事故を防ぐ意味でのバイクフィッティング
今日はフォローフィットとクリートセッティングのWヘッダー。
フォローのお客様はロード+クリップオンで、フィットから約3週間後の実施。前傾が深いかなと思って、グリップ位置を高く近くするつもりでライズの大きなステムを用意したのだけど、実際は前回のポジションに馴染んだようで変更不要となった。
クリート位置のニュートラル化、サドル位置の変更で”踏む”ペダリングになったようで、すでに何回か100km程度のライドを経て好感触。非常に喜んでいただけた。石垣島のレースの完走をお祈りしてます。
クリートセッティンングのお客様は、新しいシューズ購入に伴う調整。フィッティングバイク(ダミー自転車)を使った。ペダルシャフト位置はほぼOKだったが2mm弱かかと寄せ、股関節外旋顕著なのでQファクターと水平角度を調整。
こちらの場合も”踏む”ペダリングに目覚めていただけた模様。SNSにアップした「90回転の嘘」も見てくださったようで、簡単にスキルレクチャーも。ただ、この程度のスキルならすでにどこかで習っている場合が多い。実際、この方もそうなのだけど、じゃあ、実際に身についているかというとそうでもない。
結局、クリート含むバイクの立て付けが悪いから、スキルだけを切り取って反復練習したところで再現性は生まれない。だから、メニューやトレーニングから離脱してしまう理由の多くにポジションの不一致がある。
筋骨格系に則ったバイクセッティングが完成していないと、低い強度で乗っていても強い違和感や痛みが生じる。トレーニングという高強度での乗車ならなおさらだ。
逆を言うなら、ポジションが完成していれば、かなりの確率で高強度に追い込める。ポジションはフォームではないのです。
ポジション=アスリートとバイクの接点の集合体
フォーム=アスリートの可動域をもとにした自律的な姿勢制御
フィッティング=ポジションを決めるためのアスリートを主体にしたバイクの調整
毎度繰り返しですがw
で、今日の気づきは適切なポジションを体得できてないと事故につながる可能性が高いのではということ(長いw)。
結構な割合でバイク事故後のフィッティング依頼があります。
で、お話を伺うと、どうもシンドイ姿勢で乗っていた様子。当然、ベースバーまたはブラケットのグリップ位置は低くて遠いでしょうし、DHを握っても頭があがらないことが想像に難くないです。
距離が長くなれば当然DHポジションは効率的です。
でも、自分自身の可動域を逸脱したポジションでは危険な乗り物でしかありません。ブレーキを握れない、シフトボタンを操作出来ないなんて、コンゴ動乱、ボンゴMAZDAヴァン、じゃなくて言語道断w
見ているこっちがヒヤヒヤします。
プロ選手並みのエアロフォームを望む方も多いですが、それがどれだけのタイム短縮をもたらすかを冷静に考えてみてほしいなあ、と思います。
むしろ、リラックスできるポジションをつくっておけば、風向きや傾斜に応じてフォーム変化を使ってエアロ向上を狙えます。可動域を逸脱した無理なエアロフォームは股関節駆動を制限してしまって、推進力を捨てているようなものです。
無理に上半身を倒すので、股関節を使えずに(いや、むしろ使いすぎか?)ケイデンスが高く、トルクが小さい状態のスカスカなペダリングで進もうとします。当然、スピードは落ちます。漕いでも漕いでも進まないw 「俺(私)エアロなんだけどな」と。
おまけに前方視界を確保できないので危険極まりない。
しっかり駆動力をもたらすポジションで完走したほうが賢い選択なのではと。快適性は結果的にバイクの推進力を高め、ランへの体力温存と筋肉の消耗を最小限におさえてくれるはずです。
TTバイクはフォーミュラマシンを公道で乗るようなものです。(乗ったことないけどw)それなりの技術と身体性がないと操れない乗り物とあらためて認識したいものです。
まずはフィッティング。(まあ、宣伝ですけどねw)
フィッティングは安全のためのお手伝いとも思うのです。
(やっと結論だヨ)
毎度長くてゴメンナサイ。
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