開かれなかった扉 (その4)

小さい頃から本気で「1999年7月31日に世界は滅びる」と信じていて、その年に入ると矢鱈とライヴを催したり浪費したり。そして1999年8月1日の朝、いつもと変わらぬ世界を目の当たりにして、今まで抱いていた(セコい)世界観の崩壊とそこからの(僅かな)超越を、夢から覚めた時のように感じながら独り佇んでいた。


その当時よく聴いていたのが上掲の曲。
「起きている時間よりも寝ている時間の方が長い人は、夢の世界の方が現実よりも重要なのではないか」とか「何で多くの人々は現実よりお易い虚構の方に惹きつけられるのだろうか」とかそんなことばかり考えていた青いオレには、この曲で歌われる言葉の一言一句や奏でられる音の全てが身に染み込んで離れなかった。

そして、以前からこのバンドが大好きなオレはこうも思っていた。「このバンドが他の人気バンドよりも売れていないというこの状況、どうかしている」
どうかしているのはオレの方。

夢は覚めたら夢では無くなる。直射日光に晒されて瞬時に消える陰画のように。
それでもその一瞬の耀きを求めて「なかなか覚めない長い夢≠現実」の中を生きている。そして、同じ夢を持ち続けている他の人・その夢の記憶との出会いをも求めながら。


We are unfinished dream company !

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