何がブレンダに起ったか?「フェミニズムから国民を守る党」
※当記事はあとがき以外は無料で読めます。
この件はこれまでの記事の中でも何度か取り上げてきましたがフェミニズムを語る上で大切な話なのであらためて解説させて頂きます。
主に引用元となるのはこの著書。
ブレンダ(Brenda)すなわち末がaで終わる名前は欧米圏では主に女性名となります。というわけで世界的に人気の格闘ゲームのストリートファイターⅡのラスボスのベガ(Vega)は他の名前に差し替えられています(その他の要因もありますが)。
1970年代、医学心理学者のジョン・マネー博士が双子の兄弟の兄が赤ん坊の時に性器を損傷してしまいマネーは彼に性転換手術を施し彼は女性として生きていくことに弟は男性として生きていくことに。手術の経過は良好で一家は幸福に暮らしている。セクシュアリティは生まれつきのものではなく育ちで決まるのだ。これはそれ以降のラディカル・フェミニズムにも大きな影響を与え代表的なフェミニストのケイト・ミレットの「性の政治学」にも影響を与えました。本書はそんなマネーの成果に対しその後を追い実態を描いた作品となります。
真冬の惨事
ロンとジャネット、カナダの若い夫婦のレイマー夫妻に男児の双子が生まれます。兄ブルース・レイマー、弟ブライアン・レイマー。この兄のブルースは赤ん坊の時に包茎により尿が出にくくなってしまっている事が発覚。包茎切除手術が行われることが決まりました。それは特別難しい手術ではなかったはずでしたが処置をした担当医が不慣れだった為、電気焼灼器でブルースのペニスごと焼き切ってしまいます。
「私はその場で凍りついたわ」とジャネットは語る。「涙も出なかった。まるで自分の体が石になってしまったようだ」(中略)最初にわが子に対面したときのことを思うと。ジャネットはいまでも血の気が引くような感じがするという。新生児用ベッドに寝かされたブルースのわきに立ち、ジャネットは息子のペニス、その残片をじっと見つめた。「まっ黒になっちゃって、まるで小さいひものようだったわ」一方、ロンの目には、それは「木炭のかけらのように」見えた。「あんなふうになったあとじゃ、絶対に元通りにならないって思ったね」それでもジャネットは泌尿器科の専門家あるヴァンに尋ねた。「だいじょうぶなんでしょう。元通りのかわいいペニスに戻るんでしょう?」医師は首を振った。「いいえ、残念ながら。そういうわけには行かないんです」数日後、ブルースのペニスはすっかり干からび、こなごなに崩れてしまった。そしてまもなく、性器の痕跡は跡形もなく消えてなくなった。
性のカリスマ ジョン・マネー
1960年代以降、性科学者で医師だったジョン・マネー博士は性転換手術を成功させた画期的な博士としてTV出演するなど注目されたいました。マネーはさも自信ありげに自説を語り人を惹きつける才に長け性のカリスマとしてもてはやされていました。そんなマネーはどのような生い立ちの人物だったのか。
マネーは宗教色の強い家庭に育ち厳格な父に反感を抱き育ちました。マネーは父親はマネーが8歳の時に病死してしまいます。
父親の死後マネーは母親と未婚の叔母たちに囲まれ、きわめて女性的な環境で育てられた。男性にたいする彼女たちの非難は強烈で、それが一生涯マネーに影響を与えた。「私は自分が男であることに罪の意識を覚え、苦しんだ」と彼は書いてる。「そう、卑劣な性である男の仮面をかぶっていることに」もちろんその仮面とは、睾丸とペニスである。大人になったマネーが成人や幼児の性転換を行い、世界的な名声を得たことを考えると、つぎのコメントには無気味な響きが聞き取れる。「私はよく思ったものである。家畜だけでなく、人間の男も誕生時に去勢されたら、世界は女性にとってより良い場所になるのではないかと」
ちなみにでありますが性の自由を徹底的に信仰するマネーは成人と児童との性愛を肯定しておりました。
