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パンダドラゴン耳コピ過程と雑感
耳コピってどうやっているんだろう、気になりませんか?わたしは他者の耳コピの過程が気になります、とてーも。今回はパンダドラゴンのメジャーデビュー(スーパーおめでとう!)をお祝いするために自己満足と強めのエゴで作ったシングルメドレーの耳コピからアレンジまでの流れを雑に書いていきます。
やみつき耳コピライフ
耳コピはわたしの趣味である。源流をたどるなら、幼児の頃にソルフェージュをかじっていたし、小学生になるとリコーダー三重奏の楽譜を作ったりしていた。初めて耳コピでピアノ譜面を作ったのがおそらく中学生の頃で、高校生の頃にはDTMでの再現にハマる。今まで耳コピをした総曲数は3桁になると思う。ある程度の積み重ねがあるので、多少は自信のある趣味である。
2台ピアノ、というこだわり
地味にYouTubeチャンネルがあり(しかもなぜか2つあり)、ある時期から2台ピアノのアレンジを中心にアップロードするようになった。
ちなみにいちばん脳汁が出るのはDTMでの完コピである。原曲に近ければ近いほど快感だけれども、原曲に近ければ近いほど耳コピをする意味とは?になる。わたしにとって耳コピは解体と再構築の作業で、元の曲に近づけば近づくほど、その曲の構造を自分の体内に取り込むことができる。ウ~ン、文字に起こすと気持ち悪い。
それはそれとして、2台ピアノでのアレンジも楽しい。1人の演奏では拾える音が少なく、連弾だと役割が固定されてしまうためわたしの技量ではあまり面白くできない。それゆえに、役割の入れ替わりが可能な2台ピアノを主に採用している。ただ実際は1手余ってしまうことも多く、まだまだ修行が必要である。4手ですら余るのに、6手連弾の譜面を作れる人ってどうなっているんだ。
メジャーデビューのお祝いに耳コピをしよう、と思い立つ
メジャーデビュー日の5日前、見切り発車も良いところである。社会人になった今、5分弱の曲を耳コピするのに1〜2ヶ月はかかるのに、ほぼサビのみとは言え12曲を5日でやろうとするのはあまりにも無謀だ。それでもやりたいと思ったので、やった。クオリティの低下は致し方ない。できる限りでやってみよう。
仕事から帰宅後、ひたすらにパソコンと向き合う。毎日深夜の2時頃まで作業をして、朝の8時半に仕事に向かう。ほんとうは8時間寝たいけれど、やばすぎる体力と集中力でなんとか間に合わせた。まあ実際9/17の23:59までには間に合っていないが、わたしが寝るまで9/17なので、セーフ。
実際の手順
①全曲耳コピする
聴こえるものほぼすべて。大体メロディー→ベース→その他聞こえるもの1パートずつ→和音の順でやっている。音がぶつかったり人間の身体構造上不可能なものもあとでどうにかするのでとりあえず拾う。異なる楽器でユニゾンで演奏している場合など、あとで削ることが明確なパートに関してはあらかじめ削ぎ落としたりもする。①がいちばん時間がかかる。ほぼサビのみで、スゲーざっくりと20時間くらい。これ、だいぶ爆速なほうである。
②曲順を決める
楽しい。「恋してBAILA!」で始まり「ないとびふぉーあだんす」で終わる。これだけはこだわりたかったため、間の10曲をパズルのように合わせていく。
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サビ(と、その前後)の調のメモである。間違っていたらごめんなさい。なるべく同じ調や平行調、同主調でつながるように、ウンウン唸りながら組み立てた。以下、自分でもよくわかっていないけどなんだか難しい話をする。
■バイラ→じゃぱかわ
じゃぱかわのサビ前がバイラと平行調なので主音が違ってもギリギリ半音転調として扱えるかな?と思った。
■じゃぱかわ→ヴァレンティーノ
