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BANANA FISH 感想 12巻 物語のクライマックス
仕事で嫌なことがあってこの土日ひたすらお菓子を作っていました。焼き菓子楽しい!!!!(レンジかったからね)でも、食べると太っちゃうから、誰か食べてくれる人いないかと思ってる。妹もダイエット中で全然食べてくれない。(笑)会社に持っていくかなー。
そんで今週FEELCYCLE BB2MLN3→BB2Reqq2の二連荘したら吐きそうになった。きっつ……えぐいわ……。最近緩いのばっか受けてたから取り返そうとしたんだけど……。しんど……。どちらも初めて受けたんですが、MLN3はMLN2よりはまし(ただし最後の曲は除く)Reqq2はHH2程度の強度だと感じました。メモ。でもどっちも神曲だったからまた受けたいな。
さて本題行きますか?
12巻のストーリー
アッシュ、キッパードを追い詰めBANANA FISHの政治的思惑を探る→ブランカに悟られキッパード消される→ホルストック大佐も消される→図書館帰り英二が銃で狙われる→「ISLANDS IN THESTREAM」を見つけブランカに気づく→ユーシス、ゴルツィネ、ブランカが組む→ブランカにマンションを狙撃され英二負傷(※脅し)→アッシュユーシスらの呼び出しに応じる→英二を助けたいなら自害しろと言われノータイムで死のうとするが弾は装てんされていない→BANANA FISHから手を引きゴルツィネの元に戻れと言われ、アッシュ従う
物語の進み方がえぐいんですが、この中で英二とアッシュは一緒に住んでいて、なかなか仲良しな描写がちょくちょく出て来て、えぐいなーっと思いますね。泣かせに来てるよね。だって幸せな生活の一方で、アッシュは英二と離れる決意をするんだもん。。。
BANANA FISHのクライマックスは12巻
ぶっちゃけね、BANANA FISHを語るのはこの12巻で済んでしまうんじゃないかってくらいね、クライマックスは12巻なんです。先に話していい?
BANANA FISH 名シーン第一位
もう出し惜しみせず発表します。
「――弾丸が入ってない 弾丸をよこせよ」(BANANA FISH 12巻より)
ここ!!!!!!!!!
このシーンこそが、BANANA FISHの名シーン第一位!!!!
絶対これだけは譲らない!!!
もう涙腺崩壊して読めない!!!!
どんなことをしてもゴルツィネにやり返して、兄さんの仇を取って、生き延びてやると思っていたアッシュが、英二の為にノータイムで頭を撃とうとし、その上、弾がないって言うんですよ。その時の無表情もたまらなく泣ける。
アッシュは絶対に優先順位を間違わない。一度決めたらそれを変えないという強さがある。
今までどんな辛い思いをして生き延びてきたか知っている私は、このシーンを見て泣くことしかできない。
どんなにつらい思いをしても一生懸命生きるという誇りをあきらめなかったアッシュです。優先順位の一位が今まで「生き延びてやる」って事だったアッシュ。それが「英二」になったんです。「生き延びる」より、世界でたった一人の人間であるアッシュ・リンクスを見つけてくれた「英二」が、彼にとっての一番なんです。
辛く長く苦しい人生だった。死んでしまったら今までの辛さが無に帰すんですよ。どんな嫌な思いをしても、乗り越えてきたんですよ。それを一瞬で手放せる強さ。
アッシュ、アンタは本当に完壁だよ。
才能に秀でたものはさ、時に愛だけは知ることができないことが多いけど、アッシュは愛すら理解し得たんだから、もう完璧だよ。
「何の見返りもなくオレを気にかけてくれる人間がいるんだ こんな幸せな気分は生まれて初めてだ… もうこれ以上ないくらい―――オレは幸福でたまらないんだ」(BANANA FISH 12巻より)
ここが泣けるのはね。
アッシュが言っている幸福「何の見返りもなく誰かが自分を気にかけてくれること」これはね、皆当たり前に享受できることだからなんです。
生まれてきたら、普通はみんな親に無償の愛を受けるんです。
そんな当たり前が許されなかったアッシュに、私たちは涙するんですね。
そしてもう一つ、このシーンのすごいところ。
「にせものにかこまれて生きるよりずっといい」(BANANA FISH 12巻より)
これって真理じゃないでしょうか。この世の心理。
成功してお金を手に入れることは、資本主義である現代社会において、成功です。そのように上を目指し私たちは生活している。しかしですよ。資本主義っていうのは、社会っていうのは愛情の反対なんです。基本的に対価を支払わなければ、何も得られないから。
それを、アッシュは「にせもの」って言うんですね。
それはねアッシュ、正しく真理だよ。
でもさ、皆がアッシュみたいに心が正しくないから、世の中にも悪い人がいるでしょ。弱い人もいるでしょ。弱いことに付け込む人もいるでしょ。だから目に見えない「愛情」は悪用されやすいし、ぶれやすい。目に見えて分かりやすい「資本」のほうが、おおむね正しく運用しやすい。
資本主義が完ぺきではないとはみんな分かっている。BESTじゃない。でもBETTERなんです。「愛」よりも。アッシュもわかってると思うけどね。
もう泣かないアッシュ
読者の涙腺が崩壊する一方で、もう泣かないアッシュ。
やっぱり完成されたという、私の予想は当たっているのでは!?
