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透明日記「久しぶりの一日」 2025/01/26

朝起きて、ドラムを叩きにいく。毎日通うようになると、道中の信号事情や路面状態などがよく覚えられ、進みよい。風になって道をゆく。

イヤホンで曲を聴きながら練習をする。しっかり、完走した!というのが一回あった。一週間ぐらい、同じ曲を叩き続けていたので、正直、三日ぐらい前から飽きてきていた。

ただ、飽きたのはたぶん、惰性で叩いていたからだろうと思う。そう考えると、もっと細かく色々な部分を詰めていく必要があるなと思い、飽きたことを反省した。

ハイハット以外は、殺すほどにしばいてみようと思い、強めに叩いてみる。強めに叩くと、ふつうに疲れるし、リズムが崩れる。

ドラムをしばき続ける。疲れる。腕が上がらなくなってきたとき、それでもリズムをキープしな、と思うと、自然と手首がてけてけ動いた。なんか、追い詰められて真の力を発揮した人みたいで、おもろい。てけてけ叩いて踏ん張った。

練習のときになにか一つでもやってみようがはっきりしてると、楽しい。新しい発見がある。明日も同じ曲を叩きたいなあと思うようになった。

家に帰ってカップヌードルを食う。メインの展示がひと段落着いたので、かなり解放的な気分。ただ、ドラムと創作以外に何も考えていなかったので、することがない。

昨日飲み屋で聞いた「水曜どうでしょう」を流して、ソファにごろんとする。一回分で止めるつもりが、一回半観ていた。いい感じに雑で、無駄に続きが気になる。久々にだらんとできてよかった。

展示のことを考える。昨日メインの展示が終わったが、作り過ぎたのでさぼてん堂にも展示しようということになった。準備することなど考える。

考えるうちに、散歩。せや、おれは散歩に行きたい。そう思った。

夕日が川面に反射して眩しいけれど、あべのハルカスの返す夕日の方が激しく眩しい。目が燃える。

散歩も久しぶりで、以前よりか草の枯れ具合が進んでいた。枯れ草カロカロ風にまみれる。耳から脳みそに涼しいものが届く。空に雲がアカアカと燃える。

冷気が澄んで、突き抜けて広く、呼吸がすうっと、腹の深くに落ちていく。

疲れた意識がやさしく包まれるような、沈んでいくような、じんわりと、疲れがどこに消えるでもなく、滲んでいくような。

階段から川を眺める。コサギとカワウが入り乱れ、浅瀬で何かを食べている。カワウがコサギの影のように動いていた。

少しして、カワウがみんなで羽を広げる。なぜかこっちを向いていて、バットマンごっこみたいなものを見せてくれる。

ふと、視界の端で白いものがふわあっと舞う。コサギが土手に?と思うと、ビニール袋だった。

夜、昨日行った飲み屋に行く。作品を忘れて帰っていた。なんやかんや話し、カウンターが静かになって、ソファ席に団体が賑わう。店がもぞもぞ忙しくなる。暇をして、謎の花を描写する。

葉っぱがでっぷりかわいい形。実みたいなもんがぽろっと落ちて、出来損ないの落花生みたいな見た目で、触ったら、耳たぶみたいにむよむよしていて、なんだお前は。
茎のような根のような、訳のわからない触手が、のびのびほれほれ、ほれみたことかと指を指す。
お前は一体誰なんだ。
黄色いしんなりの小さな花びらを垂らして、中に赤いひらひらがひゅるんひゅるんで、花びらが楽しい。縮緬みたいな和服のからだで、見る目にしゅくしゅく、品がある。
茎はしぶとく、蕾は硬く、蕾のぎゅんとした感じ、ソフビ。ソフビ的触感で、目の中がにゅくにゅくする。ぼくはうれしい。
そんな花を見た。

ついでに日記も書く。日記を書くと落ち着く。戻ってきた感がある。

そのうちに店内が落ち着き、ぼちぼち話して、ぼちぼち帰った。

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