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「家族最後の日」
「かなわない」で植本一子さんに圧倒されて、すぐに「家族最後の日」も入手。すっかりマイブーム。
お休みでゆっくり読もうと思っていたけど、隙間時間に少し読んだら止まらなくなってきた。
時間が少し空くと、少しでも読み続け、お休み前に読み終わってしまった。
「かなわない」に引き続き、これもまたすごい話を読んでしまった。
人と人との関わり、母親との関係、家族、子供、友達と盛りだくさん。どこまでも素直で赤裸々。
前回の「かなわない」の中の愛憎の入り混じったなんとも言えない雰囲気があって圧倒されたが、「家族最後の日」は少し落ち着いた感じがするが、葛藤が続く。
家族が病気になることは体験したつもりだけれど、なんだか必死でここまで自分の感じたことを整理できなかった気がして、すごいな、と思う。
日記をつけるって割と重要なことかもしれない。
1ヶ月とか一年の長いスパンで見ると、いつもと変わらない日々という印象しかないけれど、この日記を読むと一つとして同じ日がないことに気付かされる。毎日がかけがえのない一日なんだと。
別に大きな出来事もないのだけれど、きっと植本さんにとって大切な日々なんだろうとしみじみと思う。
家族の形も変わらないようでいて、子供の成長やそれぞれの事情によって絶えず変化しているものなのだな、と思う。人間の髪や皮膚のように、常に生まれ変わっているのかもしれない。「家族最後の日」でもあり、「新しい家族の始まり」でもあるようなそんな感じ。
これが生まれ変わらなくなって硬直してくるときは何か問題があるときかもしれないな、など。
植本さんの本を読んでいると他の本を並行して読むことができなくて。淡々としているけれど、切実で、目が離せない。
次は「降伏の記録」を読みたいと思っている。