春が嫌い。

春が嫌い。

春は私を期待させ、裏切る。

ほんの少し、ほんの少しだけ、

私が油断した隙に、裏切るのだ。

ふと、桜を綺麗だと思ってしまったり、

外が気持ちよくてどこか遠くに行きたいなと思ってしまったり。

生きはじめたムシや、日向で寝るネコや、根拠もなしに新しい予感を期待するヒトたちに、紛れこんだ私を、春は見逃さない。

春は私には残酷すぎる。

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