『DEATH NOTE』 1巻 感想
概要
原作:大場 つぐみ
漫画:小畑 健
初版発行:2004年
デジタル版発行:2012年
発行所:集英社
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発行者による作品情報
感想
死のノート、それを駆使して世界を創り変えようとする主人公、本格的なインモラル・サスペンス作品…。少なくとも「少年ジャンプの連載作品」としてはかなり挑戦的な作品です。
個人的に、月が最初にノートを試した理由が「退屈だったから」な点、2人目に殺した渋井丸拓男略してシブタクが"死刑になるほどの悪人"じゃなかった点が秀逸だなと感じました。
特に後者。月の独白にもあった通りこの時点で精神は想像以上にすり減らされたと思います。精神を保つ(=殺人を正当化する)ために、そして持ち前の潔癖な性格も相まって「新世界の神」という極端な目標に向かって進まざるをえなくなった。
そういった精神の機微を上手く描いています。
そして、話はキラ(月)とLの頭脳戦に移ります。
月はノートの使い方や死神の特性を活かし、時にLと警察の間の相互不信を焚き付け、時に自らを危険に晒してLの正体を炙り出そうとします。特に、尾行していた者の正体を探るために使った手段はリュークも言った通り「さすが全国模試1位 応用力がある」と思いました。
ここまでは月の思惑通りに動いている感じが強いです。それはもう、計画通りすぎて怖いくらいに(笑)
自分が楽しみたいからでしょうが、リュークが「月の敵でも味方でもない(ただし"同居人"としての口出しはする)」というスタンスなのもいいですね。掟もあるとはいえ、月に肩入れしてLや尾行していた者の名前を教えていたりしたら、警察側にとって無理ゲーになっていたと思います。
"同居人"として月に尾行のことや"死神の目"について教えるあたり、"いつも見られているような感覚"が余程嫌だったんでしょうね…。
巻末には、当時のジャンプに掲載された本作の四コマ漫画もあります。ゲームボーイアドバンスSP(色はシルバー)をねだられた月がリュークに言い放ったド正論は酷いけど(リュークの表情も相まって)面白かったです。本編よりも(悪く言えば)露骨にギャグしているけど、負けず劣らず面白い。