見出し画像

【論文】大学生の就活負担軽減と企業の採用活動支援を可能とする大学授業モデルの考案とその評価


はじめに

本記事は以下のような人にお勧めの記事です.


・タイトルに関する論文を楽して読みたい人
➡(論文本編だけでなく論文要旨が本記事の末尾に添付されてあります)
・就職活動の負担が減れば良いなと考えている大学生
・優秀な大学生を効率よく発見できる方法を探している大企業の
 採用担当部の職員の方々
・大学生からの企業認知度を向上させ,入社志願者数を増加させたいと
 考える中小企業の採用担当部の職員の方々
・就活,情報工学,空港,競馬,メーカーに関する情報を知りたい人
・産学連携を推奨する全国の大学や企業の方々
・読みごたえのある記事を書かれている方々を多数知りたい人






1.長期化・早期化する採用界隈に疲弊する大学生は多い?


まず昨今の大学生の就職活動に関する問題点とは何でしょうか?

ずっと昔に就活を経験された人,現在就活中の25卒・26卒の方,
まだ就活に関して何も意識していない大学1~2年生など,
各々にとって問題と考える内容は様々異なると思います.
そして昨今の大学生が抱える就職活動に対する私なりの回答についてですが長期化・早期化する就活活動の対策負荷が年々大きくなるあまり…

➀日々の遊びの時間を削減せざるをえない文系学生が増えていること.
➁就活と研究と授業の3刀流の実現に苦労する理系学生が増えていること.

このような➀➁に該当する学生が現れてしまうことが問題点だと捉えています.これは昔からあった問題なのでしょうか?答えは違うと思います.

例えば①についてですが,ひと昔前の文系学生が就活を成功させるには,
飲み会を謳歌する,地方への旅行,フェスへの参加,超多忙の掛け持ちバイト…を行うことで,コミュ力や主体性といった素質を日常生活の中で自然と鍛えていくことが必要だったと思います(就職氷河期の就活事情のことは一旦おいておきます).

そして➁についても同様に,以前までは真面目に研究活動に励んだり,
優秀な学業成績を修めるだけで,皆が憧れるようなメーカーに就職したり,
研究開発職のポストに就くことができていた時代があったと思います.

ところが昨今では文系であれ理系であれ,ポテンシャル採用試験を突破するのに求められる学生の実力や資質のレベルが年々向上していることもあり,中々思うような企業への就活が上手くいかずに苦戦している人は珍しくありません.

従って文系であれ理系であれ,普通の学生生活を過ごしているだけでは,
納得のいく企業への就職活動が難しいので,人によっては面接時にボロが出ない程度にガクチカを捏造したりしている人も珍しくないと思います.

そして昨今そのような就活難民がいることを危惧してか,学生の就職支援を行う組織団体が増えたり,就活に関する情報発信の機会も増えている気がします.例えば,社会人経験ゼロの大学生の社会における仕事に対する理解をより鮮明にさせるような記事,会社に入社してから役に立つような知識技術を伝授するような情報が,以下のような感じで公開されています.



https://www.anahd.co.jp/group/ari/human/
※    客室乗務員,整備士,貨物スタッフ等,航空産業に携わる職員の事業概 
  要を大学授業にて説明したり,ANAグループ各事業所での実務経験を大  
  学生に提供するするなどして,空のお仕事に関する学習の場を設けて
  いるのが,昨今のANAの大学教育に対するスタンスだそうです.そして 
  なんとANAグループのキャリア教育を受けている大学は2024年時点で
  約70校近くもあります!

https://magazine.cygames.co.jp/archives/tag/research-diary
※    サイゲームスの基礎技術研究部門であるCygames Researchによる研究
  開発ノウハウが,このように日誌形式で公開されています.情報工学専
  攻である理系院生,デジタルクリエイテイブ職を志す理工学部生,設計
  開発職や企画職に携わりたいと考える人は,本記事が参考になると思い  
  ます.

