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《プライベート・スーパースター》へ

ゆっきゅん×君島大空の名義で発表された『プライベート・スーパースター』を聴いた。

音源もさることながら、ミュージックビデオに感動した。
スマートフォンでの再生を意識した縦型中心の動画構成は自分が彼らの友人であるような、そして自分にとっての《プライベート・スーパースター》を思い出させるような効果があった。
効果てきめんだった。

わたしにとっての《プライベート・スーパースター》(以降《PS》)との出会いは約7年半前になる。
性格も行動パターンもそんなに似ておらず、強いて言えば顔が似ているとよく言われるわたしたち。

なぜ一緒にいるかもはやよく分からないが、なんだかんだでいちばん仲がいい友人である。

他人から似ていると指摘されるとわたしはなんとなく嫌がってしまうけど、でも少し嬉しかったりもする。

《PS》とは少し距離が離れた時期もあったし、近すぎた時期もあった。
いろいろな形態を経た結果、いまの落ち着いた関係性を獲得したと思っている。

ある日、《PS》と平日の昼間に会った。
《PS》と会うのは約1ヶ月ぶりだった。
数字だけ見れば会っている方なのだけど、それでも久しぶりな感覚をもった。

ライフステージの違いから、わたしはどこか《PS》のことを遠い存在と考えてはじめていた。
《PS》は先を走っている。わたしも走らないと、と思う。それは焦りになっていた。
《PS》に会ってきて自宅に帰った途端に、自分の話ばかりをしてしまったと嘆く日や、幼い言動をしたと反省する日が増えた。

その日は渋谷から数駅離れた場所のファミレスで待ち合わせた。
突然の誘いに応じてくれた《PS》に対して、わたしはなにか与えることが出来るのだろうか。
それとも、またわたしは帰ってから反省会を催すのだろうか。

いざ喋り始めれば1ヶ月ぶりの《PS》は1ヶ月前の《PS》であったし、半年前の《PS》だったし、7年半前の《PS》だった。
わたしの知っている、衝動性が強くてちょっと怠惰で、友達思いな《PS》だった。

話が盛り上がる。セルフサービスのお水に入れた氷はもうすっかり溶けたし、それすらもう飲み干した。
快い喉の渇きが自分に素直さを教えてくる。
自分を正確にひらけている感覚に気づく。

勝手に周回差をつくっていたのはわたしだった。

ねえプライベート・スーパースター!
僕の前では頑張らないでくれ
神様みたいにさせないよ 機嫌悪いのに踊ろうよ

ゆっきゅん,君島大空『プライベート・スーパースター』

きっと《PS》は、わたしの知らない世界で頑張っている。それは事実だろう、わたしが知る由もないほどに。

でもわたしの前では《PS》は、誤解を恐れず表現すれば、頑張らないでいてくれている。
確かに《PS》はわたしの目の前でも分かるくらい成長・進化している。
けれど、《PS》は確かにここにいた。わたしの目の前に。
これは大事なことだ。
《PS》がこの場にいてくれて、
わたしに対して変わらぬまなざしを向け続けてくれることで、わたしは素の自分をひらける。
素の自分を認められる。
自分はケアされている。そう思った。

プライベート・スーパースター!
顔色よく生きてくれ

ゆっきゅん,君島大空『プライベート・スーパースター』

《PS》とわたしのライフステージの違いは今後ますます顕著になっていくだろう。
その度に、何度もわたしは先を走っている《PS》と自分を比べてしまうだろう。
これはわたしの性格上、仕方ないことだろう。

でも本音は、《PS》には顔色よく生きていてほしい。それだけなのだ。わたしの願いは。

同じ方向に進んでいなくても、お互いが顔色よく生きていれれば、そしてたまに交わって歓び合えればそれで十分だ。
そのたまに交わる日のために、わたしはわたしを大事にしたいと思う。

そう思える、思わせてくれたあなたはわたしのスーパースター。
これからもどうぞ、ご贔屓に。
そして《PS》への気持ちをまとめるきっかけを与えてくれた『プライベート・スーパースター』に大いなる感謝を。

#ゆっきゅん
#君島大空

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