[ネタバレ配慮済]『カバディ』が出てくるインド映画を3つ挙げてみる!
スポーツの秋!も過ぎつつありますが、道具を使わないスポーツ?!インド発祥でインドの国技!『カバディ』が出てくる、インド映画を3つ紹介したい。
日本で言う"相撲"の位置に、インドには"カバディ"がある。
日本では「カバディ」と連呼することがネタにされ、ルール知らずとも、誰もが名称を知る、ある意味とても有名なスポーツでもある。
ルールは非常にシンプル。ドッジボールのようなコート内で、敵陣地と味方陣地に分かれ、1人が敵陣に入って敵をタッチし、味方陣地に帰る。敵陣地で敵に捕まらず、味方陣地に帰ることができれば、タッチした数だけ点数が入る。
ボールなどの道具もいらず、最低人数1対1でも行えて、屋内屋外問わずできる。使用範囲の決まった鬼ごっこのようなスポーツのため、子供のレクリエーションや、インドの刑務所でも運動の一環で採用されているそうだ。
日本カバディ協会の公式ルール説明動画はこちら。
また、カバディやチーム競技について内面的にも深掘りした『灼熱カバディ』というスポーツ漫画が、マンガワン及び裏サンデーにてWEBやアプリで連載していた。(2024年7月に完結済み。骨太ドラマなストーリー漫画としても面白いため、最終話でTwitterトレンド1位を取った伝説をもつ。)
カバディのルールを知りたい!元気をもらえるパワーと爽快感のある漫画が読みたい!という人には、スポーツ漫画という枠だけに限らず『灼熱カバディ』を読むのも、非常にオススメだ。(インドでも好意的な印象の記事で話題になったことがある。)
私はこの漫画をアニメから知り、先にルールや選手事情などの知識を深めたところで、インド映画を観ていたら、丁度カバディのシーンがあった。
私の観たインド映画に限られるが、『作中でガッツリとカバディのシーンが入る、日本で見れるインド映画』を3作、紹介しよう。
1、『百発百中 Ghilli(ギッリ)』(原題:Ghilli)
主人公はカバディ選手でチームのエース。冒頭の走り込みから「カバディカバディカバディ…」とキャントする歌が入り、試合のシーンも多い!(敵陣地に入り「カバディ」と連呼することをカバディ用語で「キャント」という。)
YouTubeにも公式チャンネルがその歌のシーンをあげているため、見てみると作風もわかって面白いかも知れない。
因みに…敵のカバディチームが、エースである主人公を試合に出させないため、多人数で襲ってきたところを返り討ちにするシーンである。
ストーリーは、ギャングに狙われる美女がカバディ選手に助けられ、一緒に逃げたり匿ったりする逃走劇でもあり、ラブコメ要素もあるアクション映画。
主人公役は南インドで活躍する、若々しいフェイスで軽やかにダンスやアクションをこなし、演技の評価も高い大スター・ヴィジャイさん。ファンには「大将(タラパティ)」と呼ばれている。(最近では政界進出し、俳優業は退職されるかも?という噂だ…。)
ヒロイン役はトリシャー・クリシュナンさん。可憐で初々しい雰囲気に定評がある、柔らかな印象の可愛らしい俳優さんだ。作中のダンスが子供たちと森や川辺を駆け回り元気いっぱいで素敵なので、是非見ていただきたい。
『百発百中 Ghilli(ギッリ)』は、インド大映画祭で日本各地にて上映している。日本で日本語字幕付きで観るには、映画館鑑賞のみ。今のところ日本国内での円盤情報はないため、残念ながらレンタルなどでは見れない。
2、『マスター先生が来る!』(原題:Master)
少年院内でのカバディシーンがある映画。子どもたちが吊るされるなど…暴力方面で刺激の強い描写があるため、日本ではPG12指定の作品。
上記で紹介したGhilliと同じく、主人公役の俳優はヴィジャイさん。マスターでは大学の先生役。
こちらは公式チャンネルがYouTubeにカバディシーンをあげている。Ghilliとは監督が違うものの、インド映画は俳優さんの代表作を彷彿とさせるネタを盛り込んで、リスペクトをするような手法も見られる。そのため、1にも引用したGhilliのカバディソングをアレンジしたものがカバディシーンで流れる。(Ghilliを見てからマスターを見ると、非常にテンションが上がる演出だ!)
