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フェルメールと17世紀オランダ絵画展 大阪市立美術館
大阪市立美術館で開催中の「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」に行ってきた。目玉はフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」だ。世界にたった35しか存在しないと言われるフェルメールの作品が1つでもやってくれば、それは見に行く価値があるというものだ。しかも、「世界初公開」とくる。
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大阪市立美術館
美術館へは神戸からJRと地下鉄御堂筋線を使う。天王寺駅からは徒歩ですぐ。建物はクラシックな造りで結構な歴史がありそうだ。周囲には天王寺動物園や芝生広場のてんしばなどがある。また駅前には日本一の高さのビル、あべのハルカスがあって、一日ゆっくりと過ごせそうな所にある。ただ大阪市立美術館には4回位しか来たことがない。多くの展覧会は東京の次は京都にやってくることの方が多いからだと思う。
17世紀のオランダ絵画
ドイツのドレスデン国立古典絵画館に所蔵されている17世紀のオランダ絵画というと、かなり限られた地域と時代の作品となる。それが「人物画」「宗教画」「風景画」などというように分けて展示されているので、その当時の特徴、傾向が掴みやすい。同時代のレンブラントやヤン・ステーンも周囲の作品と馴染んでいる。今回初公開とされているフェルメールの作品が当初レンブラント作とされていたのも頷ける。
修復の経緯を楽しむ
世界初公開と謳っているフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」であるが、これは修復後、地元ドイツでの公開後、海外に貸し出されるのが日本が初めてだということのようだ。
修復と言えば、「積年の汚れを拭い、当初の鮮やかな色彩が蘇った」というようなものが多い印象がある。しかし、この作品はそれだけにとどまらない。修復前には絵の具で上塗りされていたキューピッドの絵が修復によって現れたのだ。これには作品の解釈にまで影響が及ぶという。つまり、女が読んでいる手紙が恋文(キューピッドだけに)と解釈されることで作品のテーマが以前とは異なってくるというわけだ。
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この展覧会ではその修復過程をビデオ映像などを交えて興味深く解説してくれる。また修復前の模写作品を展示することによって修復前後の比較ができるように工夫されている。見に来た人たちは皆この過程を何度か目にし、心の準備ができた状態で、一番最後に展示されている「窓辺で手紙を読む女」にたどり着き、クライマックスを迎えるのである。