はじめて漬けた、あんず酒の実を食す。
今年の初夏、長野県千曲市のあんずの里へ行きあんず狩りをした。そしてはじめてあんず酒を漬けた。
今夜、ふと思い立って、その実を食べると決めた。どんな味なんだろう、とわくわくして大きなびんからオレンジ色の実を取り出して、にんまりする。
こんにちは、こんばんは。くりたまきです。
6月23日、あんずの里へ行ったとき、おばちゃんがレシピを教えてくれた。その日のnoteにも書いてあった。
あんず酒を漬けたいのだとおばちゃんに相談すると、作りかたと「信山丸」というそのままでも食べられるけれど加工用に向いている品種を教えてくれた。おばちゃんも毎年あんず酒を漬けているという。
「いま漬けて、11月くらいに実を取り出してお湯割りにしたらおいしいわよ」
「うわあ、楽しみ!絶対やります」
そして、その二日後にはあんず酒を仕込んだことも書いていた。詳しいつくりかたは、こちらからどうぞ。
あんず酒を飲めるのが秋頃。おばちゃんが言ってたみたいに、実を取り出してお湯割りにしたら、寒くなってきたころに嬉しいだろうなあ。
わたしがこの夏、どれだけの熱意であんず酒をつくっていたか、おわかりいただけたのではないだろうか。こういうの、だいすきなのだ!
そして今夜、実食。
大きなガラスびんにそっと菜箸を潜らせて、実を取り出す。マグカップに入れて、エキスがたっぷり滲み出たお酒も注ぐ。
そこにおばちゃんに言われた通り、お湯を注いでお湯割りにした。ひとくち飲んでから、お箸で実を割り、そっとかじる。
これが、最高だった。ああ、夏のわたし、ありがとう。
コンポートに近い感じで果実はやわらかいけど、皮の部分には生の食感もある。お酒と氷砂糖の甘さをたっぷり含んでいて、でもあんずの味と香りも残っている。大人の食べものだ。
水で少し薄めて、実入りのゼリーにしてもいいかもしれない。実を刻んで、クリームチーズと混ぜてみてもいいな。梅と違って種から離れやすいので、調理も楽だ。
過去の自らの行いが、時間を巡って、いまのわたしに与えてくれるものがある。それは、うれしいことだな。どんどん、熟成されるようなことをやっていきたい。
あとね。どうして実を食べようと思い立ったのが今日だったんだろう、と疑問に思っていたけど、じぶんの書いたnoteを見返して、わかった。
「いま漬けて、11月くらいに実を取り出してお湯割りにしたらおいしいわよ」
夏のおばちゃんの言葉を、わたしは覚えていたのだ。おばちゃんが言ってくれた通りに、わたしは11月に入った今日、おすすめしてくれた通りのお湯割りで、からだをあたためている。
千曲市の、あんずの里は、台風の被害を受けてしまったのだろうか。来年は、どうなっているんだろう。あのおばちゃんの顔、もうぼんやりとしか覚えていないけど、来年も会いたいな。ちゃんと味わえましたって、お礼を言えたらいいのだけど。元気でいてくれますように。