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透明日記「疲れがちりちりと燻る」 2025/03/02〜03/03

3/2 日
動くと頭が痛い。疲れている。疲れると暗くなる。どこまでも暗くなる。人間がうるさくなるし、道という道の上を移動するのは邪魔くさいし、なにも思い浮かばず、空虚で孤独で、洞穴。真っ暗な穴。

そこから出たいとも出たくないとも思い、どっちつかずで時間は過ぎるし、焦燥。むしゃくしゃするうちに、頭を使って出ようとするけど、頭を少し動かせば、頭はすぐさま洞穴の壁にぶつかる。

休みたいような休みたくないようなで、あらゆる行動のリズムが悪い。

朝、ドラムを叩いてメシ食って、家。寝る。

少し回復した。キョロちゃんを観る。動きがいちいちかわいい。時間が戻る話。二話続けてループもの。キョロちゃんの動きは過激で天然でかわいい。

第一話の前半を観返す。マツゲール博士が急にジャンプして遺跡の謎を解くところはつかみとしてすごくいい。あ、楽しいって惹き込まれる。
キョロちゃんがひとり、無人島で月を眺めて涙をこぼすシーンは何度観てもいい。このシーンが観たいがために観返していた。キョロちゃんの後ろ姿から、マツゲール博士とはぐれたさびしさがじんわりと滲んでくる。

フォルダの整理をする。いろんな内容のものがごちゃごちゃになって収拾がつかず、見るたびに少し頭に負荷が掛かっていた。データを整理するとスッキリする。

3/3 月
朝、曲を叩いても手応えがない。全然叩けていない。上手くいかなくて、少しへこんだ。

家に帰ってマユリカのラジオとか聴きながら洗い物などする。

夕方ごろに千鳥橋。展示作品の回収に行く。少し眠かった。電車で本を少し読んで目を瞑る。あと一駅で乗り換えかあと思って目を閉じていると、寝ていた。駅に着くと目が覚め、はっとして電車を降りる。頭の周りになにか回っているような気分で、ぽやあっとしていた。

阪神電車は遅れていた。駅のホームで待つ。大小の円柱を二つ繋げたような椅子に腰掛ける。小、意味ないやんと思いながら座り、目を閉じると、すうっと意識が沈んでいくようで、からだの重みが下の方に下の方に流れていくのを感じた。

遅延のアナウンス、遅延理由のアナウンス、一番線に電車が来るぜとアナウンス。二番線にはなかなか来ない。

来ないことが少しありがたかった。ずっとホームで目を閉じていたいような気がした。ホームには、サーっという広い無機質な音が漂う。耳でひっそりと空間の大きさを感じていると、やすらぐ。感覚に浸ると、意識が色づく。ホームで長々と待つのも久しぶりで、大きな空洞がからだに馴染む感触があった。

しばらくホームに溶けていると、電車が来て千鳥橋。作品の回収は剥がすだけなので一瞬だった。貼った苦労を思うとあっけない。

近所の商店街では、ずっとひな祭りの音楽が流れていた。そういえば、一昨日のライブでも隙間をぬってひな祭りの音楽が聞こえていた。

回収後、さぼてん堂で少し休んで、イベントの衣装を搬送する。

家に帰ってキョロちゃん。機械の導入によってリストラを受けるミッケンくんのパパ。選挙といいリストラといい、こどもアニメでは聞きなれない言葉がたまに出てくる。

夜はちらし寿司を食べながら、ホットスポットを観て、わりと早めに寝た。からだの内側で疲れがちりちり燻っていた。

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