公現節 プレゼビオを仕舞う
昨日1月7日(日)は公現節の日曜日だった。クリスマスに生まれたキリストが公に姿を現した日を祈念する。東方から3人の博士が星に導かれ、「ユダヤの指導者となる方」の誕生を祝いにベツレヘムまでやって来る。「3人の博士」とか「賢者」「マギ」とかに訳されるが、占星術、天文学の専門家のようだ。この3人が黄金、乳香、没薬を捧げ、キリストの誕生を祝ったとされる。1月6日はエピファニーと呼ばれ、スペインなどでは子供がクリスマスのプレゼントをもらえる日となっている。
クリスマスの飾り付けは年が明けても、この日までは残しておく。言い換えれば、公現節が終われば飾り付けを仕舞う。というわけで、待降節から約1ヶ月程飾っていたプレゼビを今日片付けた。リヤドロ社製の磁器なので割れたり、欠けたりしないよう気をつかう。全部で8体をひとつひとつ箱にいれる。それぞれ大きさが違うので仕舞う箱も決まっている。箱には写真のシールが貼ってあり、それとわかるので助かる。箱の中にはデリケートな磁器を保護してくれる小さな発泡スチロールが詰まっている。箱の中に仕舞えば雛人形や兜と同じく(とは言っても、持っていないが)1年間出番は無しだ。
この公現節はクリスマスから数えて12日目。シェークスピアの「十二夜(Twelfth Night)」はその物語とは直接の関係はないものの、この公現節のことを指す。また、オー・ヘンリーの有名な「賢者の贈り物(The Gift of the Magi)」はこの3人の博士(Magi)がキリストの誕生に際して贈り物をしたとの新約聖書の話を下敷きにしたハートウォーミングな物語だ。
日本人にはあまり馴染みがないが、3人の博士にはそれぞれ名前があり、カスパール、バルタサール、メルキオールという。聖書に描かれているわけではないので、後世の長い歴史の中で徐々に形成されてきたキャラクターだ。そういったキリストの公現にまつわる物語が豊かにふくらんで、クリスマスの期間を彩っているのはとても興味深い。