詩について
自分が思っている以上に影響されている言葉は多いかもしれない。サビ、結句、決め台詞、パンチライン、啖呵…つい口に出してしまうフレーズが山ほどあるし、実際にボソボソと声にすることもある。
多くに人が知る詩に「いま遠くで犬が吠えるということ」という一節がある。自分と自分以外とのゆるやかで連続的な繋がりが波打っているような、抽象的なのか具体的なのかわからないような情景が浮かぶ。とても気に入っているフレーズだ。
あたかもずっと前から気にっているような言い方をしてしまったが、スマートフォンを眺めながら「そういえばこれ、かなり良いよな」と断続的に積み重なった感情が顕現したのは今朝のことだった。
一時の気分でなんとなく買った文庫本の詩集がいくつかある。これからもしばらくは本棚を飾るだけの役割を押し付けるかもしれないが、また一時の気分でなんとなく手に取るだろう。そんないい加減な付き合い方でも、これからも詩を楽しめたらいいな、と思う一日の終わりだった。