きゅんです
「ポケットからきゅんです!」という曲をご存知だろうか。
TikTokで人気に火がついた曲で歌詞に合わせてポケットから指ハートを出す振り付けがキャッチーだ。
この曲は非常にキャッチーでサビの秒数もTikTokサイズで女子高生に人気が出るのも頷ける。
この曲自体に文句はない。
俺が文句を言いたいのは、呑み屋で「ポケットからきゅんです!」と言いながら指ハートを差し出してくる人だ。そんなことをしてくるのは大概、初対面の酔っ払った女の子だ。
女の子がやってる分には何も思わないし、20歳になりたての男の子がやっていても何も思わない。しかしながら、俺の年齢は22歳だ。いや、変わんねえだろと思うかもしれないが、本人の心持ちとしては大きく変わるのだ。
22歳の男が「きゅんです!」と言われて「きゅんです!」と返すのは精神的に負担がかかる。
もっと正直に言えば、傍目で見てる分には良いが、自分に向けられるとイラッとしてしまう。「何故俺にそれをしようと思った…」そう思ってしまう。
差し出された指ハートを手で叩き落としてやろうかとさえ思う。
そんな思いを噛み締めながら笑顔で「きゅんです!」と返してるのは、お酒は楽しく呑みたいという俺の性格のせいだろう。