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令和3年司法試験・商法設問2・解答に挑戦

令和3年司法試験・商法設問2・解答に挑戦
第2 設問2
1、本件株式のAに対する発行は199条1項、2項、309条2項5号に従って行われていることから適法である。
2、しかし、本件株式の株主名簿上の株主はAであったが,本件株式の発行に必要な事務手続はCの指示に基づいてなされていることや,払込金額である2000万円は全てCによって賄われている。本件株主の地位は名義人たるAであるのか、実質的なことから,実質上の引受人たるCであるのか、問題になる。
(1)他人の承諾を得てその名義を用いて株式の引受がされた場合においては、名義貸与者ではなく、実質上の引受人が株主となるものと考える。
(2)確かに将来、本件株式は甲社の代表取締役となるAに対し父親のCが持たせ、名義人もAになっている。しかし、①本件株式の手続はCの指示の基づいて甲社総務部が進め、Aの記名押印もAが総務部に預けていた印章を総務部が用いた。②払込金額2000万円はCが出している。③本件株式の剰余金配当はC名義の銀行口座に振り込まれている。④議決権行使もCが行った。⑤Cは平成27年6月、取締役を退任し、以後、Aが代表取締役に就任したが、本件株式の事務は以前と同様な取扱いが継続された。以上の事実から、本件株式の引受人、運用者はCである。
(3)したがって、Cが本件株式の株主であることから、Cの請求は認められる。
設問2以上

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