『ジョジョの奇妙な冒険 PART1 ファントムブラッド』 1巻 感想
概要
著者:荒木 飛呂彦
初版発行:1987年
デジタル版発行:2012年
発行所:集英社
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発行者による作品情報
感想
荒木先生の看板漫画にして「世代交代もの」の天帝・ジョジョの奇妙な冒険です。
この巻では、前半はディオがジョースター家の養子になり、ジョナサンが苦しめられる展開が、後半からは7年の時が経ち、2人の成長した姿が描かれています。
エリナとの恋が癒しになっていたし、ディオの嫌がらせが酷かっただけに「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ!」のカタルシスが一入とはいえ、序盤の展開は少年漫画としては辛かったですね…。荒木先生も著書で「この後ジョナサンの大きな見せ場があるから、どうかそこまで我慢してください🙇♂️」と思いながら描いていたことを打ち明けています(笑)
ただし、ジョナサンもただウジウジするだけじゃなく、「黄金の精神」の片鱗は見られるのでそこは魅力的です。
その分、後半で心身ともにすっかり逞しくなったジョナサンには、あたかも彼の親になったかのような感慨すら感じました。
前半から垣間見せていた優しさ("甘さ"とも言えてしまう)だけでなく、ディオへの「疑惑」が「確信」に変わるやいなやジョースター家と父を守るために徹底した行動に移せるタフさも兼ね備えています。父のため、家のためディオに(友情を疑ってでも)毅然と立ち向かう姿はまさに"漢" "紳士"でした。
個人的に歴代ジョジョの中で(少なくとも性格的には)最も「王道」に近い主人公だと思っています。
ちなみに、ダニーが蹴られた時のジョナサンの台詞は「何をするだァーッ」ではなく「何をするんだァーッ」に訂正されています。個人的に「何をするだァーッ」は面白くて好きですが、誤植なのでしょうがないですね。