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#24 究極のプレーン:ヒットプロダクトとオタクの美学

やっぱり、プレーンが一番だよね。
食パン、 Tシャツ、そして、カーペンターズ。

・・・それって、いつの時代だよっ?!

しかし、これらには時代を超えた普遍的な価値があります。それは、飾らないシンプルさ="プレーン"の魅力です。ヒットプロダクトの真髄は、この"プレーン"にあります。そして、近年ヒットプロダクトが減少している原因もまた、この"プレーン"の追求が失われていることに起因しているのかもしれません。

プレーンの魅力とは何か?

プレーンとは、シンプルさの中に本質が凝縮された状態を指します。たとえば、真っ白な食パンはどんな具材にも合い、そのままでも小麦本来の味を楽しめます。白いTシャツはどんな服装にも合わせやすく、純粋な素材感が際立ちます。そしてカーペンターズの音楽は、派手な演出がなくとも心に響くメロディと歌声が特徴です。これらに共通するのは、"本質"を徹底的に追求し、余計な装飾を排したことです。
つまり、プレーンが美味しいものが一番美味しく、プレーンが美しいものが一番美しいのです。そして、プレーンなプロダクトは、実は徹底的に掘り下げた"オタク的"な作業の産物です。本質を追求する過程で、単純な見た目以上に深い価値が生まれるのです。

ヒットプロダクトが生まれなくなる理由

近年、ヒットプロダクトが減少している理由は何でしょうか?その一因は、プレーンに対する理解と追求が失われていることにあります。一度成功を収めると、多くの企業やクリエイターは"二匹目のドジョウ"を狙いがちです。しかし、これは大きな落とし穴です。
たとえば、二番煎じの商品は、どうしても"小手先"の工夫に頼りがちです。本質を追求せず、表面的な改良やデコレーションで新しさを装います。しかし、そのようなデコレーションは、いずれ本質の薄さを隠しきれなくなります。バレないように上塗りを重ねるうちに、どれが本当の姿なのかわからなくなり、結果として迷走し、スランプに陥るのです。
このように、過去の成功体験は往々にして足枷になります。一度成功すると無意識のうちに格好をつけたり、努力を怠ったりする傾向が強まります。しかし、それがプレーンなプロダクトの魅力を損なう最大の原因です。

常にゼロからイチを生む姿勢

では、どうすればヒットプロダクトを生み出し続けることができるのでしょうか?その答えは、常に"ゼロからイチ"を生み出す姿勢にあります。スクラップアンドビルドを繰り返し、過去の成功に囚われず、新しい挑戦を続けることが重要です。
成功を重ねるほど、"何がプレーンなのか"を見失いやすくなります。だからこそ、常に自分自身に問いかける必要があります。

  • どこかでサボっていないか?

  • どこかで格好をつけていないか?

  • 素材そのもの、すっぴんの状態を見直しているか?

このように、本質を見極める問いかけを続けることで、プレーンなプロダクトを生み出し続けることが可能になります。

徹底的にオタクになる

究極のプレーンを追求するためには、"オタク的"な姿勢が必要です。オタクとは、本質を徹底的に掘り下げ、こだわり抜く人々のことです。彼らは決して手を抜かず、細部にまで注意を払い続けます。この徹底的な姿勢こそが、プレーンなプロダクトをロングヒットへと導きます。
たとえば、Appleの初代iPhoneはその代表例です。シンプルなデザインと操作性の裏には、ジョブズの執念ともいえる本質追求がありました。同様に、スタジオジブリの作品も派手なCGを使わず、手描きのアニメーションで温かみと深みを表現しています。これらの成功は、徹底的なこだわりと、決してサボらない姿勢によるものです。

究極のプレーンがロングヒットを生む

プレーンなプロダクトは、一見地味に見えるかもしれません。しかし、そのシンプルさの中には、計り知れない魅力が詰まっています。余計なものを削ぎ落とし、本質だけを残す。この姿勢が、ロングヒットを生む最大の秘訣です。
時代が移り変わっても、食パンやTシャツ、カーペンターズのような"プレーン"なものが愛され続けるのは、この本質の追求があるからです。だからこそ、私たちが新しいプロダクトを生み出す際には、徹底的に本質を掘り下げ、究極のプレーンを目指すことが重要です。
結局のところ、プレーンが一番美しい。これこそが、ヒットプロダクトの不変の秘訣なのです。

そして、この考え方はプロダクトに限らず、私たち自身の人間性にも当てはまります。表面的な見栄やデコレーションを取り払い、自分の本質やすっぴんの人間性を磨くことが、より深い魅力を生み出します。他者に響く魅力は、本質的な人間性から生まれるのです。結局のところ、すっぴん=プレーンの人間性が素晴らしい人は愛され、プレーンのヒットプロダクトも生み出せるということかもしれません。

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