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『風都探偵』 1巻 感想
概要
原作:石ノ森 章太郎
脚本:三条 陸
原画:佐藤 まさき
初版発行:2018年
デジタル版発行:2018年
発行者:大村 信
印刷所:凸版印刷株式会社
Apple Books リンク
発行者による作品情報
『仮面ライダーW』正統続編始動!
小さな幸せも、大きな不幸も、常に風が運んでくる風の街・風都。
左翔太郎とフィリップはその風都で鳴海探偵事務所に所属する私立探偵である。
「街を泣かせる悪党は許さない」という二人の元に、今日も数々の超常的な事件が持ち込まれる…!
平成仮面ライダーシリーズ最高傑作との呼び声も高い『仮面ライダーW』が漫画に舞台を移して再始動!!
これで決まりだ!
APPLEブックレビュー
風が運ぶ難事件をハードボイルドに解決する、『仮面ライダーW』の続編にあたる本作は、テレビ版と同じく左翔太郎とフィリップの二人が主人公。風都で探偵業を営む翔太郎は、ある夜、謎の美女と出会う。同時期、魔女と呼ばれる謎の人物による追い剥ぎ事件が頻発し、依頼者の頼みもあり翔太郎は魔女を探すことに。簡単そうに思えた人探しは、実は殺人事件も絡んだ複雑な事件につながっていた…。1巻完結型の物語が展開し、読者を驚かせる推理ギミックとアクション描写がふんだんに織り込まれた作品。テレビ版を見ていなくても、大人な魅力を持つ探偵マンガとして十二分に楽しめる。
感想
読んでいて登場人物の声が脳内再生されるくらい、物語に引き込まれました。まさに"正統続編"の名に相応しい作品です。
ただし、仮面ライダーの姿が描かれるのは第5話「tに気をつけろ 5/犯人[ヤツ]はそこにいる」ラスト(ベルトや変身アイテムはそれより早く姿を見せますが)なので、「特撮ヒーローの漫画化作品」というよりは「アクション要素も強い探偵もの」という色が強かったです。
また、仮面ライダーWを見ていなかった方でも世界観や設定などがわかるような説明が自然となされている親切設計でもあります。
推理ものとして見てもかなりの秀作。依頼である「魔女の捜索」は簡単に見えて、実はその裏にメモリによる犯罪があった。その事件の顛末まで含めて非常に巧妙に伏線が張られていて、非常に読み応えがありました。
何もわからない状態で一度読んでも面白い、全てわかった上で伏線などに気を配りながらもう一度読んでも面白い。1冊で2度美味しい作品です。
トードストールメモリの使用者が不法所持していた理由に
誰も (中略) 『薬にも毒にもならない奴』とバカにできなくなる!
メモリさえ帰ってくればっ、
と供述したのって、キノコ(「Toadstool」は英語で「キノコ」という意味)が毒になるものもあれば薬になるものもあることにかかっているんですかね?
そういう所が上手いなって感じました。