「親類や、年上の人と関係を持つような子供時代の性体験は」と一九八〇年四月に発行された『タイム』誌のなかでマネーは語っている。「必ずしもその子供に悪影響を与えるとは限らない」また彼は、小児性愛をテーマにしたオランダの雑誌『パイティカ』のインタビューに応じてる。『パイディカ』は、北米小児愛協会をはじめとする、小児愛を容認する団体が広告を出している雑誌である。「たとえば私が、二〇代や三〇代の男性に強く惹かれている10歳の少年を診断するとして、もし当事者たちが完全に相思相愛の間柄で、しっかりとした絆で結ばれていれば、私はそれを病気とは呼ばないだろう」とマネーは言う。「重要なのは、ふたりの関係が前向きで愛情深い基盤のもとに築かれることであって、その基盤が築きあげられた関係を、他人がむやみに壊すべきではない」
半陰陽
皆さんは半陰陽(インターセックス )というのをご存知でしょうか?これは生れながら男女の区別があいまいな人々のことを言います。マネーは彼らが男だろうが女だろうが関係なく生きていけると判断し性転換などの処置を行いました。この顛末に関してはのちほど説明します。とはいえこれがマネーにとっての論拠となり「ブレンダと呼ばれた少年」に繋がったものと思われます。
TVでジョン・マネーを知ったレイマー夫妻はマネーに接触。男性器を失ってしまった息子の処遇について相談します。マネーは夫妻に息子に性転換手術を行い「女性」として育てればきっと彼は幸福になれると力説。元々は地方出の素朴な男女で息子を襲った突然の悲劇に藁にもすがる思いのレイマー夫妻はこの申し出を許諾してしまいかくしてブルースは性転換によりブレンダとして生きていくことになりました。
「ブレンダにはまったく女らしいところがなかった」とブライアンは笑いながら言う。「女らしさのおの字もなかったよ。歩き方も男みたいだったし、座るときはいつも脚を広げてさ。話し方だって男みたいで、家を掃除したり、結婚したり、化粧をしたりなんてことには興味を示さなかった。おれたちはふたりとも、男友だちと城をつくったり、雪合戦をしたり、軍隊ごっこをしたりするのが大好きだった(中略)」
現実とはよそにマネーが男児を性転換し「女子」に改造したという研究結果は世に発表され先述した通り男女には先手的な性差など無い。性差はあくまで後天的に作られるものに違いない。よって女性ジェンダーとは男社会があくまで女を支配するために都合良く作ったものに過ぎないのだとよってそれはいくらでも破壊、変更可能だという、フェミニズムの考え、即ちジェンダーフリーに非常な大きな影響を与え現代フェミニズムのバイブル的なケイト・ミレットの「性の政治学」はこのマネーの研究をもとに男女に違いは無いと主張した著作となっています。
マネーによって破壊されていくレイマー一家
レイマー兄弟は施述後にマネーの治療、カウンセリングを受けるようになっていきますがその内容はまさにセクハラであり児童に対する性的虐待です。
双子が成長するにつれ、マネーの質問はいっそう露骨になっていった。「あの人はいろんなことを訊かれたよ、『女の人とセックスする夢を見たことをあるかい?』とか、『勃起をすることはあるかい?』とかね」とブライアンは言う。「もちろんブレンダにたいしてもおんなじだった。『こんなことを考えるか、あんなことを考えるかって』ブレンダもいろいろ訊かれたよ」
アフターケアと称しマネーのレイマー兄弟に対するカウンセリングはどんどんとエスカレートしていき常軌を逸したものになっていきます。
「あからさまな性描写のあるポルノ写真は」とマネーは『性の署名』のなかで書いている。「子供の性教育の一環として使えるし、実際使われるべきである」ポルノ写真は「男女は問わず、子供の性的自己認識および役割を強化する」とマネーは言う。「あの人は何かにつけて、服を着てない男の子や女の子の写真を見せたよ」とブライアンは言う。デイヴィッドはの記憶では、マネーは性行為をしている大人たちの写真も見せたという。「あの人はこう言ったんだ、『きみたちに見せたいものがある、パパやママがいつもしていることだよ』ってね」
