2021年個人的映画ベスト10など
今年は去年に続いて、コロナ禍のため夜のライブ、会食がなかったため映画ばかり観てました。劇場で147本観ました。複数回観た映画も何本かあった(最高は5回)ので170回くらいは映画館に通ったと思います。でもまだ観そびれた。もう1回観たかった映画も結構在りますね。
コロナ禍以前は年間50本くらいだったので人生で多分一番映画ライフを充実させて年になったと思います。
映画はジャンルで好き嫌いはないのですが、ざっくり個人的に映画の好みを言うと、良い人しか出て来ない映画はあまり好きではない、(でも青春映画は好きだったりするんでちょっと矛盾してますが)実話ベースの話が好き(なのでドキュメンタリーも好き)という傾向がありますね。
映画として客観的に良くできていると思う作品(パワー・オブ・ザ・ドッグ、ドライブ・マイ・カー、イン・ザ・ハイツ、etc)も結構はあるんですけど個人的に感情がフイットしないんですよね。音楽の好き嫌いに似てるのかもしれません。
では発表したいと思います。
10位 THE MOLE
デンマークの普通のコックがなぜか北朝鮮に取り憑かれ、ビジネスマンを装い北朝鮮の国家犯罪組織に誰に頼まれてもいないのに潜入。国際スパイばりの活躍をするドキュメンタリー。にわかに信じがたい事実に驚くのとスパイ側も北朝鮮側の人間もなんかボンクラでコメディーみたいに笑えるのも面白いです。
9位 DUNE
映画のルック、音響、キャラクター、アクション、ガジェットのデザイン、次回作への期待の煽り方など最高でした。エターナルズは逆に期待した分上記の事が全く期待はずれで残念でした。
8位 ロード・オブ・カオス
1987年ノルウェーに実在したブラック・メタル・バンド「メイヘム」の実話の映画化。歌詞の思想や世界観を現実化しないと意味が無いと自分を追い込んで行くのが怖いです。音楽のダークサイドですね。死体遺棄、殺人、放火など犯罪に手を染めているのに実家に住んでチャリで移動したり
親に音源の制作費を出してもらったりしてるにも微妙間抜けかつリアルです。北欧とキリスト教の関係なども勉強になりました。
連合赤軍や幕末の水戸藩の末期の状態と似ているにも興味深かったです
7位 花束みたいな恋をした
これは特に言うことはないですね(逆に語るならいくらでも語れます)
観た人ごとにその人ごとの違う感想がある映画だと思います。個人的にツボだったのは絹ちゃんのお父さん役の岩松了が食事会の最中に電話にするシーンですね。
時代に合わせた完璧なスタイリングと小道具を目指したと思うのですが、残念、この時期にナンバーガールのTシャツを着てる事はないと思います。
6位 殺人鬼から逃げる夜
サイコパスに追われる聾唖の女性というありがちな設定なんですが、バランス良く細かい部分も良く出来ていて良質なサスペンスだと思います。
追われる役のチン・ギジュが本当に強さと健気さが同居していて本当に良いです。全然話題になってなくて面白いと思うのは僕だけなのかと思ったらスクリプト・ドクターの三宅隆太さんも絶賛してくれていて溜飲が下がりました。
5位 プロミシング・ヤング・ウーマン
これも語れば止まらないし、語るまでもないとの事なので語りません。強いて言えば自分が男性として、あっち側の人間であったかもしれないと思うと身の毛がよだって悶絶しました。
4位 ザ・スーサイド・スクワッド
これはVIVA不謹慎!ですね。ジェームス・ガンは今、一番好きな監督です。
コンプライアンスという概念がない世界で彼に作品作って欲しいです。
岡本太郎が見たらどう思ったか知りたいです。
3位 あの頃
これは原作のファンなので映画単体で語れない部分はあるんですが、オタク連中がワチャワチャする感じとか最高ですね。
ディテールのこだわり具合も嬉しくなります。
それと仲野太賀が最高ですね。彼の出てるというだけで映画見に行きます。
原作は元ミドリのメンバーでもあった劔樹人君の実話なんですが入江悠監督の「神聖かまってちゃんロックロールは鳴り止まないっ」というのも実質彼の話なので2本も彼のエピソードで映画が作られるってすごくないですか!
2位 アメリカン・ユートピア
トーキング・ヘッズの初来日は行ったんですが、なぜか「リメイン・イン・ライト」ツアーの時は行かなかったというのは僕の人生の後悔チャートで20位くらいなんです。
これ見てピンと来ないというミュージシャンはもうミュージシャンやめて良いですね。政治的メッセージの伝え方もスマートでクール。
ツアーのテーマに合わないから代表曲「サイコ・キラー」は演らなかったというのも腑に落ちます。
ブロードウェイで再演が始まったのでと行こうかと本気で思ってました(コロナで断念)。
WWWとかででスタンディングで応援上映(声出せないけれど)スタイルでやって欲しいです。それとブロンドの女性パーカッショニストだけはだしじゃないのでは何故なんでしょうか、怪我でもしたのか気になりました。
1位 ベイビーわるきゅーれ
ここ何年か大好物なベストの作品ですね。
高校を卒業した女子殺し屋が組織から学生ではないので社会人としても普通に暮らせと言われるけれど、そもそも社会不適合者なのでバイト先に馴染めず、そうするうちにヤクザとの抗争に巻き込まれるという話です。
低予算のB級映画だし主役の一人は本来はスタント・ウーマンなので滑舌が悪くてセリフが聞き取りにくかったり、エキストラが笑うべきじゃないシーンで笑ってたり、?と思うところも多々あるんですが愛すべきキャラクターと愛おしくなる、カッコよくて痺れるシーンが満載です。特に死体処理担当者と主人公のやり取りは1時間くらいやって欲しいです。パンフレットについているCDの番外編の音声ドラマも最高です。
「カメラを止めるな」の予算だとスターウォーズは3秒しか作れないという話がありますが、予算と関係なく面白い映画が作れるというのは映画の醍醐味ですね。ロングラン・ヒット(7月公開でまだやってます)して続編の制作発表がありましたが、それまで死ねないです。
他にも「ONODA」「コレクティブ」「空白」「クーリエ」「サマー・オブ・ソウル」「ブラック・ウィドウ」「映画大好きポンポさん」「クルエラ」「ファーザー」「ジャンク・ヘッド」「14歳の栞」「南山の部長たち」「フィシュマンズ」「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」も忘れがたいです。
それと池袋のシネマ・ロサ 今年、初めて行ったんですが昭和の映画館の風情が残っていて最高でした。このビルの1階にある、これも昭和の洋食屋もお薦めです。