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柳生街道を行く 近鉄奈良〜柳生の里

あをによし奈良

先月は山の辺の道を円照寺からおよそ23キロをひとりで歩いた。今月は柳生街道20キロ弱を家内と二人で歩く。30年くらい前に二人で歩いた時は神戸から日帰りで滝坂の道と剣豪の道とを2度に分けて歩いた。今回は「いまなら2022プラス」で奈良市内に宿泊し、朝9時から近鉄奈良駅をスタートして一気に柳生の里を目指す。

ホテルをチェックアウトして近鉄奈良駅へ。駅のロッカーに前日に買った土産など不要な荷物を預け、駅前のコンビニでお昼ご飯のお握りを調達。ちょうど9時に出発する。少し左膝に違和感を感じたが、大丈夫と自分に言い聞かせる。

滝坂の道

奈良には観光客も戻って来つつあり、この日は平日にもかかわらず、朝から観光客もそこここに。紅葉の季節だけに奈良公園などに向かうのだろう。

市街地から始まるのは滝坂の道と呼ばれる前半部分。忍辱山(にんにくせん)円成寺までおよそ12キロの道のりだ。まずは春日大社へと進んだあと、新薬師寺方面へと向かう。新薬師寺を過ぎた辺りの住宅地から山道へと入って行く。

春日大社付近には鹿が多く、赤信号でも悠々と道路を横断している
山道に入る手前のお宅にあった手作りグッズの露店販売

山道に入ると、かなりの部分が石畳だ。石畳のない部分は数日前に雨が降ったため、地面は柔らかく、その上に枯葉が敷き詰められていて、ふんわりとして歩きやすい。途中アスファルトの道もあり、歩くのには結構楽だ。

山の中には所々石仏が現れる。「〇〇仏」との表示があり、足を止めてはそれに見入って短い休憩をとる。川のせせらぎにも癒される。所々に道標はあるけれど、迷わないように紙のウォーキングマップとYAMAPでダウンロードした地図を利用した。2度ほど道をそれてしまったが、YAMAPの地図上のGPS表示で気がついてことなきを得た。また要所要所にトイレもあるので、便利だ

落ち葉で埋もれたふかふかの地面^
山道には岩に彫られた仏像が
せせらぎの音にも癒される
道ぞいに現れる石仏やお地蔵さん

円成寺

お昼を少し過ぎた頃に滝坂の道の終点、忍辱山円成寺に到着した。お寺の周囲には真っ赤に燃えるような紅葉も美しく、休憩を兼ねて参拝した。数多くの国宝や重文を誇る歴史のあるお寺で、運慶第一作の大日如来坐像(国宝)も見ることができた。奈良市街地からは離れているが、訪れる価値ありだ。

円成寺付近で
円成寺の鎮守社殿 春日堂・白山堂(国宝)
池をはさんで本堂方面を望む 背後の本堂は改修中

剣豪の道

円成寺から柳生の里までのおよそ9キロが剣豪の道と呼ばれている。距離は前半より少し短くなるが、柳生の里の直前に山越えがあるため、少しきつい。円成寺周辺の集落から山道へと入る。そして山道を抜け、人里に出て来ると途中には夜支布(やぎう)山口神社、水木古墳という小規模の古墳、南明寺などがある。

夜支布山口神社
南明寺 なぜか立ち入り禁止だった
最後の難関 この先の急坂は登山感覚

そして最後の難関だ。地図で柳生の里は山の反対側にあるなぁと漠然と見ていたが、果たして田園風景の広がる平地から道標は山の方向へと誘う。かなりの急坂を登る。とは言え、前半の道は整備されているため、歩きやすい。1キロの山越えは1時間かかるかと思い、予定していた帰りバスを諦めかけたが、ピークまで15分、下りも15分、結局なんとか30分で超えることができた。

最後の山越えのピークを過ぎたところにある道標に安心する

おりてきた柳生の里側には疱瘡地蔵がある。柳生八坂神社を通り旧家老屋敷を過ぎるとゴールの柳生バス停。朝9時に出発し、午後3時半前に到着。時間にして6時間半、およそ20キロの道のりだった。奈良市街に戻るバスは午後3時43分発で、これを逃すと2時間後の最終便となる。なんとか目標のバスに間に合い、ほっとする。バスには我々2人を含め、年配のハイカーばかり十数人ほどが乗り込んだ。6時間半かけて歩いた道をバスはわずか1時間弱でスタート地点の近鉄奈良駅に到着した。

疱瘡地蔵
柳生八坂神社
旧家老屋敷分家の方、公開はしていない

柳生街道は更にこの柳生からJR笠置まで伸びている。この距離約11キロ。流石にここまで歩くにはもっと時間がかかりそうだ。またの機会に挑戦したい。

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