https://www.softbank.jp/corp/sustainability/esg/social/local-communities/
※    「ソフトバンク社会貢献プログラム産学連携プロジェクト」というソフ
  トバンク社が考案した企画資料.ICTを利用した地域課題の解決策の考
  案や地域創成を可能とする新技術の開発を,全国様々な大学生と連携し
  てソフトバンク社は取り組んでいるそうです.

https://global.honda/jp/philanthropy/event/f-sae/meister/index.html
※    将来的に自動車産業分野で働きたい学生のエンジニア力を向上させる為
  に,机上では学べない実務経験に裏打ちされた有益な経験,知識,知恵
  を提供して下さるのが,本田技研工業株式会社のマイスタークラブとい
  う組織団体の方々です.


さて,昨今の大学生は就活対策で忙しいというお話の続きです.多忙化する就職活動に対して上手く乗りきれるようなガクチカを作ろうと頑張るあまり部活動やサークルに精を出しすぎて体調を崩される人もいたり,無理なスケジュールでインターン勤務と大学授業を両立させようとして気疲れしてしまう人が珍しくなくなっているのも,昨今の大学生が抱える問題点じゃないのかなと思います.

実際に私も当時,ストレス許容量を越えて部活動に励んだあまり,勝手に涙が溢れてくるくらいには自分を追い込んでしまったことがあります.当時は就活のネタ作りの為に,そして周囲に迷惑をかけるとマズイという意識で,何とか最後まで自分の責務を全うしましたが…今となっては部活動に励んで良かったと思っています.

従って就活に対する学生側の負担軽減策と,学生が志望する企業に効率よく内定を決めることができる策,この2策が同時に叶えられる方法があったら,大学生はひと昔前のように楽しく学生生活をエンジョイできる余裕が生まれるようになるんじゃないかなと思います.そしてそのような策について検討されたような企画文書があったら面白いんじゃないかな?と思いました


https://note.com/zoeyoshi/n/n81cbb95d6644
※    実際に私と似たようなことを考えておられるような方がいましたので
  ご紹介します.



2.多様な優秀人材の獲得は大企業にとって永遠の課題?


今度は昨今の大企業の採用問題について触れてみましょう.日々複雑化・高度化する業務内容に対応できる可能性のある人材を雇う為に,企業によっては相当なレベルの実力を大学生に求めてくる場合も昨今では珍しくありません(とはいえ実際には,何年も勤務経験がある企業職員と大学生の実務遂行能力には雲泥の差が存在するものだと思います)


業務遂行能力に自信がある就活生であっても,インターンシップの機会にて,
社会人が難しい仕事を淡々とこなされているのを見ると,
自分なんてまだまだだなあと思って,落ち込んだことのある人は大勢いるんじゃないでしょうか?

(滅鬼の刃-無限列車編の漫画から引用)


といっても大企業にESを提出してくるような学生のレベルは昨今目覚ましいものがあると思います.特にゲーム制作会社やWeb系企業,採用倍率が鬼高い超人気企業といったところでは「この子本当にアグレッシブだな!?」と思わせるようなESやポートフォリオを書いてくる学生が多いと思いますし,一方で採用側としても,学生時代に事業概要に類した経験をしてきてほしいと思っている場合もあります.

参考までに昨今の大学生ってこんなガチな頑張りをしているんだよ!という事例を紹介させて頂きます(一部関係ない情報が混ざっていたらごめんなさい).



https://note.com/53kcal4/n/n8a6a9f016726
※    ゲーム会社に就職する為に学部1年~4年生にかけて,個人開発,チーム
  開発,大会参戦,展示会参加といったような様々な取り組みをアグレッ
  シブにされた学生さんの事例が紹介されています.こんな風に主体性と 
  情熱をもって様々な実績を学生時代から築いていけたら素晴らしいだろ
  うなと思います.

