『1日外出録ハンチョウ』 15巻 感想
概要
著者:上原 求、新井 和也
原作:萩原 天晴
協力:福本 伸行
初版発行:2023年
発行者:森田 浩章
発行所:株式会社 講談社
Apple Books リンク
発行者による作品情報
感想
今回は比較的、休日とは関係のない「あるある」的な話や地下内で完結する話が多めの印象でした。表紙では温泉旅行行っているくせに。
第114話「屑連」では、大槻班長が帝愛側の意図を読み取ったのまでは流石と思ったのですが、意地悪にもほどがあるオチ(しかもそれを行ったのは黒崎さん)にはさらに唸らされました。「大槻よりも帝愛上層部(兵藤、利根川、黒崎)の方が"意地の悪さ"にかけては上手なんだぞ」ということでしょうか。
ちなみに、この話では同じ『カイジ』シリーズのスピンオフ作品『中間管理録トネガワ』に何度か登場した多重債務者の一人がチラっと登場する悪魔的ファンサービスもあります。
この巻で一番笑ったのは第118話「岩男」での「イワオ(人の顔みたいな岩)爆破→哀叫する半田さん(地下労働者の一人)→無傷のイワオ」という流れのみだれ突きです。まさか『ハンチョウ』で「やったか…!?」→無事でした。みたいな展開を見るとは思わないじゃないですか。しかもそれを何連発も。ズルいですよ。
ちなみに、第119話「添物」では、「ハンバーグについてきた3種類の付け合わせが全て芋(さつまいも、フライドポテト、ポテトサラダ)」という理外の事態に遭遇し、大槻が熱い付け合わせ論を語ります。たしかに、単独では存在感や"華"に欠ける脇役でも、数を集めれば主役より存在感を出せる。映画やドラマならそれはそれでアリですが、料理で付け合わせの方が存在感あると少し「もっとこう…力配分とか……」とは思います。多分。
余談ですが、個人的にハンバーグやステーキの付け合わせは「人参のグラッセ、フライドポテト、マカロニパスタ」がベスト3です。もっと欲を言えば、フライドポテトは皮つきでサクサク系(サイゼリヤにあるようなもの)、パスタはクリームソースなら最高です。
特別編「良休」では、久しぶりに利根川先生が登場します。30分の休憩を最大限有効に過ごそうとする彼の姿には涙ぐましいものがあります。『トネガワ』で帝愛のブラックぶりや先生の苦労を見ていれば尚更。
そして最後の「利根川カッター」で吹きました。「なんか面白いこと」と言われて出たのがそれですか。いつの何をやってるのよ(『トネガワ』の時系列次第ではむしろ未来を先取りしていることになるのは別の話)。
個人的に利根川先生は、そういう振りをされた時に「尾も白い犬の話」をする方だと思っていました。
(2024/02/12 追記)
今気づいたんですが、第113話「巨父」で、「仮面ライダーの前にプリキュアをやっている」と言う旨のナレーションありましたね。がっつり現代、それも2017年秋以降じゃねえか!(それまでのニチアサ放送枠は「7:30~ スーパー戦隊、8:00~ 仮面ライダー、8:30~ プリキュア」だったが、2017年10月から「8:30~ プリキュア、9:00~ 仮面ライダー、9:30~ スーパー戦隊」に変更された)
時代設定開き直ったな~。何を今更
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?