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同郷の男 14話(最終話) やっぱりセコイ男

14話(最終話) やっぱりセコイ男


ランチでも先程の延長で

相変わらずムードはないが

それなりに会話は弾んだ。


「今度〇〇ホテルに行ってみたいな。

龍くんの地元だとまずい?」

「いや、大丈夫。」

「私は行ったことないんだけどある?」

「うん。じゃああそこは夜のがいいね。

夜景が綺麗だから。」

「そうなんだ。いいね、夜景綺麗そう!」

「夜でも大丈夫?」

「うん。」

「じゃあスケジュール確認してまた連絡するね。」

「うん、ありがとう。」

「そろそろ行かなきゃ。」

「そっか。」


彼がレストランの会計で

部屋に置いてきたはずの

クーポン券を出しているのが見えた。


(あ、さっきのクーポン券持ってきたんや。

雇われ社長とはいえ、年収2500円以上で

しかも経費で落とせそうなランチ代に

10%クーポン使うんや。

まあええんやけど。。。笑)


初面談の時に彼が焼肉屋で

さちこの好きに注文させてくれなかった時と

同じ感覚を覚えた。


「ごちそうさまでした。」

「うん。

チェックアウトするからフロント寄って行くわ。

さっちゃんあれやったら先行っててもいいよ。」

「いいよ。私、急がないから一緒に降りるよ。」


フロントの階で彼がチェックアウト手続きを

しているのを遠くで待っていた。


彼は慌ただしくさちこのところに来て

足早に駅に向かった。


「今日は急いでるから駅まで送って行けないけど

ごめんね。

ここまっすぐ行ったら駅だから。

俺はこっちの駅から乗るから。

ごめんね。またね。」

「うん、ありがとう。またね。」


セックスした後の食事が楽しければ

恋が芽生えるはずであったが

やはり彼とは無理な気がした。

会話が楽しくなかったわけではないが

彼という人間性に興味が湧かなかった

からかもしれない。


さちこはとりあえずその晩

彼にお礼のラインは送った。


「龍くん、お疲れ様〜

今日も楽しかったし気持ちよかったよ。

ありがとう。」

「こちらこそありがとう。」

なんか最後急ぎでごめんね。

可愛かったよー」

「わーい。お仕事間に合った?!

こちらこそ忙しいところありがとう。

ラインもテンションアゲアゲの送ってくれて

嬉しい。笑」

「てへ ペロロロローン」

のスタンプが返ってきた。


それから2週間後のホワイトデーには

彼からなんらかのメッセージが来ると

思っていたが連絡はなく、

こちらからも連絡しなかった。


彼の既婚者専門サイトのアイコンは

さちこをブロックしたのか

退会したのか消えていた。



<今回の気づき>


・初面談で酒を飲む男は

 その後セックスに持ち込もうとする傾向がある

・酔った男は拒む女にも強引になりがち

・自分も酔うと正常な判断ができなくなるので

 バーだからといって安心してはいけない

・上向きカーブは69に不向き

・関西出身の男はセックス中に質問が多いかも

・関係が浅い相手にもゴムを付けたがらない男

 とは関係が長続きしない傾向がある

・謝罪や反省の気持ちもないのに

 癖で「ごめん」と言う男は信用できない

・高収入のくせにデート中に

 堂々とクーポン使う男は基本せこい


龍くん、たくさんの気づきをありがとう!

彼に幸あれ!


最後まで読んで下さってありがとうございます。

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