カバディの勝敗など、ネタバレになる可能性があるため、本編をまっさらな気持ちで見たい人はネタバレ注意動画かもしれない。
ストーリーは前半の大学パートと、後半の少年院パートに分かれる。前半でいろいろあった先生が、少年院で教壇に立つことになるが…そこは裏でギャングが手を回し、少年たちが犯罪の手伝いを強要される場所になっていた。悲惨な現状を知る事件を経て、少年たちを真っ当な道に更生させ、残酷な仕組みを変えるべく、ギャング相手にも怯まず、先生ほぼ1人で立ち向かうという、複雑でハードなアクションスリラー映画だ。(話が逸れるため省略するが…ギャングのボスが感情の起伏が感じられず、怖すぎるため…ヤバい敵キャラを見たい人にも非常にオススメ。)
カバディは少年院ルールで、コート外に体まるごと追い出さないとアウトにできないという…ギャングのボスと内通する年長組が有利な、いじわるルール。力づくで押し出す・投げ飛ばすなど、かなり暴力であるが、本来のカバディ試合で暴力は禁止だ。
『マスター先生が来る!』は、2022年11月18日から日本全国で順次、劇場公開された。インディアンムービーウィークなどの復活上映にて、いまだに映画館で見ることができる。
また最近Blu-rayとDVDが発売された。日本公開の配給会社が運営しているSPASEBOXオンラインストアでの販売のためか、レンタルはない。
しかし、この作品はインド本国では、コロナ禍の劇場封鎖の波で配信公開になりそうな中、「映画館で見て欲しい」という制作陣の強い想いで、情勢が落ち着いてから公開し大ヒットした作品だ。初鑑賞は映画館がオススメと言える。(個人の見解です。)
3、『スチューデント・オブ・ザ・イヤー2』(原題:Student Of The Year 2)
ダンスやスポーツなどのあらゆる種目で、1番優秀な生徒を競う行事『スチューデント・オブ・ザ・イヤー』のある学園で、その年のNo.1を目指せ!というロマンスコメディ学園もの映画。タイトルに「2」とついているが、舞台の学園設定と主人公が友達と競い合う展開等のみ受け継いでおり、主軸キャストも異なるため、1作目を見なくても単体で見られる。
カバディシーンがトレーラーにも多く入っており、カバディがほぼメインに組み込まれた作品と言っても差し支えないだろう。
ストーリーのクライマックスにあたる、決勝競技がカバディになっている。決勝を勝ち抜くため、主人公の属するカバディチーム内でメンバーの力量差で揉めたり、泥臭い特訓シーンもある。
主人公役は北インドで活躍する、やや儚さも感じる貴公子フェイスでありながら、天賦の運動神経と鍛え抜かれた肉体により裏付けされた、確かなアクション能力とダンス力を持つ、タイガー・シュロフさん。前後左右180度開脚ができる脅威の柔軟性も生かした、しなやかでパワフルなアクションが得意な俳優さんだ。そんな主演俳優さんの画期的で豪快さを感じるカバディシーンが見どころである。
ペアダンスの練習をしながら、カバディの練習もしている華やかなダンスシーンにも注目だ。
『スチューデント・オブ・ザ・イヤー2』は、日本の映画館公開や日本語字幕付きはなく、現状は配信のみ。
Netflix(言語を英語設定に変更)にて英語字幕で配信中だ。英語字幕でもカバディの派手な攻防は試合観戦のようで楽しく見られる。
Amazonプライムでは、残念ながらnote執筆中に配信が切れてしまい、今は見れないが…時折、配信復活している場合がある。
映画内のカバディシーンは、試合では映らない画角や分かりづらいプレー、ルールがわからずとも魅力が伝わるように、映画なりの魅せ方をしている。
試合や漫画などの楽しみを深める・プレーの参考にするべく、インド映画のカバディ描写を観てみるのも面白いのではないだろうか。
また2026年、愛知県で開催される第20回アジア競技大会の競技に『カバディ』も含まれている。試合観戦の予習も兼ねて、カバディ関連の作品を見ておくのもありかもしれない。
最後に白状すると…
個人的には…ギッリのヒロイン役トリシャー・クリシュナンさん、マスターという作品そのもの、スチューデント・オブ・ザイヤー2の主演タイガー・シュロフさんが好きです。
カバディが作品の一部になっているインド映画を、偶然3つも見つけることができたことが嬉しくなり、noteにまとめたくなりました。
もし、他にも「このインド映画に、カバディがガッツリ出てきたよ!」という情報があれば、コメント欄に入れていただけると…私も見れる機会に鑑賞し、映画の作品感想を書いたり、noteに追加するやもしれません…!
情報をお持ちの方は、是非よろしくお願いします。
また、ここまで読んで上記3作品が気になった!観たい!と思うきっかけになれば、いちインド映画ファンとして大変光栄です。
ラストはキャントで締めましょう…カバディ!!!