https://note.com/rinron/m/m121c90b48f9f
※    新卒就活時には様々な業界への就職を検討することができますが,とり
  わけゲーム業界の就職難易度は高いんだなあということが分かる情報記
  事です.ゲームソフト制作職員の方の目線で,ゲーム業界で働くことの
  壁は高いということが力説されています.

https://note.com/h_theta/n/nf58109f75d12
※    F1カーの設計製作に携わる為,大学低学年時から自動車工学に関して,
  高い志を立てて勉強されていた方の記事です.最終的な事の結末がどう
  であれ,己の全てをかけて自分の夢の実現の為に努力された姿勢には
  敬意を表します.

https://note.com/kake_katyo0721/n/n94d9ecb05bc9
※    とある学生さんの就活経験記の記事です.この記事を読む限り,就活に
  対して本気で取り組んでいるのか,ネタ的な視点も交えて取り組んで
  いるのか分かりません.しかしこの記事で紹介されている学生さんは,
  入社志願者1万人の中でも群を抜いて印象に残るようなことをされて
  いるなと感じました.私がこれまで読んできた他者のNoteの記事の中で 
  ズバ抜けて面白い記事だなと思います.

https://note.com/sakimaru_496/n/n219ae478c756
※    こういった活動をされる学生が日本の未来を引っ張っていくんだろうな
  と,そんな風に思わされた記事です.


さて,このように優秀な大学生が殺到する大企業であれば,採用に一切困るようなことは無いのでしょうか?答えはNoだと思います.

少子高齢化の影響で学生数が減少していたり,人手不足問題が深刻化している状況であっても,入社後数年のうちに先輩についていけないと思わせるような学生を採用するくらいならば,規定の採用人数を割ったほうがマシと認識される企業もあります.当然ながら誰でも入社できるような大企業なんて存在しませんので,このようなスタンスはある意味必要なのかもしれません.

従って大学生は企業採用者から求められるポテンシャルが年々高まっていることを自覚しながらも,特定の企業に入社して果たしたい夢を実現する為に数々の入社課題を突破しなければなりません.これは大学受験までの自分の頑張りに報いる為に大手を目指す人,または大手ばかりに同級生が入社する現実に耐え切れずに自分も大手も目指さないといけないという重圧を抱えている人にとっては,猶更プレッシャーが働くのでキツイだろうなと思います

一方で志望動機が何であれ,就職戦争の環境にて大企業に勤める為に心身がボロボロになるまで努力されたその姿勢には尊敬の念を覚えます.世の就活生は何も困っていないかのような平然とした態度を取ってはいますが,大量の不採用通知がきても決して最後まであきらめず,自分の納得がいくまで就職活動をやりきったと言えるようになるには,相当の苦悩や努力があると思いますし・・・



命がけなんて大層な…と思うかもしれませんが,B4~M2であれば,日中は研究をやって,
夕方はバイトをやって,深夜に寝る時間を削ってESを書いたりと,
休む暇なく様々なことをしないといけませんし,大変だと思います.
(ジョジョの52巻から引用)


そんな就活を頑張る人たちに対して参考となるかもしれない記事をいくつかご紹介させて頂きます.


https://note.com/ohoh_utsuke/n/n96576aca578e
※    新卒入社時には大企業に行くべき?それとも中小企業にいくべき?とい 
  ったような,毎年行われるような論争に対してユニークな見解を述べら
  れている方がいましたのでご紹介します.

https://note.com/choconejito/n/n04a530f7348f
※    大企業志望者でコンサル系企業に勤務したいと思っていた人なら,
  この記事にはクスっとくるものがあると思います.

https://note.com/mimoza_ameblo/n/nff7c6adc1164
※    就活面接時の嘘の使い方に対して独自の見解が述べられている記事.
  面白くて最後まで読み切ってしまいました.

https://note.com/yowakimono/n/naf693f24ae8e
※    その通り.就活の結果が何であれ,人生が成功するか失敗するかまでは 
  誰にも分からないという話.

https://note.com/omuraisu_tech/n/n11661f6602a8
※    IT系の大企業の選考に落ちた人にとってはメンタルが回復する記事が載  
  っているかもしれません.また26卒の方向けのIT企業に対する就活ノウ 
  ハウが記載されています.


