BANANA FISH 感想 18巻 英二とアッシュの別れ
Youtuberに嵌まってる話しましたが、今ブームなのはジュキアです。アラサー女がジュキアwwwwって言わないでね。
私あんまりYouTuber詳しくないんですが、YouTuberの中でもダントツ編集うまいと思うんだけど気のせい?編集イジリのセンス抜群すぎるやろ。テレビっぽい演出なのに、テレビじゃ絶対やらないイジリ方するからツボるわ~。永遠に見れるね~。あと変な一般人に物怖じしないとこもカリスマ性感じるなー。一緒に出てるカメラマンはあんまり好かんけどね~(oi)
カリスマ性といえばヒカルは抜群だと思うけど(アイツはもう教祖だね、令和の真理教でしょ)そのグループのロケマサを妹にお勧めされてみたらめっちゃイケメンなのよこれが!!!動画の面白さはまぁまぁだけど、癒されるわ~!!!かっけー!!
ってな感じでBANANA FISH感想も大詰めになってきたね。ふう。
18巻のストーリー
ブランカ、ユーシスに過去を離し契約を破棄。アッシュに加勢→ゴルツィネとの最終決戦の前に、病院にて英二と最後の別れ→BANANA FISHの書類と引き換えに捕まったマックス達を開放してもらう約束でゴルツィネ(とフォックス)のもとへ行くふりをし、同時にニューズウィークで売春を暴露する。対応に追われるゴルツィネを人質にし、仲間を助けようとするが、フォックスが裏切りゴルツィネを撃つ→アッシュ、フォックスにつかまる。マナーハイムもフォックスにつかまる。→ブランカ、シンとアッシュ逃亡を手助け→フォックス、アッシュを庇ったゴルツィネに撃たれ死亡。ゴルツィネもビルから落ち死亡→シンとユーシス仲直り→ブランカアッシュをカリブに誘うが、アッシュは断る。ブランカ去る。
ユーシスとブランカ
ブランカのこのセリフ。
BANANA FISHの名言の中でも1,2を争う格言でしょうね。
「愛さなければ愛してもらうこともまたできません アッシュは…あいつは少なくとも愛することを知っています」
その通りでしょうね。聖書だって「与えよ、さらば与えられん」って言ってるもんね。英二はアッシュを一人の人として純粋に守ろうとした。その気持ちを本能で感じ取って、アッシュは幸せを感じた。そして英二を愛した。人から何かを受け取りたければ、先に捧げなければならない。リスクなしに、得られるリターンなんてないわけです。まるで資本主義みたいで、私はこの言葉はあまり好きではないけどね。「無償の愛」と対極にある言葉だと思うよ。だってあげなきゃもらえないんだからさ。でも私たちが人である限り、リアルなのはこちらでしょうね。無償の愛を持つのは神のほうだから。
ブランカが言うように、そして、以前ユーシス自身も言ったように(写真のネガとポジ)、ブランカ・ユーシス・アッシュの三人はとても似ている。
ブランカとユーシスは資本主義社会というアッシュの言うニセモノのなかに身を置くことを選んでいる。(選ばされているともいえる)
それって大人になるだとか、酸いも甘いも嚙み分けるだとか、社会に染まるだとかそう言う事だと思うのね。
けどアッシュは、ある意味で社会に染まりたくなかったんだろうなと思う。無償の愛っていうのは社会不適合だよ。何かを得る代わりに何かを失うのはこの世の真理だなあと思う。アッシュは地位も人権も社会的な権利すべてを引きかえにしても本物の愛がほしかった。アッシュは多分人間の本能に近いのかも……でも表面はあんなに理性的だから、そのギャップに私たちは惹かれ続けるんだろうな……。
社会の構造を理解したうえで、それでもそれを選ばないっていうのがただの社会不適合者のアホとはちがうところで、そんな純粋な心がとても尊いんだと思います。
アッシュの涙・英二との別れ
7巻以来のアッシュの涙ありました。でも私の予想は当たっていると思わない?だって英二との今生の別れで、泣かないわけないやん。だからやっぱり7巻で完璧になり泣かなくなったアッシュって考察は当たっていたでいいよね!?