海流のなかの島々(ヘミングウェイ)とブランカ
私は海外文学には全く明るくありませんのでヘミングウェイが全くぴんとこないので、ググりました。
私と同様にヘミングウェイ?何それ美味しいの?という方、こちらのレビューを読んでいただきたい。素晴らしい。分かりやすい。
第一部、第二部と読んできた読者には、ハドソン (つまり作者ヘミングウェイ) が、心の中に、酒を飲もうが釣りをしようが、女性と恋をしようが、どうしても晴れない深い闇を抱えていて、死への衝動から義勇兵を志願し、作戦行動をしている、ということが否応なく伝わってきます。第三部を最後まで読み終わると、後にヘミングウェイが自殺するにいたった理由のようなものが何となく分かるような気がします。噛んで吐き捨てるようなハードボイルドな文体と男らしさが身上のヘミングウェイですが、本作ではそんな彼のあまりにも繊細で傷つきやすい側面が、随所に表現されていて興味深いです。「老人と海」や「武器よさらば」のような完成度の高い名作というよりも、随所に晩年のヘミングウェイの本音がのぞく問題作です。(引用元:レビュー)
これと、ヘミングウェイのWikipediaを読めばおおむね分かった気になれます。
彼は幼い時、母の変わった性癖によって強制的に女装をさせられており、彼はそのような母の性癖を子供心に疎んじていたという。一方、父は活動的な人物で、ヘミングウェイは父から釣りや狩猟、ボクシングなどの手ほどきを受け、生涯の人格を形成していった。父は後に自殺している。1961年7月2日の早朝、散弾銃による自殺を遂げた。(引用元:Wikipedeia)
これを読んで思ったことはね、ブランカのモデルがヘミングウェイじゃないかってこと。
ハードボイルドで、女・金・時間・自由を持ち、カリブ海での悠々自適な生活を送っているブランカですが、どこかしら闇がのぞく。まさに「海流のなかの島々」=ヘミングウェイの自伝そのものの生活ではないですか?
ブランカは今でさえ全部手に入っているが、最愛の妻は死んでいる。そして殺りく兵器として育った過去。
ブランカがアッシュの敵に回ったのはもしかして、昔の自分に重ねたのかもしれませんね。だから、愛に溺れては痛い目を見る(自分のように抜け殻になってしまう、孤独になってしまう)ということを忠告し、ゴルツィネ側につけと忠告するために来た。
確かに愛を知らなければ孤独にならずに済むからね。
でもアッシュは「にせものに囲まれて生きるよりずっといい」と言ったように本当の愛を選ぶ。頑固だから揺るぎないし。
愛は大きな幸福を与えてくれるけど、大きな不幸も時には与えるんだよね。でもリスクを取らなければリターンは得られないよ、ブランカ。アッシュはリスクもリターンもない平穏、つまり死んだみたいな生より、リスクをはらむけれど生きていきたいんだってさ。
他にも12巻にはね。
低血圧なアッシュ、日本に行ってみたいというアッシュなどなど英二とのやりとりもいいんですよ。
日本に来ない?と英二に言われるのはアッシュがユーシスの呼び出しに応じる前夜。英二を守ると覚悟を決めて、離れることになることも予感しているアッシュは、きっと英二と平和な日本に行くことなんてできないと分かっている。なのに、日本に行けたらって話を英二とするシーンなんてもう……その気持ちを考えると胸が張り裂けそうになる。読者がどれだけそうなったらと願ったことだろうね。