「消えたい」「もう終わりにしたい」あなたへ
図書館で予約していたこの本。細川貂々さんのイラストで、思ったより手に取りやすい雰囲気でした。
200ページほどの本で、1ページの文字数も多くはないので、疲れた人も、しんどい人も手に取りやすいとは思います。とはいえ、そういう時に本を読もうと思うか、というところはあるかもしれません。少し落ち着いた頃に手に取るのが良さそうな気がします。
なぜ「消えたい」「もう終わりにしたい」と思うのかを紐解き、その原因となりそうなことについて、解決策を割と具体的に書いてくれています。例えば 「べき」思考はやめよう、とか、「自分を好き」にならなくても良い、とか、「孤立」などについてです。即効薬にはならないけれど、地道にそれを乗り越えるためには良い本だと思いました。
休養を取る、というのはちょっと罪悪感があったりする。なんとなく有給取るのも申し訳ないというか。でも休養することも仕事の一つ、と私も思うようになりました。それが最終的にみんなが幸せかな、と思います。
自己肯定感という言葉があまり好きではないけれど、こういう解釈ならば。そして自己肯定感と簡単にいうけれど、そんなものはすぐつくわけではない。この本でも、他の本でもあるけれどスモールステップで目標をクリアしていき、成功体験を積んでいくこと。でもそれすら、何から始めていいかわからない。
この本ではまず「自分に嘘をつかない誠実さ」をあげる。これはなかなか難しい気がする。
自分がこんなことでへこたれるはずがない、こんなことで落ち込んでたりしちゃダメだ、というのも自分に嘘をつかない誠実さとは真逆かな、と思う。自分の感情を否定しないことかな、と思ったりしました。
「能力のいきづらさをほぐす」でもありましたが、評価というのはとても曖昧なもの。ある場所では良くても、また違うところでは、それは欠点になったりする。それに振り回されてはいかない、というのは理解できます。でも他人の評価に一喜一憂してしまうのも人間。絶対的な真実ではない、と知っておくのは良いことかな、と思います。
ちょっと順番が前後しましたが、「今はこれでいい」という言葉で「私なんか」みたいな考えを一旦横へ置いておこう、というものです。
今ここで何か躓いているからこそ、「私なんて」みたいなことが出てくるので、そこを「今はこれでいい」に転換するのはちょっと難しいのでは、と思います。個人的には、いま、自分のできることをやろう、何もしないよりマシ、ということ方がのが、実際の動きとしてはある気がします。
相手の反応は自分で何とかできるものではない。自他境界の話なのかな、と思います。自分でコントロールできないことは手放して、自分にできることをしよう、ということなのかなと。
DOの自信とBEの自信。これ私はちょっと理解が難しかったです、BEの自信。DOはわかりますが。DOは条件付きの愛情みたいなものでしょうか。
「BE」は存在する、いる、あるという意味で、私が私であること、ということなのだろうか。私が私であるために、自分に嘘をつかない、自分と他人の境界を引く、相手には事情があることを知り、そのままを受け入れる、ということですかね。ここのところは、もしこうじゃないかみたいなのがあれば教えてください。
よく長期的な視点に立って、と言われるけれど、とにかく日々をやり過ごす、その積み重ねで生きていく、でも良いと思う。それであるとき振り返ってみたら、こんなに遠くまで来れたのか、と思うこともあるかもしれない。それがまた自信にもなるのでは、ということか。
「消えたい」「終わりにしたい」という苦しさから一刻も早く抜け出したい、と思うところなのだけれど、即効性のある解決策などはなく、小さな一歩を積み重ねるしかない、というのは絶望的にも感じるけれど、誠実な本なのかな、と思う。
実際長い時間がかかるものなのだろう。正直もうそんな長い時間をかけて解決していくよりも、もう終わりにしたいんだけど、という気持ちもとても分かるので、大変難しいな、と思いました。
同じ著者の「恐れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ」「やっぱり、それでいい。人の話を聞くストレスが自分の癒しに変わる方法」は読んでみようかな。