もしかしたら最後になるかもしれない英二との逢引……。でも一目自分を守ってくれたオニイチャンの顔を見て、後ろ髪をひかれないアッシュにはもう……言葉もないなあ。
だってさ、自分は今ゴルツィネにつかまっていないわけだ。仲間を見捨てて、逃げたっていいわけでしょ。英二の顔を見て、そんな風に思わないわけないんだ。このまま逃げて、日本にでも行って、何の不安もない平和な日常をって思わないわけないんだ。だってアッシュはうまれてこの方、自分の利益のために行動したことないんだもん。でもさ、英二というかけがえのない幸せを目の前にしても、仲間を救いに、ゴルツィネと対決しに行くアッシュの気高い精神といったらもう……そんなに自分に厳しくしなくても…と思ってしまう。ヒーローじゃなくていいのに……アッシュだってただの一人の人間なのに……。英二以外誰もアッシュを尊重しなかったくせに……。
シンとユーシスの関係
シンはユーシスを撃ちに行きますが、結局二人は和解します。
私はシンはとても大人だなと思います。
バカが100コつくほどのお人好しとアッシュが言ったように……。
だってユーシスのせいでシンは責任を取ってアッシュと一騎打ち(ほぼ死確定)まで追い詰められたわけですから。しかもユーシスの差し金でラオと喧嘩にもなっている。
「おれ あんたを …どうしても 憎むことができない あんたケガ人だ…アンタの心は血を流してる――今でも…そういうところは――アッシュと同じだ」
それでもシンはユーシスを許すんですね。
例えば怪我をしている人が誰かを傷つけようとして、それは仕方なかったね、君もつらかったよねと言っているわけですよ。
心に余裕がないと人はおかしくなる。他人にやさしくできなくなる。
ユーシスはずっと血を流していた。だからアッシュにつらく当たった。自分は血まみれで、しんどくて、もう死んでしまいたいくらい辛かったから。
私は前にアッシュは自分が血を流していても、それでもなお、他人にやさしいと語った。でもそんなのアッシュくらいなんです。
ユーシスは普通の人間なだけ。
でもだからこそ、シンは、ユーシスを恨んでいいとおもんだ。ユーシスの人間である部分は仕方ないけれど、シンはそれで死にかけたわけだからね。
でも赦した。
ほら、いったでしょ。アッシュの代打はシンしかいないって。
だからさ、自分を気にかけてくれる存在(シン)ができたユーシスの心も、だんだんと癒されて、他人を許せるようになるといいね。
ブランカが最後アッシュに加勢した理由
18巻の最後にはブランカとアッシュの会話があります。
ユーシスはどうしてもアッシュと和解できなかった。ユーシスともアッシュとも似ているブランカが、最後アッシュに加勢した理由が、私には何となくわかります。
それは年齢です。
年齢っていうのは諦めに近いですよね。
どうしようもないってことが経験上分かってくる。人生経験を積み重ねる上で割り切りを学びます。
アッシュが世間をとてもよく理解しているのにそれに刃向かおうとするのはもしかしたら、若さからかもしれないと思います。
ブランカは若く諦めないアッシュを見て、早く年老いてお前も理解しろというのではなく、若い頃の自分の威勢を思い出したのかもしれないね。自分にはもうできないけれど、アッシュならもしかしたら……って。
アッシュのあこがれ
アッシュのこのセリフ。
「これほど自分を恐ろしいと…恥ずかしいと思ったことはない」
私はこのセリフを創造した吉田先生は本当にすごい人だと思う。
これはね、例えば、目の前の人がポイ捨てしていたら、自分もポイ捨てしていいんだ!ってなんの罪悪感もなく思うけど、前の人が落ちたごみを拾って、ゴミ箱に入れていたら、ポイ捨てしたことのある自分の過去すら恥ずかしく思える。そういう誰にでもある経験をアッシュに吐露させているんです。
アッシュにとって英二は、お手本だった。
すさんだ環境じゃない、平和な環境で平穏に過ごしていたらと想像させてくれるお手本だった。
平穏ってのは、経験したことのないアッシュにとって想像すらできない事だった。
でも英二は平穏を体現して、夢を見せたともいえる。
アッシュから見た英二はとてもキラキラしていて、同時にとても焦燥感を煽られる存在なんだろうな。
私たちがあこがれる誰かを、何かを見た時、感動すると同時に、どこか早くそれを掴まなければ、失ってしまうかもしれない…と焦るのと同じように。