じゃぱかわサビ終わりとヴァレンティーノの入りの同主調が平行調になる(呪文?)。ヴァレンティーノの中で同主調転調をするので、直接はつながっていなくても許されると思った。同主調転調をする曲は大抵長調の中に一瞬短調が紛れたり、その逆だったりするので、これも実質平行調みたいなものだろう。←ゴリ押し
■ヴァレンティーノ→ホアロハ
ヴァレンティーノがきれいに終わるので、正直なんの曲でも違和感なくハマるが、ぬるっと始まらずサビ前が華やかなのでホアロハを採用した。
■ホアロハ→ネオトラ
(てかホアロハの転調後の調号直すの忘れてた!ガーン)ホアロハのサビ終わりのコードとネオトラのサビ前のコードが亜種だったのできれいに重なった。
■ネオトラ→雪月花
同主調。ネオトラの終わりと雪月花の入りの歌メロが重なるところ、とてーもお気に入り。聴いてほしい。
■雪月花→Crack
雪月花がきれいに終わるので、何でもハマるターン。雪月花のオケがかなり華やかなので、一転したほうが面白いかなと思い、音数の少ないCrackを採用。
■Crack→パラパラ
平行調。しかしテンポが違いすぎて自然につなぐのが難しかった。
■パラパラ→サファリ
同一の調。悩まなくてありがたい。パラパラのサビ終わりギリギリの転調とサファリサビ前の半音階が曲の切り替わりの面白さも演出してくれてダブルでありがたい。
■サファリ→ばんみゅ
サファリがきれいに終わるので、3度目の何でもハマるターン。ばんみゅの入りにイントロ部分を採用したので、切り替えに適していると思い、採用。
■ばんみゅ→ビバチャ
同一の調。またしてもありがたい。ばんみゅサビ終わりとビバチャのサビ前もちょうどよくハマってきれいなつなぎ。
■ビバチャ→ないとび
同主調。短調から長調への転調はパッと音が華やぐのでラストに相応しくていい感じになった。
③アレンジ
楽しいタイム。ピアノできれいに聴こえるようにアレンジしていく。個人的にこだわっているのは以下の点である。
・歌メロがいちばん立つようにすること。
・身体構造上、人間が弾ける譜面であること。超絶技巧になるのはやむを得ない。
・左右の手で音がぶつからないこと(しかし、あとから譜面を見返すとよくミスしているのである……)。ただし第1ピアノと第2ピアノはある程度重なってよい。
・第1ピアノと第2ピアノで難易度、役割が偏らないようにすること。
よく使う小技はこんな感じ。
・ベースラインにドラムのリズムを組み合わせる。
・みんなで歌うパートはオクターブのユニゾンやコーラスのラインを入れ、ソロパートは単音にする。
・たまに歌メロをオクターブ上げ下げする。
・ニュアンスをつけたいときは和音にアルペジオをつけてみる。
・盛り上がるところでは第1ピアノと第2ピアノに同じリズムを弾かせてみる。楽しいので。
・クラップなどのリズムを和音にしてみる。高音の和音を効果的に入れるとかわいい。
あとは様子を見て単調にならないようにアレンジ。なんかいろいろだね。
④音源の調整
面倒だけど重要。ベロシティ(打鍵の強さ)を1音ごとに調整。これをすることで音源が劇的にスッキリする。
あまり強すぎると攻撃的になるので、いちばん強くなるメロディでも+5くらい。メロディ以外は基本0以下。和音の3度の音や、音が小さくても目立つ細かい動き、音が立つオクターブのユニゾンなどは弱めに設定。バランスを見て強さを決めていく。全体的に調整して再生、気になるところは再度調整、を繰り返す。6分半超えの音源なのでかなり根気強さが必要である。
⑤譜面の調整
オクターバーは使えているか、臨時記号にミスはないか、全休符が分裂していないかなど、譜面としてきれいに見えるように調整。しかし、めっちゃミスがある。ほんとうは⑤に入る前に一旦寝たほうが良い。
⑥確認
はじめから再生して確認する。寝不足だと途中でウトウトしてしまう。ので、ミスは多発している。ある程度は妥協である。完成。
ちなみにここから動画を作成するので、実際はまだ終わりではない。
それぞれの楽曲を耳コピした感想メモ
■恋してBAILA!