マネーのレイマー兄弟へのカウンセリングはどんどん度を超えていき兄弟にセックス の真似事を無理やりさせてそれを写真に撮るというとこまで行きます。これは兄弟に強いトラウマを与え大人になって以降も明らかにPTSDの発作を発症しています。
また子供にありのままの姿をなるべく見せるべきだというマネーの指導により母ジャネットは我が子の前で全裸で過ごすようになりこれもデイヴィッド(ブレンダ)に心の傷を与えたと本人が明言しています
ブレンダは当然のことながら学校でも奇異の目に晒され男子にはからかわれ、女子グループにも入れてもらえず(一部は徐々に受け入れてくれるようになりますが)孤立し、父ロンは酒浸りになり母ジャネットは鬱病になり離婚、家庭崩壊かというところまで追い込まれす。マネーは自らの実験によって一家は幸福に暮らしているというのは全くの虚像でした。
女の格好をさせられ続けながら内心は「自分は男だ」と思い続けてきたブレンダは高校生の時に再性転換手術を受け人工ペニスを得て男性に戻ります。聖書で巨人と戦ったダビデにちなんで自らデイヴィッドと命名。その後は離婚しシングルマザーだったジェーン・フォンテーヌと結婚。おそらくこの頃が彼の人生の中で最も幸福な時だったのではと思います。
その後はマネーに以前から疑問を抱き対立してきた同じく学者のミルトン・ダイアモンドの告発レポートによりマネーは厳しく責任を追求され社会的信用を失いましたが最後まで誤りを頑なに認めようとはしませんでした。また半陰陽の人々も性転換手術を行われるもその後は性自認に悩まされていたことが発覚。またマネーの発表以降ブレンダ同様の処置を受けた人間は彼以外にも多数いました。
ひとりの夫、父親、そして自分が決して持つことはできないと思っていた家族の大黒柱としての役割におけるプライドについて、デイヴィッドはこう語る。「おれが父親から教わったのは、男っていうのは、妻を大切にし、家族の上に屋根を築き、良き父親であってはじめて一人前と言えるってことさ。そういうことをひとつひとつ積み重ねて、人は男になる。セックスはそのつぎなのさ。きっとジョン・マネー博士なら、おれの子供たちに血を分けた父親たちのほうこそ、ほんものの男だと主張するだろう。でも彼らは、子供たちのそばにいて、ちゃんと面倒を見るようなことはしなかった。あの子たちはおれの手で育てるんだ。おれにしてみれば、それこそ男ってことさ」
本書は男性として再起したデイヴィッドが自らを取り戻し明るい希望を示し終わります。
2002年 弟ブライアン・レイマー 精神薬の過剰摂取により自殺。
2004年 兄デヴィッド・レイマー 銃で自らを撃ち自殺。
彼ら双子はもうこの世にいません。ふたりとも現在も生きていれば50代半ば。双子の症例としてジェンダーフリーの実験材料にされたふたりは人間性を踏みにじられ精神を破壊され死に至る結果となってしまいました。これに関してはブライアンは精神疾患、デイヴィッドは妻に距離を置きたいと告げられ自死に至りましたが幼い頃にマネーの実験、研究によって一家ともども散々振り回され心の傷を負ったことが無関係とは到底思えません。
またフェミニストはこの悲惨な結果が明らかになった以降はマネーを崇拝していた事実を自己批判することなくしらばっくれ続けております。
現代に蘇る「双子の症例」
詳細はリンクをご覧頂くとして双子という点からいってもレイマー兄弟、ジョン・マネーの実験をかなり彷彿するものであり彼ジェイムズがトランスジェンダーなどでないとすると悪夢と悲劇は再び繰り返されることになるでしょう。ちなみに以下のリンクから彼ジェイムズの父親が始めたSave James運動に賛同の署名が出来ます(寄付ではないのでお金はかかりません)。
ジョン・マネーは2006年にこの世を去りましたがマネーの亡霊は現在でも生き続けているのです。
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