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真鶴日記#14 ~職住近接と中心~

5月14日。今日はとびきり天気が良い。こんな日は、無駄に外に出て散歩したくなる。

1階がお店で、2階が住居の建物が好きだ。下で商いをし、上で私生活を送る。上の階から生活感の溢れる声が聞こえてきたりすると、和やかな気持ちになる。

真鶴町には、「中心」がない。大抵、電車の駅を中心にして、そこから同心円状に住居や繁華街が広がるけれど、真鶴は少し違う。駅を降りると、「さぁ、どうぞお好きな場所へご自由にお行きください」と言わんばかりの雰囲気が漂っている。

地元の人や観光客向けに開放されている集会施設〈コミュニティ真鶴〉という場所の中庭には、真ん中に、女の子の銅像がぽつねんと立っている。一昨年、真鶴で石の彫刻祭が行われた時に設置されたらしいのだが、これがどうも地元住民からも観光客からも、なぜその場所に置かれたのか「?」だという。もうどこへも行くことができない女の子が、気の毒でならない。

幹という中心はあるけれど、木はいろんな方向に、自由に枝を伸ばしている。

おわり

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