Shawn lane で学ばせる道徳
今の中高生はおとなしいだけで言うこと聴かないのは
むしろひどいと思ってるんだけども、
そういう時ほど『本質えぐってやる』しかないと思うのだよね。
まず事前情報無しでこの動画を見せよう
デブなおっさんがギター弾いてるね。
ではなぜこの人がデブなのかをここから説明するんだ。
彼の名はショーンレイン、2003年に40歳で亡くなった伝説のギタリストである。
若くして1970年代にイングヴェイが子供の遊びレベルに見えるほどのスピードを叩き込んでいた化け物である。
16歳、79年にこのクソ生意気そうな(笑)プレイをぶちかましていたわけです。ほっそりイケメンですが、ここでデブになった経緯を。
彼は『関節症性乾癬』の患者で13歳に発症した。
この病気は全身の関節に炎症、強ばり、変形痛みを生じる。全身の痒みとともに関節に痛みがあるため、睡眠が妨げられる、風呂・トイレなどに不自由する、筆記具や箸を持てなくなる、着替えに介助が必要になるなど、日常生活に支障をきたす難病である。
その治療薬の副作用でぶくぶくに太ったのだ。
ちなみに彼はヘビースモーカーで亡くなる直前、酸素吸入が外せなくなるまでタバコを吸っていた。
さて、この授業を受ける若造にとっては『古典』になってしまうこのギタリストにご登場願おう。
わたし達おぢさんからすれば彼がこのバンドでプレイした時
「おそっ!」と思ったものだ。
しかし彼はショーンの影響をたぶんに受けている。
彼がペンタトニックの速弾きをオサレにしたのもショーンの影響だ。
しかしコントロールのためか明らかにスピードが落ちていく。もちろんそれは悪いことではない。フレーズを優先させれば当たり前のことだ。
しかしショーンはポールですらできない次元のスピードで
『聞き取りやすいのに何やってんだかわからない宇宙人スピード』をアドリブで押し込んでいたわけです。
彼のメロディセンス、そして速い部分がペンタトニックで構成されていることが良くわかる曲です。
で、彼は他のフュージョン系ギタリストと違ってアドリブでスケールを意識するのが苦手で、アウトフレーズは手癖、もしくは決められたパターンを減移動していく手法が多い。ただスピードが尋常ではないのでサックスのように滑らかで違和感が無いのでおっそいスピードで弾くとただの下手糞に聞こえる。
彼はペンタ、ナチュラルスケール、そしてデぃミニッシュ、ホールトーンだけでほぼ攻略できる。
ただし『普通の速弾きギタリストの2000倍速く弾く』ことが条件なだけだ。
そして彼は奇数を好む。
「5連符・7連符・9連符・11連符」を多用する。
これは専門的な説明を省くと独特なスタイルの弾き方のせいで弾きやすくなっていること、これを利用して他者との違いを出していることだ。
ちなみにポールのペンタフレーズはこの『奇数パターンを16や3連・6連にコンバートしている』だけだったりするので込み入り方が複雑でコピーがしにくい。
ゆっくりなぞるだけならショーンのほうが簡単に感じる。彼と同じスピードにすると指が千切れ心が折れる。
では話をつなげようか。
彼はその類まれなるスピードにより生きる伝説として海外では名の知られたプレイヤーだった。
日本ではギター雑誌が取り上げるまで無名に近く、このSideおぢさんが彼の映像を見て必死にテンポ300超えの16分音符のスケール練習をしている時にみんなは
「誰それwwwww」
って感じだった。
曲も武満徹に影響を受けていたり、歌心がしっかりあったり、複雑なテーマでしっかりキャッチーにするプログレとは正反対のやり方で非常に質が高い。
やっと日本で取り上げられた時も、彼は「運動不足じゃね?」と笑われた。
プレイヤーとしてはすごくても
「速弾きギタリストはデブ」という理論でひとくくりにされた。
彼は不摂生ではあったがデブの原因はあくまで難病の治療の副作用、
その不摂生も治療のストレスや離婚などのトラブルで辞められなかったようだ。
人はうわべだけで判断してしまう。
さあ、最初に思ったであろう『デブおっさん』をもう一度見よう
彼はブサイクになってしまった。
もちろん最初からブサイクでも彼の価値は変わらない。
でもみんな姿形に騙される。
そして「速いのはクソ」とこき下ろすミュージシャンが
「速く弾けないことへの嫉妬」なんだとわかる。
しかしそんなこと本当に彼自身はどうでもよくていつでもメロディに忠実でありつづけただけだ
君たちは「かわいい顔のお人形が合唱してるヒットチャート」と
「誰にも相手にされない誠実さ」
どちらを見るのか?
ブサイクは悪か?デブは悪か?ハゲは甘えか?
そして彼が死んでしまったけれど、
彼のように美しいメロディを持った人間になれるのか?
そこからはつきはなしてガキ自身に考えさせれば
いい教育になると思うんだけれどもね