サンチャゴへの道 巡礼35日目 フィニステレへ④【2023年夏】
こんにちは、ArcangeLogの「サンチャゴへの道」へようこそ。今日は地の果てと言われるフィニステレ岬を楽しみにしています。
本日の行程 セー → フィニステレ岬
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今日の天気(予報) フィニステレ 晴
最低気温21℃ /最高気温26℃。
今日も歩くのは20キロ弱なので、ゆっくりと出発することにする。昨日買ったクロワッサン、ジュース、桃、ヨーグルトの朝食を取る。7時頃に出発しようと宿の玄関ドアを開けようとするが、開かない。鍵がかかっている。どうしたものかと思っていると、ドイツ人の青年が鍵を渡してくれた。
彼は昨日アルベルゲが開くまでしばらく話をした青年だ。カミ−ノが長年の夢だったと言うと、「それが今実現しているんですね、鳥肌がたちました。」と言っていた、感受性の高そうな、でも入墨だらけの若者だ。
隣の町、コルクビオンからエストルデまでは半島のつけ根を横切る内陸部の道。しばし海から離れる。その後は海岸線に沿って少し内陸部を通る形だ。海は見えたり隠れたり。フィニステレに近づくと距離の長い海水浴場が広がる。海沿いにバールや宿泊施設があり、リゾート地の様相だ。
急ぐ必要もないので、途中で一度トイレ休憩を兼ねてバールに立ち寄る。きれいなホテルのバールが朝からやっていてカフェ・コン・レッチェとドーナツを頼む。トイレを済ませて再び歩きだす。
10時過ぎに海岸から少し上がってフィニステレの町に入る。予約したアルベルゲは12時にオ−プンのため、じっと待っていても仕方がない。先にフィニステレ岬まで行くことにする。フィニステレ岬が今日の最終目的地なのだ。町から岬まではおよそ3キロ。荷物を置いて出直すより荷物を持ったままゴールする方が何となく達成感があるような気がしてくる。実際、同じように荷物を持って岬を目指す巡礼も多い。
0.00キロメ−トルの道標(モホン)を見つけた時にはサンチャゴ到達とはまた違った感慨を持った。地の果て、西端、地球の終わり。長い間歩き続けてきたら、もう海の向こうには何もないように思えるのも無理はない。どこかで一緒のアルベルゲに泊まった長髪の男性に声をかけ、写真を撮ってもらった。
かつて巡礼が靴や服を燃やしたとされる灯台の先の岸壁を下りてみる。波が打ち寄せ、泡が立っている。降りられるところまで降りて引き返す。最果てまでやって来たという実感を得る。辺りを一周りして景色を堪能した。
岬から来た道を戻る。太陽が正面にある。この1ヶ月間、歩く時には常に太陽は後ろにあった。東に向かって歩くのは初めてだと実感する。
ちょうど正午頃にアルベルゲに到着。なぜか向いのアイスクリーム屋さんにいるアルベルゲの人に予約の旨を伝えて案内してもらう。先にシャワー、洗濯をして1時にチェックイン手続き。すると、入墨ドイツ人青年と、0キロモホンの記念写真を頼んだ長髪巡礼のふたりが同じ宿だった。
その後はすぐ近くの観光案内所へ行き、フィニステレまで歩いた証書(フィニステラーナ)をもらう。次いで買い物。明日はムシアまで30キロ。途中にあまり店などがないようなので水と食料の用意をする。お昼はハンバ−ガ−と生ビール。夜はもう一度岬へ行って日の沈むのを見ようと思っていたが、音楽を流す人がいたり、人が多かったりで、落ち着かないらしい。宿の人が日没を見るのに良いというビ−チを勧めてくれた。
6時に町の端にある教会で巡礼者のミサがあったのででかけた。参加者は6人。司祭が時々スペイン語と分かりにくい英語で参加者に質問したり、ミサの解説をして進めていく。ミサ後には巡礼者の祝福があった。
8時を過ぎて夕食に出る。今日は昼夜バーガーだ。クラフトビールがあったので頼んでみる。ブロンドエールと書いてあった。普通に美味しい。日本に帰ったら、クラフトビールをまた飲んでみよう。当初心配していた痛風の発作は今のところ大丈夫。思うに、体を動かしていることと、水を沢山飲んでいる事がいいように思う。これだけ毎日のように飲んでいて何もないのはそれしか考えられない。
食後には夕陽が沈むのを見に行った。あんなに長い時間太陽を見つめたことは今まであっただろうか。波の音を聞きながらのこころ豊かな時間だった。
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