたいと答えが返ってきた。豚カツも同時ならと雰囲気だけの怪しげなカレー店も沢山ある下北沢でミスって美味しくないものを食べさせるより我が愛知県が生んだスーパーカレーチェーンCoCo壱番屋を選べば豚カツのトッピングもあって味も安定していて間違いはないだろうと迷わずCoCo壱に連れて行った。カレーが運ばれて食べてるうちにおれの頭に前にTVで観たCoCo壱がインドにも出店しているというニュースが浮かんできた。インドに出店していて韓国に出店してないなんてないよな、、、と不安ながらに韓国 CoCo壱で検索してみたらなんと!10件以上韓国に出店されていた。ヤバい、ドンスたちは気を使ってくれて初めて来たかの様に振舞ってくれているのではないか。出店先を確認すると全てソウルだった。その話をしたら釜山には無いから大丈夫だと言ってくれたが、ソウルでもライブをしているのでひょっとしたら食べた事あったかも、、、。すんませんでした。東京のカレー勉強しておきます。
その後、喫煙の出来る喫茶店に行きホテルのチェックインを待った。そこで彼らはおれへのお土産だとnewjeansのステッカー、カード、キーホルダーなど沢山のnewjeansグッズをくれた。店内の机でそれを広げて「ヘリン、サランへヨー、ミンジ、サランへヨー」とおれ1人が言っているテーブルの横を若い娘さんたちが通り過ぎて行くのでマズいと思い、「おれのせいでみんなまで誤解されてしまうかも知れない、ごめんね」と言うとソンギュが、「いや、誤解ではなく事実です。」と言った。おれは目が覚め、そそくさとお土産をしまった。最高のプレゼントをありがとう!
そしておれたちはホテルのチェックインを済ませて今夜の会場である下北沢Basement Barに向かった。ようやく韓国から日本に着いたというソンビンをソンギュが迎えに行くということで先にメンバーの桑ちゃんもれんくんも名古屋から到着していた6eyesが先にリハーサルを行った。ではドラムから〜とセッティングをしているうちに会場に身長190cmの大男が入ってきた。遅れてきたソンビンだ。おれはソンビンに中指を立てで迎え、ステージを降りて抱擁した。大男の胸板は厚く、昨日からの不安を消し去るほどの安らぎをおれに与えた。ソンビン、ようこそ日本へ。
その後はsoumbalgwang、ANISAKIS、shedaresとリハーサルは進み準備は整った。
Basement Barのブッキングをしている片山さんはコロナ前に一度soumbalgwangに下北沢でライブをやらないかとオファーをかけていたそうだ。しかしその直後にコロナ騒動があり、その話は流れてしまった。今夜はそのリベンジでもあり、おれが今回のツアーの話をした時にはとても喜んでもらえた。
いよいよ18:30になりイベントはスタートした。名古屋同様トップバッターはドンスが2023年に韓国で聴き狂っていたshedaresから始まった。フロントマンのsioちゃんのステージング、しっかりとしたバンドの演奏。間違いないイベントになるとおれは確信した。ドンスも生で眼にするshedaresのステージを最前線で食い入る様に観ていた。そしておれの方に親指を立ててとても満足そうだった。
次はANISAKIS。ANISAKISは来年の2/1を持って解散してしまう。最後にこの東京で最もカッコいいバンドのひとつであるANISAKISとこの特別であるイベントで一緒にやれて良かった。相変わらず不穏で緊張感の張り詰めたステージは最高である。金属音の様なジュンゴのギターが祝福の鐘の様に鳴り響く、この音を韓国の地でも鳴らしてみて欲しかった。
次は 6eyes。昨日の名古屋ではれんくんはsoumbalgwangをサポート、桑ちゃんはnicfitでもドラムと2人は二役であり大変であっただろう。2人ともおつかれさまでした。とは言えおれもおれで慣れない東京でのナビゲート。おれたち3人がんばったよな、おっさんたちが。
最後はsoumbalgwang。ここで本来の形、ソンビンがベースを弾く完全体のsoumbalgwangのライブがようやく観れた。soumbalgwangのメンバーたちもここでようやく本来の自分たちを観せれる事での高揚感だろうか前日の名古屋よりも更に温度の高いステージとなっていた。観に来てくれていたお客さんたちも巻き込んで、これぞ今の韓国のアンダーグラウンドだと言わんばかりのステージを展開していた。この日は前日名古屋では聴けなかった名曲Blackも演奏された。
イベントは終了し、ANISAKISジュンゴとshedaresのsioちゃんのナビゲートにより居酒屋で打ち上げをした。これでsoumbalgwangの来日ライブ日程としては終了したが、まだ何の予定も決まってはいないが、また私たちには次があるという確信が生まれ寂しくはなかった。居酒屋では下世話な話から音楽の話などいろいろな話をして楽しかった。またこんな日はその気になればいつだってやってくる。特にそう思っていた訳ではないが、音楽の力はこれくらいのことは簡単にやってのけれる。イベントを終えてそんな感覚が潜在的におれの身体に備わった気がした。本当に楽しい2日間だった。
次は3日目の東京観光の話。