コード進行が固定なので一箇所拾ったらあとはわかりやすい。ギターソロのニュアンスを活かすのが難しいけどうまくハメれば映える。
■VIVA!チャイナ
音を取る難易度低めでたすかった。大枠一瞬で取れた。二胡(かな?)がいい味を出している。シンプルすぎるかなーと思いつつ、クラップを音にした瞬間かわいくなった。
■あゝ雪月花
サビから間奏への盛り上がりがかっこよすぎて耳コピしながら思わず聴き入ってしまった。名曲だ。楽器多いからもっと苦戦するかなーと思ったけど、パンがしっかり振られているので意外とそれぞれのパート拾いやすかった。聞こえるものを拾っただけでアレンジする前からかなり完成形になった。
■NEO TRAVELER
粒立っているのに掴みづらいベース、スタッカートの再現、なんでそうなるんだよ、の転調。今日も玉屋に振り回される。あと玉屋曲はピアノアレンジが難しい。
■サファリズム DE ね〜しょん!!
半音のひっかけが多くてメロディすら時間かかった。ベースめちゃかっこいいけど難解で、オーイシマサヨシ曲を耳コピしたときの感覚に似ている。
■決戦!ヴァレンティーノ
ベースがかなり低い(聴力のせいか低ければ低いほど聞き取れない)上にかなり動くので取りづらい。間奏のシンセが難解すぎて大焦り。半音外し祭り。
■万国みゅ~じっく
ザ!民族調で楽しい。耳コピ難易度は低いけどアレンジに迷走。
■愉快痛快!ホアロハ!
もっとわかりやすいかと思ったらコード進行難しかった。転調後の絶妙なニュアンスがおしゃれ。
■Crack
音数少なすぎて、もっとゴリゴリにアレンジするか迷った。メロディ以外全部、シ。
■パLIFE!パLIKE!パLOUGH!パLOVE!
わりと耳コピしたそのままで完成した。意外と耳コピしやすかった。実際に演奏するとしたら、第1ピアノと第2ピアノで息を合わせるのが楽しそう。誰かと弾く醍醐味。
■じゃぱかわんだほ〜
これだけ以前耳コピしていたのをそのまま転用。コード進行はそこまで難しくないが、転調へのきっかけの作り方が大胆でしびれた。
■ないとびふぉーあだんす
ベースラインが絶妙に予想を裏切ってくる。間奏の半音移動が気持ちいい。音数を変に増やさないほうがいいかなと思い、シンプル仕上げになった。
とまあ耳コピをしているわたしの頭の中はこんな感じである。見切り発車大爆走急ブレーキなのでところどころ突っ込みどころはありますが、よかったら聴いてください。
@398mano パンダドラゴンのシングル曲でメドレーを作りました🎹 改めてメジャーデビューおめでとうございます!これからもパラゴンさんがすてきな音楽とともにありますように🌟 @info__paragon #パンダドラゴン #パラゴン #ないとびふぉーあだんす #ピアノ #耳コピ
♬ オリジナル楽曲 - 🐼パンダドラゴン🐲 - 🐼パンダドラゴン🐲
おわりに
耳コピをして改めて、パンダドラゴンさんってすてきな音楽に囲まれているんだなーって思いました。メジャーデビューほんとうにほんとうにおめでとうございます!そしてオリコンデイリー1位!ウィークリー2位!たくさん一緒に喜べてうれしいです。これからのパンダドラゴンさんの進む道にもさまざまな音楽との出会いが待っていますように。
おしまい。