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「やらんでええから、今それええから、ええってもう」
『……でも、汚いから……』

六歳ムスメ、四歳息子が、真っ裸で、風呂の床を洗っている。

今日は僕が風呂に入れる日、、しかし僕だけが、湯船に浸かっている。
2人は入って即、、有無も言わさず、素っ裸で、洗い出した。

理由は、分からない。

一回も湯船には浸からず、肌寒いなか、、2人揃って、スポンジで、床をゴシゴシ。

今は10月。

「もうええから!! 先、風呂に浸かって!」
『……ここ……汚れてるから……』

「誤解されているが本当は心優しい化物」みたいな、返ししかしてこない。

どういうことだろう。 何故今、それをしたいのだろう。
入ったばかりで風呂場は、かなり寒い。 しかし、業者バリに、テキパキ洗っている。 

2人で洗う場所を、奪い合っている。 
もっと汚れている所はないか? と、奪い合っている。

諦めて、、「そこ、まだ汚れてるで!」と指摘する側にまわる。

『……ほんまや……まだ汚れてるわ……』 少し嬉しそう。 

死んで天国に行った時の、天国銭湯の清掃員は、多分こんな感じだと思う。 

うちの子供ぐらいの年頃の、羽根の生えた天使が、風呂を洗っていると思う。

そして……
「どうだい湯加減は? 気持いいかい?」 とか、聞いてくるのだ。

『いつも、ありがとうねぇ』 とか、返すのだ。

「おじいちゃんは生きてる時、何の人だったの?」とか、聞いてくるのだ。 

『人々を、笑顔にする仕事をしていたんだよ』とか、返すのだ。

「へ〜、それは、素敵だね!」とか、言うて来るのだ。

『色んな所に、行ったよ、、』とか、語り出してみるのだ。

「あ〜〜、やったな〜〜」とか言いながら、こっちの話しは、そっちのけで、どっかに翔んで行ったりするのだ。

多分、そんなんだと思う。


おやすみなさい。

三冊目の本を出したいので、宜しくお願いします🙇🏻 二冊目の「超人間観察」の方が面白いのに、何故か売れ行きが……。 宜しくお願いします🙇🏻