このように昨今の大企業志望者はいろいろと頑張っているんだな・・・大変なんだなということが分かる情報はSNS上で様々確認することができます.
一方で企業側としては,優秀な大学生を効率よく発見できるような方法を
模索しているのではないかなと思いました.志願者があまりにも多すぎるので,一人一人の志願者の人物像や能力に関して分析していくのは骨が折れそうだなと思います.



3.中小企業への入社志願者を増加させることは全国的な課題?


次に中小企業に対する有効求人倍率が大企業と比較して低い要因を考えてみましょう.中小企業に対する有効求人倍率が低い要因の一つとしては,大学生からの企業認知度の低さが挙げられると思います.

ならば世間から認知されにくい程度には社会的に価値が無い仕事ばかりなのか?中小企業って・・・?と聞かれたら勿論そんなことはありません.雇用人数が少ない分,良好で密な人間関係を築いている中小企業はありますし,大企業にも負けないような社会貢献度を誇る事業展開をしているところは数多くあります.そもそも日本では中小企業で働く人数の方が多数派です.従って大学生が就職する勤務先は在籍大学名に関わらず中小企業であることが多いですし,将来的に勤務する可能性が高い中小企業に対する事業研究を学生時代に行うことは,地に足の着いた堅実な進路選択を可能とする行為だと思います(早慶や旧帝であっても会社の規模に関わらず,志望する企業に入れない人はザラにいます).

そして日本の産業・社会を牽引するのは大企業である一方で,実のところ
日本の産業界を支えているのは日本全国の中小企業の職員だったりします.なので日本全国の中小企業が共通して抱える問題であろう,企業認知度の向上策や入社志願者数の増加策といった問題に対して検討策を練るのは,日本産業社会の縁の下の力持ち的存在である中小企業の採用面を支援するという観点では,有意義である可能性があると考えています.


4.本題


ここまでのお話をまとめると,

・長期化・早期化する就職活動に対する大学生の負担度は年々大きくなりつ
 つある.
・入社志願者が殺到する大企業では,優秀人材を効率よく選定できるような 
 採用方法を求めている可能性が考えられる.
・企業知名度の向上策の検討は,日本全国の中小企業における採用分野での
 共通課題なのかも.

…ということが整理できると思います.

そこで昨今の新卒大学生の就職活動が早期化・長期化する影響により,多忙化している新卒大学生の採用界隈と,年々就活負担度が重くなる新卒大学生を支援するような企画論文を作ってみようと今回考えてみました.

論文概要としては,企業事業説明・就業経験希望者選定・就活負担削減を可能とする大学授業モデルの考案記録と,考案内容に対する第三者の評価意見の収集結果をまとめたものとなります.そして本企画論文が扱う支援対象者とその支援方針は主に3種類あり,次のように考えています.


・就活を控える大学生
➡企業説明会と就業経験希望者選定を授業中に行う企画の立案によって,
 授業時間外の就活生の就活負担の削減に貢献する.

・大学生からの認知度を向上させたい中小企業
➡企業事業説明型の授業を自由履修化して卒業要件の一部にする企画立案に 
 よって,大学生からの中小企業の事業認識機会の増加をねらう.

・優秀な大学生を発見したい大企業
➡様々な学生にとって聴講しやすい授業モデルを企画することで,
 大企業が望む優秀人材の発見確率の向上に貢献する.


以上の様に企画論文の概要を考えてみましたが,企画論文の詳細をご覧になりたい方は,以下のPDFデータをダウンロードしてみてください.
計24Pありますがご多忙な方でもご確認しやすいように,文書冒頭に要旨(2ページ)を記載致しました.何かしら参考になる箇所があれば幸いです.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?