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『DEATH NOTE』 6巻 感想
概要
原作:大場 つぐみ
漫画:小畑 健
初版発行:2005年
デジタル版発行:2012年
発行所:集英社
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発行者による作品情報
【デジタル着色によるフルカラー版!】ヨツバグループのあるメンバーの極秘会議を目撃しキラと繋がっていることを突き止めた月とLは、キラの真相を求めて、ミサをヨツバに潜入させる!危険を承知で潜り込んだミサに接触してきたのは!?そして…!?
感想
ヨツバキラ解決編です。一気に展開が進みましたね。
キラ判明の部分はレムが手助けしてくれたところが大きいですが、「言われてみれば」となる言動は多かったですね。具体的には邪魔(になりうる)者はすぐ殺そうとしたり、何かと話の中で優位に立とうとしていたり。
ちなみに、よく読み返してみれば、次のようにして容疑者は絞れます。
「8人での会議によって行動を決める」、裏を返せば「一人では何もできない馬鹿で腰抜け」「単独では出世できなそうな人間」
→尾々井、奈南川、三堂 除外エドラド=コイルとのパイプ役をさせられた(コイルが金よりも正義感で動く探偵だった場合、いの一番に捕まる立場)
→樹多 除外
(※これはpage.50「四葉」で三堂も言っていた)殺人と出世を天秤にかけ、殺人を実行できる程度の出世欲と行動力
→紙村 除外「会議から抜けたい」と言って殺された
→葉鳥 除外
残るは鷹橋と火口。
これもpage.50での三堂の受け売りですが、「(キラの出世欲やプライドを考えると)引き立て役は必要」ということを加味すれば、火口一択というわけです。
紙村しかり三堂しかり、裏では会議に嫌気がさしていたことがわかったり、奈南川がいい事言ったり、火口以外のヨツバ社員に善性が見られたのはある種の救いでしたね。記憶を失っている月が(「前のキラの裁き方は自分の考えに近い」と考えたうえで)人命を重視したやり方を望んだことやレムの「今思えば夜神月はミサと同じくらい純粋なのかもしれない」って台詞と併せて考えると、「人間は善悪両方を併せ持ち、機会や力さえあれば容易く悪に傾く」というメッセージなのかもしれませんが。
余談ですが、火口がpage.44「後継」で言った「いや (キラによる殺人を)不規則にするならアミダで日にちを選ぶとかカレンダーにダーツだな」という台詞が個人的「じわじわくるオブザイヤー」でした。あんた5巻のpage.37「八人」で「もう少し真面目に意見しろ」って言ってたじゃないか。