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さちこの疑問 2話

2話 火星人の開き直り


「もしもし?」
「初めまして。」

さちこ好みの低くて渋い声だった。

「いい声ですね。」
「そう?」
「うん、低くて素敵です。」
「ちょっと喉イガイガしてるから。」
「好きな声ですよ。」
「そう言っていただけると嬉しいです。」
「私、声低いでしょ?大丈夫ですか?
可愛い声じゃなくてごめんなさいね。」
「いや、甲高い声苦手だからちょうどいいです。」
「じゃあよかった。」

しばらく近所ということで、
この辺の地域情報を教えてもらっていた。

そのうちいつの間にかしもい話になっていた。

「好きな体位は?」
「立ちバック。」
「おお〜。」
「まあ相手の角度や硬さとか相性にも
よるんだけど。
あ、そうそう、鏡の前での立ちバックね。
自分が気持ちよさそうな顔見ながらするのが
好きなの」
「へえ。」
「よく変態って言われるけど」
「悦子さんは身長どれくらいなの?」
「160。
でも180以上の人ともちゃんとできるって
検証済みだから。笑」
「そーなんだ。じゃあ良かった。」
「うん。背が高い人が好き。」
「他にどんなのがタイプなの?」
「色気がある人かなあ。声と匂いフェチなの。
あ、そうそう、
私、火星人、仮性包茎の人はNGなの。
独男さんは大丈夫?」
「大丈夫。」
「それは良かった。
私、大体顔見ればわかるんだけど、
独男さん、顔写真載せてないから。」
「そんなのわかるの?
どういうところでわかるの?」
「それは口では説明できないんだよね。
いろんなパターンがあるから総合的に判断してる。
だから、一人一人見てああだ、こうだってしか
答えられない。」
「今までどれだけやってるの?」
「そんなに大勢の人とやったことないけど、
形とか大きさとかどういうセックスしそうとか
妄想するのが好きだから
同級生とか会社の人とか実際見てないけど
自己申告で答え合わせするのも入れて
大体当たってるの。」
「そんなのさ、みんな嘘つくじゃん。」
「つかないでしょ。嘘ついても意味ないじゃん。
嘘ついてたらわかるし。」
「コンディションにもよるでしょ。」
(あ、こういうこという奴は火星人だな。
かの大仏君がそうだった。)
「コンディション?
そういう人は火星人に入るよ。
独男さん、火星人なの?」
「そんなの言ったらみんなそうでしょ?!」
「日本人は7割火星人って言われてるもんね。
だから私はその残り3割を探し当てるのに
顔相をみる技術を磨いてきたわけよ。」
「そんなの世界中火星人だらけだよ。」
「いやいや、欧米人はほとんど全剥けじゃん。」
(もうこいつ絶対火星人やわ。
火星人とのこの議論するの
一番無駄な時間な気がする。。。)
「欧米人なんか8割仮性だよ。」
「えー!?」


最終話に続く。。

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