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同人誌作ったよのおしらせ2
みんなこんにちは。
人間六度です。
たいせつなたいせつなお知らせです!
今年もSFサークル【ふわふわでとてもえらい】は、2024/5/19(日)開催の文学フリマ東京38で無事新刊を出すことができそうです! そして今回我々が出させていただくのが、鮮やかな苦悩に蝕まれた”毒SFアンソロジー”【毒についての話】です……!
参加者
人間六度「純愛五〇〇〇〇ミリシーベルト」
河野咲子「薔薇色の食卓」
公募の「広義のSF」の意図って?
ばんわ。
SF作家の人間六度です。
質問箱に以下のような質問が来まして、我ながら納得度の高い答えが出せたと思うのでnoteに転記しました。
まず、応募要項に書かれる際の「広義の」とは、「SF賞ではあるけれど間口は広げときたいな」という出版社側の意識の表れかと思います。
(てかそもそも、広義じゃないガチのSFだけを求めている賞ってこのご時世存在しますかね。僕はよく知らないんですけど)
とにかく
NINGEN ROKUDO/Blazing Spam Girl Puppy
It was the year 2030.
On the late-night journey back from the factory to his second-floor bedroom in his family home, sthinta's greatest joy was to buy a bagged convenience store ice cream and eat it
オーブンからrice cake !!
作 人間六度(2016年ごろ)
絵 あじたま
毎年クリスマスの日、セントホワイトの子供たちならば、例外なく、いちごの乗った甘いケーキを食べることができる。その至福と言ったら、ジンジャーブレッドマンが大挙して押し寄せたところで、まったく太刀打ちできるものではなく、その中でもシスター・マニエルとシスター・ドナが大切そうに運んでくる、満月のようにまん丸でそして爆弾のようにズンと重い真っ白なショー
ハヤカワSFコンテスト顔合わせ
2021/09/08、早川書房の本社ビルに行ってきた。神田という駅の北口で降りろと忠告され、忠告を聞いたので容易にたどり着くことができた。早川系の事務所が詰まったビルは改装中らしく、ビニールシートが貼られていた。
エレベーターで四階まで登り、受付のようなところに顔を出して担当編集の井出さんを呼んだ。わずかに椅子で待ち、井出さんが姿を現す。当然だけど、スーツ姿だった。
そのまま七階に導かれ、20人ぐ
ハヤカワSF受賞の経緯など
この度は第9回ハヤカワSFコンテストで大賞をいただいた、オスタハーゲンの鍵改め人間六度です。
オスタハーゲンの鍵というのはBBCドラマDoctor Whoに出てくる、地球をぶっ壊すために必要な六つの鍵です。そんなもん誰が作ったか? 人類です。
それは置いておいて、僕、小説賞の受賞とか初めてなので、思い出せる限り経緯を書いておこうと思います。
まず受賞作「スター・シェイカー」は2020年、当時
第三夜【この旅の結末はどこか】scene3
☆☆☆
火継の肩と首の隙間に腰の出っ張りをひっかけ、左腕でがっちりとベルトを固定されてはいたが、空気抵抗によって二人がバラバラにされないのが不思議でならなかった。上昇する時は背中をくの字に曲げ、上向の空気抵抗を減らすのと同時に、火継からかかる力で胃が押し潰されることを少しでも避けようと努め、逆に下降する時はその小さな体からわずかでも離れないように、火継の脇腹に手を回してヒルのように頭をへばりつ
第三夜【この旅の結末はどこか】scene2
☆☆
京都に着いて一時間ほど経った頃か。
二〇六系のバスを降りたセンジは、右手に高速道路、左手に瓦屋根の伝統家屋のたたずむ、未来と過去の逢瀬を歩いていた。乙組の担任・歴史の下園は、数人の女子生徒に囲まれながら先頭を歩いている。三十人あまりの隊列の隅々まで意識を配っているはずもない。しかし先ほど宿に着いた際に一度、出発する時に一度と、かなりの頻度で点呼を取る几帳面ぶり。目的地についたらまたやる