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ワクチン配分の取り組み『COVAXファシリティ』がなぜ重要なのか
久しぶりの更新です。
年末年始ゴタゴタしておりました。
さて、今回のテーマはCOVAXファシリティです。
一般の方はそれほど知らなくても良いとは思いますが、
医療従事者は絶対知っておいたほうが良い仕組みです。
COVAXファシリティとは、GAVI (ワクチンと予防接種のための世界同盟) がCOVID-19ワクチンの公平な普及のために立ち上げた仕組みです。https://japan-who.or.jp/news-releases/2007-15/
https://www.gavi.org/covax-facility#what
現時点で約190の国・地域が参加を表明しています。
そして、私の知る限り、ほぼすべての国が参加を表明しています(アメリカとロシアを除いて)。
厚生労働省の下のリンクが、この仕組みについてすごくまとまっています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000690656.pdf
そして、途上国にワクチンを供給することは人道的観点という点からのみ重要というわけではないことを、ワクチン・ナショナリズムが悪いことだと思っていない方は理解する必要があります。
自国民にワクチンを優先する場合、自国民だけで経済をまわすのであれば、それで済むのでしょう。しかし、実際の経済活動においては他国との往来が頻繁に行われます。もちろん途上国との往来も頻繁に行われますが、この際、途上国にワクチンが供給されていなければ、いくら国内でワクチンが供給されていたとしても意味がありません。
また、途上国で活動(商売)をしている会社もあるでしょう。しかし、富裕国によるワクチンの独占によって途上国の感染状況が改善しなければ、その会社の経営状況にも影響が出てきます。
このように、グローバル化した世界において、ワクチン・ナショナリズムとは目先の利益を追うばかりに、長期的な利益がみえていない思想と言えるでしょう。(この考え方もマクロに偏っているとも言えますが)。
このように、世界経済にも良い影響を与える可能性のある、そして日本が初期から積極的に関与している、このCOVAXファシリティを是非ご確認ください。
しかしながら結局のところ、こういう仕組みはフリーライドできてしまうところに大きな問題が残っていると言えます。(今回のアメリカとロシアは完全にフリーライドした形になるでしょう)。
これについては両国の国民が、これをどう捉えるか、倫理的な問題になるのだとは思いますが、もう少し世界的な見地から検討をして頂きたいものだと思います。