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身をもって体験した「親の遺した不動産財産」を巡る相続トラブル2/著書紹介

こんにちは。
白岩貢事務局の矢島です。

白岩貢は現在60世帯の大家であり、どれも現役で高稼働を続けています。また2024年時点で400棟を超える新築物件のサポートをしています。

白岩貢の21冊目となる新刊が発売になりました。
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今回は白岩貢の「相続対策」について書いた著書「「金持ち」相続・貧乏相続 ~「家賃収入×ブランド土地」による究極の節税対策!」の紹介(切り抜き)です。

すごく読みやすい流れなのでぜひお読みください。
今回は2回目です。

1回目はこちらの記事からどうぞ


相続争いで一夜にして身内が敵に!
お金を取り巻く様々な問題は、相続税に限らず起きました。

相続争いの醜さは新聞や雑誌、テレビドラマなどでも目にしたことがありますが、自分の身にも起こるとは考えてもいませんでした。

今なら、父の生前にしっかり話し合っておけば、相続のトラブルも防げたであろうと悔やみます。

それでも日本人の感性からすれば、なかなか難しいのも現実でしょう。
かくいう私自身もそうでしたから・・・。

かつては父に相談をもちかけようとしたこともありますが、怒り狂って「お前は俺の金をあてにしているのか!」と聞く耳を持ちませんでした。

ましてや、私はバブル時代に株式投資を失敗し、借金で父に迷惑をかけていました。そんな私が遺産の話を切り出せるわけもありません。

父の死後は長男が工務店を継ぎましたが、その動きに妙な気配が感じられるようになりました。それは相続の協議が始まってからでした。最初は大して気にも留めませんでしたが、しだいに長男の心境の変化が激しくなっていったのです。

父の資産は現金以外にも、土地やアパートがありました。その分割協議については親族で話し合い、長男が書類を作成することになったのです。しかし一夜明けると、その協議案がひっくり返ります。

分割協議の内容を数日かけて書類にまとめるのですが、翌朝になると長男に反故にされる・・・その繰り返しでした。A案、B案、C案、D案、E案まで熟考しても話はまとまりません。

とりわけ父の創った工務店の株の件では最後までもめました。40年という歳月をかけて父と母が無借金で創ったこの工務店は、現金にして1億円の運転資金もありました。

持ち分を母と長男で50%ずつにするように条件を出し、私と姉は株を放棄することに同意しました。
すると長男は、「裁判するぞ!」と烈火のごとく怒り出したのです。

しかし、裁判をすれば分が悪いこともわかっています。二言目には「株をくれ!」の一点張りに、とうとう母も折れました。

すべてを長男に譲ると決心した母へ、私は慌ててこのようにアドバイスをしています。

「親父が“死ぬまで経理をしていろよ”と口酸っぱく言ってたじゃないか。株を放棄してしまえば母さんは大株主から、ただの事務員になってしまうんだよ。そうなれば、間違いなく兄貴の嫁さんが出てくる。会社をクビにされて追い出されても文句を言えないよ!」

そのころ高校で教師をしていた姉の旦那さんは、父の工務店で職人として働いていたこともあり、兄夫婦とも近い関係でした。ところが後に、兄夫婦は姉たちへ想像を絶する行動をとったのです。

バラまかれた怪文書
ようやく皆が分割協議書にサインをすると、満面の笑みを浮かべた長男はシャンパンまで持ち出していました。
今から思えば、このときの乾杯が泥沼化する相続争いのスタートの号砲でした。

その翌月末のことです。月末が勘定日である父の工務店には、下請けさんたちが集金にやって来るのが恒例でした。

この日の午前中も事務所に来た下請けさんへ、母が小切手や現金で支払っていたのです。いつものように支払いを済ませ、昼食を食べに出かけた母が事務所へ戻ってみると、驚くべきことが起きていました。

わずか一時間の休憩中に、母の机の中にあるべき小切手帳や現金、会社の実印まで消えていました。
すべて長男の嫁が無断で持っていったのです。
母が創業者から、ただの事務員になった瞬間でした。その場にいた姉も、母といっしょに絶句したそうです。

数日して、私は念のために母親名義になっているアパートの契約を調べました。すでに数件の契約書が長男名義に、家賃の振込み先も長男の口座に変更されていました。

それだけではありません。母個人の実印と印鑑カードまで持ち去られていた事実に唖然としました。
母が父と二人三郎で創った工務店を追い出されてからは、30年も顧問をしてくれていた税理士と、下請けさんのリーダー格である建築建材業者の社長が、それぞれ顧問契約解除と取引停止になりました。
彼らが一連の騒動で兄に対し、正論を言い、苦言を呈したからです。ここまでくれば、母と姉、私も本気で戦わざるを得なくなりました。

