チープ・シックと⑤Vintage
はじめまして。研究員Hです。
今日はある一冊の本についてお話ししたいと思います。⑤Vintageプロジェクトの話が最初に挙がったとき、私の頭に浮かんだ本です。
『チープ・シック: お金をかけないでシックに着こなす法』(以下、『チープ・シック』)というタイトルのその本は、44年前に発売されて以来、今でも版を重ねるロングセラー。
もしかするとこのジャーナルの読者の中にも、お持ちの方や読んだことのある方がいらっしゃるかもしれません。
⑤Vintageとこの本には、考え方の部分で多くの共通点があるのではないか?
そう思った私は、埃がかぶった『チープ・シック』を棚から引っ張りだして読み始めることにしました。
まず、この本の冒頭にある一節をご紹介します。
44年も前の文章とは思えない…そう思った方もいるはずです。
大手資本のラグジュアリーブランドから世界中で展開するファストファッションブランドまで、世の中では数多くの衣服が生産され、溢れかえっています。
環境省のデータによると、一年間に焼却・埋め立て処分される衣服は日本だけで484,000トン。これは、大型トラック約130台分もの量が毎日廃棄されているという計算になるのです。
そんな現代において、ファッションが持つ魅力や課題を再認識し、自身のライフスタイルに反映することはとても意義のあること。そして、その手がかりとして『チープ・シック』は私たちにファッションの楽しみ方を教えてくれる指針になるのでは、と私は感じています。
「アンティーク」の章では、古着との付き合い方・上手な取り入れ方について紹介しています。
その他にも、ここに書かれているのはベーシック、クラシック、スポーツウェア、民族衣装、ユニフォームといった、ファッションを楽しむうえでは欠かせない内容ばかり。
また、衣服を着ることに関して、以下のようなことにも触ています。
「ファッションを楽しむ」という身体性をともなった行為だからこそ、まずは健康であること。着飾ることだけを考えるのではなく、まずはその土台となる自分の体と向き合うこと。衣服で体型のコンプレックスを隠していた私にとっては少し耳が痛い話です…。
⑤Vintageは、世の中に埋もれてしまった魅力あるファッションを独自の視点で掘り起こし、皆さんに再提案する取り組みです。
今回は『チープ・シック』の内容をかいつまんでお話ししましたが、⑤Vintageを通して、この本に書かれているようなファッションの魅力を、訪れてくださった皆さんに伝えることができたらとても嬉しく思います。
本日はこのあたりで。
それではまた!
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【出典 / 参照】
カテリーヌ・ミリネア/キャロル・トロイ『チープ・シック: お金をかけないでシックに着こなす法』草思社(1977年)
Amazon - チープ・シック: お金をかけないでシックに着こなす法 単行本 – 1977/4/1(www.amazon.co.jp/dp/4794200552)
環境省 サステナブルファッション(https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/)
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株式会社アンティー・デザイン
⑤Vintage Laboratory 研究員H