見出し画像

山の辺の道を歩く 円照寺〜石上神社〜JR三輪

いまなら2022プラス

全国的な旅行支援が10月中旬に始まるが、奈良県は既に独自の旅行支援「いまなら2022プラス」を行なっている。これを利用して1泊し、山辺の道を歩いてきた。宿泊料50%(5000円上限)の補助を受けられる上に地域クーポン3000円がもらえる。

北コースと南コース

将来のサンチャゴ巡礼のトレーニングとして登山と街歩きを始めたが、サンチャゴでは1日20キロ歩く必要がある。山の辺の道は南コース(JR天理〜JR三輪)が有名で、そちらを歩く人が大多数だが、距離は約13キロ。物足りないので、北コース(円照寺バス停〜天理)約10キロも歩くことにした。

JR奈良〜円照寺バス停

JR奈良駅近くのダイワロネットホテルに宿泊。「いまなら」のおかげで、朝食付きコンフォートツイン5700円。ビジネスホテルなのに地下から汲み上げた温泉つき。朝7時半に朝食、その後チェックアウトをして8時15分頃のJR奈良発のバスに余裕で間に合う。

JR奈良駅は再開発でバスターミナルも整備されわかりやすい 交通系ICカード利用可

JR奈良駅から目的地の円照寺まで30分少しかかった。JR奈良から最寄駅へと移動し円照寺バス停まで歩くことも可能だが、徒歩で30分かかるので、バスの方が便利だと思う。

30分に1本程度 バス停はあるものの円照寺は拝観できないお寺だ

北コース(円照寺バス停〜天理)

円照寺バス停から天理まで、まずは10キロ踏破を目指す。北コースは人通りも少なく、長閑な道もあれば、狭い道路を車が行き交うところを恐る恐る歩く道もある。

円照寺自体は非公開のため、次のランドマークは40分ほど歩いた弘仁寺。鬱蒼とした森の中といっていいような所にある。かなり古い建物のように見える。他に人も見当たらず、参拝して外に出て、白川ダムを目指す。天理大学のグランドを過ぎて山の辺の道の標識を辿ると大きな貯水ダムが見えた。魚釣りの人たちが周囲を囲んでいる。

白川ダム 空に雨雲、少しポツポツとしてきた

白川ダムを過ぎると少しわかりにくい道となる。ウワナリ古墳と石上大塚古墳の間の道を通る。昼間ながら薄暗い道はすれ違う人もおらず、少し心許ない。林の中を歩いていると「古墳 すぐそこ」の標識が目に入る。道から外れ30mほど登れば古墳らしい。前日の雨のため足元が悪いけれど、こんもりとした林に分け入って登ってみた。古墳は遠目で形がわかるもので、登ったからとて「これが古墳か…」というわけにはいかないようだ。結局、下って元の道に戻ろうとする。

古墳で道に迷う

ところが、元の道に戻れない。ほんの数分前のことなのに方向わからず、唖然とする。元の方向だと思う方へ歩を進めるが、どうにもならない。仕方がなく、明るい方向へ道なき道を進んでいくと、建物と車が見えた。「助かった!」と思い先に進むとフェンスがあって、なんとか乗り越える。敷地内には人の気配は全くなく、敷地の外に大きな道路が通っている。道路につながる所には鉄の門扉があるが鍵が閉まっている。これは門の脇から外に出た。一体何の施設だろうと思って表示をみると「天理市聖苑」とあった。天理市の火葬場だ。古墳で道に迷い、火葬場に出てくるとは何だか気が滅入った。

道に迷ったため、本来の山の辺の道をはずれ、スマホの地図を頼りに石上神社に向かう。途中、天理教の本部教会に立ち寄る。とても大きな施設で一周するだけでもちょっとした運動になりそうだ。堂内では信者の皆さんが祈りをしており、神官らしき人たちも結構な人数がいた。

広大な敷地にある天理教の教会 人の姿で教会の大きさがわかる

地域クーポン3000円の使い道

お昼ご飯には少し早かったが、ここ天理でランチにする。実は前日に地域クーポンが使えるレストランに電話予約しようとしたが、既に予約一杯でダメだった。そこで天理でクーポンが使えるお店でランチをすることにした。石上神社のそばの「La Reve」というレストランだ。このお店は土曜日は予約制ではなく、到着順に案内するお店なので、11時半到着であれば余裕で入れる。ただ人気のお店らしく、12時過ぎた頃には満席だった。4200円のメインが魚と肉のランチコースを頼み、クーポンを使ったので1200円の支払いで済んだ。

和風の店構え これは門でお店はこの奥
アペリティフ、アミューズに続いての五種の前菜
スープ、メインの魚に続いてメインのお肉 この後はデザートとお茶

南コース(天理〜JR三輪駅)

1時間でランチを終え、お店のすぐの石上神社に参拝。ここから後半の南コースが始まる。昼過ぎの時間帯のせいか北コースと違い人の数が断然多く、団体も多い。

古墳群の脇、柿やみかん畑の横を通り、道中には寺社も多い。人里の中では柿や芋、手作りのクラフトなどの無人販売があって、何が売っているのか覗くのも楽しい。また、遠く美しい稜線が見え、目に飽きることのない道だけに人気もあるのだろう。

トレイルセンター

南コースには要所にトイレが完備している上に、中間地点に天理市の「トレイルセンター」という施設がある。休憩所、食堂喫茶、情報提供を行う複合施設だ。音楽に誘われて入ってみると、センターの前で生演奏が行われていて、皆飲んだり、食べたりしながら音楽に聞き入っている。ここでビールを飲みながらしばし休憩した。

トレイルセンターの前で生演奏に聞き入るハイカーたち

JR三輪駅

JR三輪駅 駅舎内にトイレを探したが駅の外の左手に新しく綺麗なトイレがあった

当初JR三輪駅を過ぎ、JR桜井駅まで歩こうとしていたが、思いの他時間がかかり、20キロを過ぎて疲れてきたこともあって、J R 三輪駅をゴールとした。最後のランドマーク大神神社から参道を通って数分で駅に到着する。

家人に奈良のお土産を買っていなかったので、駅でと思っていたが、なんと無人駅(交通系ICカードは利用可)、JR桜井駅で近鉄に乗り換えだったが、駅舎のコンビニではお土産らしきものが見当たらなかった。というわけで、お土産もなく手ぶらの帰宅であった。

いいなと思ったら応援しよう!