私の義父は大病院で院長をしている縁もあり、相続争いに強い弁護士を紹介してもらえました。その弁護士から、不動産や相続に秀でている浅野和治税理士を紹介され、お二人の協力のもと、微底的な反撃に出ました。

相続時精算課税、譲渡、不動産管理の法人化等々、ありとあらゆる考えられる限りの手段でほぼ完了しました。

当然ですが、二次相続まで視野に入れた展開もしました。こうして私たちは、ようやく相続争いが終わったと安堵しました。

ところが長男は、普通の人間であれば越えてはならない一線を、いともあっさりと飛び越えてしまいます。手始めに、足の悪い母親が使っていたホームエレベーターの電源を切断。これで自宅と事務所の行き来ができないようにしたのです。

続いて、姉が勤めていた私立高校の園長と校長宛に怪文書を送りつけたのです。私に対しては、一冊目の本を出した出版社や、アパート資金を融資してくれた金融機関、さらに私のブログやホームページへリンクしてくれていた友人、知人にまで怪文書を送りつけました。

その内容たるや姉と私が共謀し、母親を騙して金を巻き上げている、といった根も葉もない作り話。

「相続争いで怪文書なんて・・・長らく弁護士をしていますが、こんなのは初めてですよ」弁護士さんも苦虫を噛み潰したような顔になり、私はこの兄とは相続をきっかけに他人になりました。

それは母と姉も同じで、一切の付き合いをやめました。もともと風変わりな兄でしたが、それでも大切な家族でした。家族の形が、相続をきっかけに変わってしまったのです。

引き出せない相続による現金5000万円
それから月日が流れ、2011年に母が息を引き取りました。父の死去に際しての反省から、二次相続については万全に準備したつもりでした。

皆さんも「公正証書で遺言書を作っておけば、相続トラブルを回避できる」そう認識していませんか?
公証役場で公証人に作成してもらう遺言、これが公正証書遺言(民法969条)です。

この方法が最も確実な遺言だからです。そうじて、私たちの場合も準備はしていました。銀行に預けている母の5000万円に対しては、「1/4の法定相続で分けます」と、明確な公正証書遺言が作ってありました。意外にも、ここに落とし穴があったのです。

公正証書遺言があれば、万が一に相続でもめたとしても、法務局で自分の名義に登記ができます。

それともうひとつ、遺部分が必ずあります。
遺岡分とは、残された家族への最低限の財産保証です。時価で計算しますが、これも想定済みでした。しかし・・・私がうかつだったのは母の銀行預金でした。
口座には5000万円の預金がありましたが、銀行によっては凍結されてしまい、預けている銀行の口座から引き出せなくなってしまったのです。
銀行の資産凍結は法的根拠がないにもかかわらずです。

資産凍結に対して、公正証書遺言はこれっぽっちの役にも立ちませんでした。
分割協議書へ兄の署名押印がなければ、母の口座から預金を下ろせませんが、どう考えてもあの兄が判子を押すとは思えません。

私は困り果て、銀行に「他の皆さんはどのように対処されているのですか?」と聞きました。
すると、心得た方など自分の親が亡くなった直後、満額に近い面金を下ろしに来るそうです。要するに私の場合は黙って引き出して、兄に1250万円をあげれば済む話でした。

それなのに銀行へ預けておいたため、資産凍結させてしまうミスを狙してしまったのです。
公正証書を作ったとき、私や顧問税理士さんもこのような事情があることを知りませんでした。
先に教えて欲しかったのですが、銀行は言うわけもありません。
ですから私と同じように相続のある人は、一刻も早く現金を下ろした方が賢明です。

母が亡くなってから早10年が経ちますが、未だに現金5000万円は某メガバンクに拘束されたままです。
これでは相続税すら立て替えなければならず、大変なことになります。

再度くり返しますが、親が亡くなったらすぐに銀行から預金を下ろすという選択肢もあるかもしれません。あまり大きな声で言えることではありませんが、考慮しておいてください。

「金持ち」相続・貧乏相続 ~「家賃収入×ブランド土地」による究極の節税対策!」


こちらは白岩貢の著書「「金持ち」相続・貧乏相続 ~「家賃収入×ブランド土地」による究極の節税対策!」の第一章の切り抜きとです。

白岩はここから自分で相続対策を行い、アパート経営の道に入っていき、20年以上経った今では400棟を超える新築物件のサポート実績となっています。

こういった強烈な体験があるからこそ、相続でお悩みの方に実践的かつ実直なアドバイスが可能となっています。

相続対策でお悩みの方、これから相続を控えている方はぜひ白岩貢の個別相談をご活用ください。
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